技術室にて part1
「え〜と、技術室は……ここであってるのかな?」
春輝は、凰雅に頼みごとをするために技術室の前に立っていた。
今の時刻、朝食前の凰雅は技術室にこもってひたすら練習してるらしい。
それをアテにして、来た春輝であったが、中から聞こえる謎の叫び声に少し入るのをためらっていた。
しかし、いつまでもそうしているわけにもいかず、ドアをノックし声をかける。
「ごめんくださ〜い、凰雅に用があってきたんですけど〜。」
すると、目に隈を作った凰雅がヨロヨロとドアを開けて出てきた。
「どうかしたか……?ハル……。」
「どうしてお前は朝からそんなに死にかけてるんだ……?」
「……原因はアレだ。」
そういって、指をさす凰雅。
その先には、おびただしい量の武器が乱雑に積まれていた。
「………まさか、全部お前1人でやったのか?」
「それも、今日の早朝からだ……。途中から魔力ポーションをがぶ飲みしながらひたすら武器をイメージし続ける作業に変わってな……。その内、頭の中で妖精さんが飛び始めたわけだ。……ふふふ。ふふふふふ。」
そういって、壊れたように笑う凰雅。
それを可哀想に思いつつ中に入る春輝。
「で、なんで急にこんなに武器を一気に作ったんだ?」
「半分以上は貴様のせいだ。ハル……。昨日、騎士団長殿に勝ってしまっただろう?その結果を騎士団の皆さんはすごく恥じているようでな。
それに、我々が昨日第2訓練場で見せたプロト・クーゲルも、原因の一端を担っているというわけだ……。あれだけの威力の武器さえあれば、誰にでも勝てる……とでも思ったのだろうな。」
「そんなわけで、武器を新しく作らされるハメになったと……。
しかし、そんな急造の武器だと、性能も落ちるんじゃ?」
「もちろんである。だが、それで良いのだ。身の丈に合わぬ力は自らを滅ぼすというであろう?」
そういって、武器を一つ手に取る凰雅。
「だが、作品一つ一つにかけている気持ちは本物だ。この剣と同じ型の物を100本以上作ったが、どの剣にも思い入れがあるものである。」
そういって、満足気に微笑む凰雅。
「して、ハルよ。我に用があるとは?」
「あ、そうだった。指輪を作って欲しいんだ。」
「ふむ……?何故だ?」
「転移魔法を使えるようになったんだ。転移をするためには目印がいるから、指輪にそれをつけておこうかと思ってな。」
「個数は?」
「とりあえず、2つにしておいてくれるか?」
「カラー指定などは?」
「うーん、銀色と金色でお願いできるか?」
「お安い御用だ。他に希望はあるか?」
「あ、危機感知とかって、付与できるか?」
「できるぞ。程度はどのくらいにする?」
「ん〜、体力が1割を切ったら指輪が光るようにしてくれるか?」
「了解した。」
そういって、一瞬で作り上げる凰雅。
その光景に、春輝が感嘆の声を上げる。
春輝は、指輪を受取りつつ言う。
「あ、もう1個、実はお願いしたいことがあるんだけど……。
これはやめといた方がいいのかな?」
「……なんだ?気になるから言ってみよ。」
「剣、作ってくれない?」
「一応、参考までに聞くが、何本だ?」
「……とりあえず30000本くらい?」
「貴様は我を殺す気か!……交換条件次第だ。」
「こちらからは食後のデザート1週間分を報酬としよう。」
「……我は今ダイエット中でな。……そうだな。ハル、お前のトレーニングに付き合わせてくれ。それが交換条件だ。」
「いいのか?そんな条件で。」
「ああ。いつもお前にはお世話になっているからな。」
そういって、笑う凰雅。
春輝は、許可をもらえて内心ホッとするのであった。
作者「マジで申し訳ないです〜!!!毎日更新とか言っておきながらサボっちゃって!」
春輝「その分働け。キリキリ働け。」
作者「……いつも以上に春輝君の目線が冷たい(´・ω・`)」




