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執事流異世界物語  作者: 一兄@茄子推し
1章~執事道は意外とハード?~
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見えた死の風景

迷宮探索8日目の朝。

真人の考えで、最終日に30階層を攻略しようということになり、そのためにその手前の階層でひたすらレベル上げをしようということになった。

今回、迷宮組として呼ばれた勇者は10人で、それを2グループに分けて行動することに決まり、チーム分けを始める真人たち。

結局、真人の方には美冬が。千秋の方には愛歌が入ることになった。


そんなわけで現在真人たちはひたすらレベル上げ中である。

モンスターハウスに入ったりしたり、魔物の大群を蹂躙したり。

それはもう、誰もが震え上がる光景であった。

真人は、プロト・クーゲルを乱射して魔物を消し飛ばし。

美冬は、ウサミミをはやしつつ、魔物を蹴り飛ばしたり。

千秋は、[想いの剣]で、魔物を真っ二つにして返り血を浴びながら走り抜け。

愛歌は、腕と足に、昨日覚えたばかりの血印身体強化魔法を行使して魔物をたたきつぶしたり。

ほかの勇者達も、それはもう魔物が可哀想になるくらいの斬撃や魔法を浴びせていた。


千秋たちのグループは、疲れたために休息をとることにした。

千秋が、何やらうんうんと唸っている愛歌に話しかける。


「んー?」


「どうかしたの?愛歌さん。」


「血流操作って、他にも使い道がありそうだなーって思って。今、ちょっと足に血を集めてるんだけどあんまり上手く行かなくってさ〜。」


「うーん、使い方が違うとか?血って、体に酸素を循環させたりするためにあるんだよね?他にも役割はあるけど、細胞を活性化させたりは出来るんじゃない?」


「ということは、例えば傷つけばその傷を一瞬で再生させることも可能?」


「わからないけどね。……あ。そう言えば愛歌さん、魔眼持ってたよね?」


「あ!そうだった。よし、使ってみるね!」


そう言って目に魔力を集め出す愛歌。

しかし、目の色も変わらないし視界も変わらない。


「んー?血印魔術使ってみよっと。」


そうして、血を目に集め始めると……。


「……ぁ!ああああ!い、嫌ぁぁぁぁぁぁ!やめてぇぇぇ!」


愛歌の目が、赤く染まり、見えてきた光景に愛歌は絶望し、激しい頭痛を覚え始めた。


そこに見えた光景は……。


目に入るもの全てが、壊れゆく瞬間。

万死の魔眼は、この世界に存在する、いや、存在しないものの“死”すらも、映し出す。そんな魔眼であった。

その目に映った光景。それは、


千秋が血まみれになって死ぬ光景。

傍らで休息している仲間の勇者達が、誰かに真っ二つに両断される光景。

迷宮に生きるすべての命が、怨みや憎しみを抱きながら消えゆく光景。

そして、親友である穏乃が、死体になって誰かに刺され続ける。


そんな、絶望的な景色であった。


ここで、勘違いしないで欲しいことがある。

万死の魔眼が見せる光景は、確定された未来ではない。

その可能性のある未来である。

しかし、愛歌がそれに気づけるはずもなく。

発狂し、泣き叫び、意識を手放した。

その光景に、勇者達は絶句し、その叫び声に真人たちのグループまで心配して駆けつけ。

魔眼の行使を思いついた千秋は、泣きそうな顔になりながら、愛歌を揺さぶるのであった。

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