嫁の数
「春輝君、真剣な話があります。」
真面目な顔で、美冬が春輝の目を見て言う。
春輝がリオネス達と夕食を終え、風呂に行き、部屋に帰ってきて1時間が過ぎるか過ぎないかと言ったところで、美冬が部屋を訪れた。
美冬がいつになく真剣な顔をしていたので、春輝は緊張しながら、美冬を部屋に入れた。
そして、今、春輝は美冬に見つめられ、そんなことを言われている。
「真剣な話って?」
「はい。私たちの今後について、大切なお話です。」
そして、真面目な顔のまま、春輝に向かって美冬は言う。
「お嫁さんは、最高でも5人までだと思うんです。」
「……は?」
春輝は素っ頓狂な声を上げたのだった。
美冬いわく、
「春輝君は多分、沢山女の子をお嫁さんにする気がします。」
「でも、春輝君の体は一つだけです。」
「ですから、お嫁さんの数は最高でも5人がいいと思うんです。」
だそうだ。
春輝は、すべての話を聞き終えて、言う。
「俺ってそんなに信用されてないの……?」
「信用してないわけではないですよ?
というより、むしろ信用しているからこそです。
春輝君みたいな人を、私ひとりで独占するなんてこと、勿体なくてできません!」
「いや、勿体ないって。」
その原理からしたら、美冬も俺にとってはもったいないくらいの彼女なんだけどなーと思う春輝。
「ですから、春輝君のお嫁さんは5人までだと思うんです。
5人が、春輝君の限界だと思うんです。」
「俺にそんなハーレム作る気なんてないから……。俺には美冬ひとりで充分なんだけど……。むしろそれすら俺では足りてないほどなんだけど……。」
「そんなことないです!春輝君は格好いい男の子です!もう、これ以上ないくらい最高の彼氏ですよ!」
「そ、そうか。ありがとう。……でも、なんでそんなことを急に言い出したの?」
「今日、リオネスさんをバカにされた春輝君が、すごく怒ってましたから。春輝君のことだから、どうせリオネスさんにもフラグを建てるんだろうなーって。」
「建てないよ……。俺だって、流石に仕えている人をバカにされたら怒るよ。その人がいい人なら余計に。」
「そこで怒れるからフラグを建てられるんですよ!普通の人は笑って流しますもん!」
「そういうもんか?」
「そういうものです!」
そう言われて、唸る春輝。
そんな春輝をみて、美冬は問う。
「春輝君。私も、悪口を言われてたらリオネス様の時みたいに怒ってくれますか……?」
「それはもちろん。というか、殴るだけでは済まさないな。」
「……え?済まさないって?」
「とりあえず、内容にもよるけど、一生美冬の悪口を言えなくなるくらいには、トラウマを刻み込むかな?後は、まあ、そいつのプライドが消え去るまでイジメたおすかな?」
「……春輝君って、私のこと好きすぎませんか?」
「なんだよ。重いのは嫌か?」
「まさか。私も同じことをしますから。」
そう言って笑い合う2人。
少しその2人が黒く見えたのは、気にしてはならないだろう。ならないのだ。
「そ、それでですね。春輝君。話は変わるのですが……。」
「うん?どうした?」
「私は、明日から迷宮へ遠征なわけです。」
「そうだな。寂しくて俺が死ぬかもな。」
「死なないでくださいよ!?大丈夫です。離れていても、同じ空の下で過ごしてますよ。」
「そうだな。じゃあ、美冬の寝顔でも空を見上げながら思い浮かべようかな。」
「も、もう!そんな事言っても何も出ませんからね!」
そういって、咳払いして、話を戻す。
「私としては、今夜、その……、初夜を迎えてもいいかなと思ってるんです!だ、だけど、流石にそれは早すぎると思いますし、明日から遠征もありますし、それはやめておこうと思うんです。だから、代わりに、ギュッとして欲しいなって……///」
「ごめん、今もしも抱きしめたら絶対止まらなくなる……。何この彼女……。可愛すぎないか……?」
「そういってもらえると、彼女冥利に尽きますけど……。
あ!こういう時に、どんな頼み方をすればお願いを聞いてくれるのか、今日お風呂で穏乃ちゃんに聞いたんです!実践してもいいですか?」
「……嫌な予感しかしないけど、どうぞ。」
そう春輝が言うと、美冬は春輝に向かって、手を広げ、
「あの、春輝君……、一緒に大人になりませんか……?///」
「穏乃ぉぉ!物凄くグッジョブだが、この状況では良くねぇ……!」
「……??やっぱり春輝君はこの程度ではドキドキしてくれませんか……?」
「むしろドキドキしすぎてヤバい。理性の糸ってこんなにも切れやすかったっけ?ってなってる所……。今必死になって素数を数えてる……!」
「別に来てくれても構わないんですけど……///」
「だって、なんか嫌じゃん。ヤリたいがために付き合ってるみたいで。」
「その気持ちはすごくわかりますけど……。」
そういって、少し残念そうな顔をする美冬。
そんな表情の彼女を見て、春輝は美冬をギュッと抱きしめる。
「あ……!ありがとうございます……。春輝君///」
「これくらいしか出来ないけど、許してくれるか?美冬。」
「はい!もちろんです!むしろこれだけでもこんな気分なのに、それ以上なんていったら……///」
「ごめん、美冬。キスしてもいいか?」
「え、は、はい。いいですよ///」
そういって唇を重ねる2人。
結局その後、明日は早く起きなければ行けないということで、美冬が早く寝ることにしたので、2人は狭いベットで抱き合いながら寝たのであった。
ものすごい甘い雰囲気を出すのも当分お預けです!何かやったね!
リア充は爆発して幸せになって欲しいです。何を言ってるかは意味がわかりませんが。




