オリガVS春輝
3分後、準備の終わったオリガが審判にはじめの合図を促す。
審判は不安そうな顔をしながら、「それでは、始めてください。」と合図をすると、オリガが魔法の詠唱を始める。
「武神よ、我にっ!?」
しかし詠唱が終わる前に春輝の拳がオリガの腹に迫る。
そのせいでオリガの詠唱は中断され、オリガはその一撃をギリギリで避ける。
「今のを避けますか。では、もう少し早くしても問題ありませんね。」
そういって微笑む春輝に悪寒が止まらないオリガ。
1度、ジルの認める春輝の実力を見てみたくて、バカにして怒らせたのだが、オリガは今となってそれを後悔していた。
(ジルと同じだな……。無害そうな顔をしていやがるのに、ありえないほど強ぇ……。)
オリガはそんなことを思いながらも、もう一度詠唱を始める。
今度は、身体強化をしながら。
「武神よ、我っ!?ガハッ!」
しかし、身体強化で強くした体でも、春輝の一撃に耐えられず、吹っ飛んでしまう。詠唱をしようにも、体が吹っ飛ばされては集中力が続くはずもなく、オリガはまた詠唱に失敗してしまう。
そこで、春輝が口を開いた。
「ふむ。これじゃ、面白くないな。よし、詠唱して全力で来てください。」
その言葉に、オリガは愕然とし、同時に怒りを覚えた。
それでは、完全に舐められている様なものではないか。
この王国で一番強いと言われている、3人の中のひとりである自分が。
目の前の少年に。
オリガは本気で怒ったのか、怒声を上げながら詠唱を始める。
「チクショウがぁぁぁ!後悔すんなよクソガキぃぃぃ!
武神よ!我に其方の祝福を![武神の赤鎧]!」
詠唱が終わると、オリガの体は赤黒い血の色のような鎧で覆われていた。
その姿に春輝は少しカッコいいとおもいつつ、向かってくるオリガの剣の一撃を避けようとする。
「必殺![炎武神の宝剣]!」
すると、オリガの剣から膨大な魔力とともに豪炎が出て、春輝に襲いかかる。
避けれると思っていた春輝をその豪炎が襲う。
オリガはその一撃で春輝を殺せたと確信し、その直後、目に入ってきた光景に唖然とする。
豪炎が、跡形もなく消え失せており、平然と春輝は立っていたのだ。
信じられないという感じの表情をしたオリガが、言葉を発する。
「なっ……、どういうことだ!?」
「簡単な事です。あなたの攻撃が俺には通用しなかった。ただそれだけですよ。」
そう言ってまた微笑む春輝。
「さて、これで全力ですか?」
「ま、まだだ!この一撃をくらえ![炎武神の神撃]!」
そう言って、オリガが剣を振り、先程よりも更に威力の強くなった豪炎が春輝を襲う。
しかし、その攻撃はまた消え失せる。
その光景に第1訓練場の人間が全員愕然とする。
「ふむ。じゃあお返しです。」
そういって、春輝が指をパチン!と鳴らすと、何も無かったはずの空間から先ほどの豪炎が出現し、オリガに向けて飛ばされる。
それを避ける術もなく食らったオリガは吹っ飛んで、訓練場の壁に激突する。
その一撃で意識を失ったらしく、戦闘不能になったオリガ。
「なんだ。もうギブアップかよ。」
そう言って不満そうにする春輝。しかし、春輝の怒りはその程度では収まらなかったらしく、オリガに便乗してリオネスの悪口を言った3人組に声をかけた。
「おい、そこのお嬢様を馬鹿にした騎士3人組。今、土下座して謝れば許してやる。する気がないならあの人と同じことになるけどどうする?」
「調子に乗るなよ!クソガキがぁ!」
そう言って斬りかかる騎士3人組。
そのがらあきの腹に拳を入れる春輝。
すると体をくの字にまげて、3人がそれぞれの方向へ吹っ飛ぶ。
壁にぶつかって崩れ落ちた3人をみて、満足し、現状をようやく把握したのか、春輝はハッとして、
「えーと、もしかして俺、やらかした?」
と、当然のことを今さら美冬に問うのであった。
作者「七時に更新するつもりがだいぶ遅れた……(´・ω・`)」
春輝「仕方ないな。[武神の赤鎧]を考えつくだけで30分以上かけてたらそうなるだろ。」
作者「申し訳なさで血を吐きそうです……。」
春輝「吐血されると迷惑だからやめてくれ。」




