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執事流異世界物語  作者: 一兄@茄子推し
1章~執事道は意外とハード?~
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ジルの実力

美冬と別れた後、春輝は第三訓練場に向かっていた。

第三訓練場は、王城の中でも端の方に位置する。

第一、第二訓練場は王城近くにあるにもかかわらず、第三訓練場だけが遠くにあるのには理由があった。

一つ目は、その使用頻度である。第一は騎士、第二は魔術師が使用するため、毎日のように人がいる。

しかし、第三訓練場の使用用途は、[護衛や使用人たちの最低限度の訓練]であるために、週に1度人が来ればいい方、といった程度しか人が行かない。

二つ目は、建物が建てられた時期である。第三訓練場の建てられた経緯は、ジルが大きな要因ではあるのだが、それはおいおい語るとして、作られたのは20年ほど前である。第三訓練場を建てる頃には、空いてるスペースはそこしかなかったのである。

第三訓練場は、第一訓練場のような運動場のグラウンドとは違い、サッカーコートのような、芝生であった。

春輝がそこについた時見たのは、“灰色”の髪のジルであった。


「時間ぴったりですね。素晴らしい。この世界の人間は皆、時間にルーズなのですよ。ですから貴方のように、時間ぴったりに来る人は珍しい。」


「ありがとうございます。ジルさんは、いつからここに?」


「私がついたのは4時50分位です。ハルキ殿との待ち合わせの時間まで少しあったので、日課である魔力制御の訓練を行っておりました。」


「その、髪の色とはなにか関係が?」


そう春輝が質問をすると、ジルは心底不思議そうな顔をした。


「ご存知ありませんか?魔力量がある一定以上に到達すると、魔力制御の際に髪の色がステータスプレートの色に染まるのですよ。恐らく、ハルキ殿の場合は透明なので気づかれなかったのでしょうが、ハルキ殿も私と同じことを無意識化でしております。」


「……なるほど。勉強になります。」


「では、話はここら辺にして、訓練を始めましょうか。

とは言っても、ハルキ殿が私に殴りかかるだけなのですけれどもね。」


「……え?」


「では、ハルキ殿、私に手加減なしで、殺す気で殴りかかってきていただけますか?」


「いやいやいや、そんな事できませんよ!?」


「何故です?こんな老いぼれを殴ることに何を躊躇することがございましょう?」


「老人には優しくするべきでしょう!?それを置いておいても、なぜ俺がジルさんに殴りかからなければいけないのですか?」


「昨夜、言いましたよ?あなたの力を見せてもらうだけだ、と。存分に殴りかかっていただいて構いません。恐らくあなたでは、私の服に土すらつけれないでしょうし。」


「……後悔しても知りませんよ。」


言いながら、構えをとるハルキ。

それに対し、ジルはとても自然体である。


「私を後悔させれるものならばさせてみなさい。」


「……わかりました。では。」


春輝が一気に距離を詰め、その拳がジルの顎を捉えたかのように見えた。しかし、それを自然な流れで避けたジルは、がら空きの春輝の腹に、見た目通りの老人とは思えないありえない力のこもった発勁を叩き込む。


「ガハッ!?」


攻撃を食らった春輝は口から息を吐き出し、体をくの字に曲げながら吹っ飛ぶ。

突如腹部を襲ったあまりの激痛に春輝は倒れ込み、体を丸めて痛みにのたうち回る。

それを見たジルは、少し申し訳なさそうな顔をしながら近寄ってくる。


「申し訳ございません。とてもよい角度で拳が入ってきたもので、とっさに本気で吹っ飛ばしてしまいました。今治癒を施します。」


そう言って、春輝の腹部の前に手をかざす。

すると、ジルの手から淡い灰色の光が漏れだし、春輝の痛みが何も無かったかのように消えた。


「……今のは?」


「治癒魔法でございます。執事になるためには必須スキルですよ。」


「……ありがとうございます。」


少し悔しそうな表情をしながら礼を言う春輝。


「ハルキ殿、貴方は武術を習ったことはございますか?」


「……いえ。弟が武術をしていて、それに付き合わされた程度です。」


「本当ですか?それにしては綺麗な一撃でした。まともにくらえば私とて少し危なかったでしょう。」


そして、ジルは春輝に手を差し伸べながら、


「ハルキ殿、貴方様に足りないものは、才能を補うための技術だと思います。よろしければ、私が[執事流体術]をあなたに叩き込みたいと思うのですが……」


と言った。

ジルに起きあがらしてもらった春輝は、首をかしげながら言う。


「執事流…体術?」


「はい。私のような老いぼれが、鍛えてるとはいえハルキ殿を吹き飛ばすなんてことは素の力では100%不可能です。

私がこんな事を出来るのは[執事流体術]というものを使っているからです。」


そこで言葉を切ると、ジルはまた隙のない構えをとりながら、


「少し見せてあげましょう。ハルキ殿、かかって来なさい。」


と言い放った。


その後、食事の時間まで春輝は吹っ飛ばされては治され、死にかけては治癒をされる、そんな事を繰り返すのであった。

せっかくなのでここでジルのステータスを表記。


〘名前〙ジル Lv.83

〘職業〙暗殺者

〘ステータス〙

[体力] 7200/7200

[魔力] 3210/3210

[筋力] 4350

[知力] 6210

[敏捷] 8340

[幸運] 2290

[技量] 12690


《技能》

・身体強化魔法 Lv.8

・体術 Lv.10

・魔力制御 Lv.9

・魔力障壁 Lv.5

・気配遮断 Lv.9

・暗殺技術 Lv.10

・毒知識 Lv.10

・治癒魔法 Lv.4

《異能》

・人格変化 Lv.8

・鑑定の魔眼 Lv.9

・殺戮衝動 Lv.5

《魔力適性》

・無属性のみ

《カラー》

・灰色

どこかで、ジルの過去編もやりたいと思います。第三訓練場が建てられる原因になったジルの話です。スキルに何個か不穏な文字が見えますが、基本的に本編では使われることはないかもしれません。

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