見送り
「わー、ハルキがお嬢様にフラグを立ててるー。」
そんなことを棒読みで言うミーシャ。
「立ててませんよ!だいたい、俺には美冬という彼女が……。」
「私は、別に何人増えようと構いませんよ?」
「美冬さんや。俺はそんなに節操のない男に見えるのかい?」
「結構節操ないと思いますよ?そこで赤くなってる子もいますし。」
そういってリオネスを指す美冬。
「あー、お嬢様。さっき言ったのは従者としてですから。男としてではないですんで。」
「そ、そんなことは分かっている!」
「なら良かったです。じゃあ、行きましょうか。」
そんなやりとりをしつつ、王の間に向かう一行であった。
結論から言えば、春輝達は大混乱を招いた。
当然といえば当然なのではあるが、急に呪いが解け、美しすぎる女性となったリオネスと、その隣で真っ赤になってメイド服の裾をつかむ春輝に、王城中が混乱した。
混乱しすぎて、リオネスに告白して思いっきり振られたり、春輝が女だったのかと勘違いする騎士がたくさん出たほどだ。
そんな一連の騒動はあったものの、出発の時刻には、迷宮組の準備もできたようで、皆馬車に乗り込み始めていた。
春輝は、そんな光景を見つつ、美冬に声をかける。
「美冬、渡すものがあるんだ。」
「はい?何でしょう、春輝君。」
「これを、肌身離さず付けておいて欲しいんだ。」
そう言って指輪を取り出す春輝。
そして、顔を真っ赤にする美冬。
「そそそそ、それは!こ、婚約指輪という奴でしょうか!!」
「ん、ん〜……。ちょっと違うかな?
この指輪には特別な魔法を組み込んでいて、美冬の危機になると俺が駆けつけられるようになってるんだ。」
「な、なるほど。婚約指輪ではないんですか……。」
そういって落ち込む美冬。
そんな美冬を春輝は抱き寄せて、美冬の耳元で、
「後でちゃんとしたのを用意するから、それまで待っていてくれる?」
と、小さな声で言った。
それに何度も頷く美冬。
そんな光景を見て、「リア充爆発しろ!」という声が沢山上がったのは書くまでもないだろう。




