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1 魔法は銃よりも強し

作者の奏でーす

『神殺しの聖職者』も読んでね!

「仕事疲れたぁ、」


昨日の夜ろくに寝ずに仕事をしていた僕は目を擦りながら書類を片付けていく


「僕仕事辞めたいけど先に後継者育てとかないとなー」


はぁ、と僕はため息をつく


ジリリリリリ


警報ベルが鳴る


「なんだよ、仕事増やさないで欲しいんだけど」


バンッ


勢いよく扉が開くと同時に、兵が入ってきた

ノックも無しに入ると言うことは、よほどの事態なのだろう


「失礼致します!京(けい)様!只今王都に魔族が現れたそうです!援護を申し込みに参りました!」


魔族かー、あとで王様にキッチリ報酬もらおう


「仕事終わってないのに」


僕は戦闘用の服に着替え、愛杖を持って城の外に出た


『京、緊急事態だよ。とりあえず噴水の広場まで来てね!』


飛行魔法で王都を見下ろし、索敵魔法で魔族を探していると、魔法通話が入った


ドゴォ


言われた通りに広場の近くまで飛んでいると、翼を生やした人型の生物が見えた。暴れて噴水を破壊している


「ねえ、京。遅いよ」


僕の同期?まあ、仲間の茶髪茶目美少女の喫音(きつね)が俺を軽く叩く

宮廷魔道士の制服がよく似合うと思う


「ごめんって、仕事で眠くてさ」


「それじゃあ、罪滅ぼしにでもあいつをどうにかして。近くの住民の避難は済んでるよ」


「ランクは?」


「Bだった」


「めんどくさ」


僕は手元に魔力を込めながら魔族に近づく


「ただでさえ神聖魔法は僕の得意分野じゃないってのにさ。」


正直早く寝たい


僕は愛杖を構え、短縮(コントラクション)詠唱(インカンテーション)の体制に入った


『聖なる檻(ホーリージェイル)』


ガシャン


魔族の周りを僕の魔力が漂い、そして拘束する。ちなみに『聖なる檻』は僕しか解除できない


「僕めんどくさいから喫音も攻撃してー」


「了解ー」


喫音が詠唱を始める


詠唱あると魔法の発動に時間がかかるんだよね、

僕もさくっと攻撃して帰ろ


『聖なる嵐(ホーリーストーム)』


ゴオオオオ


風属性の魔力と聖力が螺旋状に魔族の肉体を抉る


シュウウウ


「あ、倒しちゃった」


後ろからまずい感じのオーラが漂う

恐る恐る振り返ると、そこには激おこぷんぷん丸の喫音がいた


「ねぇ、京!私に攻撃しろって言ったよね!?」


「あんなに弱いとは思わないじゃん!?」


「もう!さっさと後片付けに入るわよ!」


「めんどくさ、ねむ」


僕と喫音は魔族を魔法で焼く

魔族も元は人間だからな、なんで魔族になるのか知らんけど


「京ー。これなに?」


喫音が魔族だった肉体から鈍く光る石のようなものを見せてくる


「一応解析しておくか」


そう言って解析を始める


「そろそろ雷も」


来るだろうから、と喫音が言いかけた


その時だった


ピカッ


石が黒いオーラを放ち、僕と喫音を取り囲むように黒い魔法陣が展開される


「喫音!僕の近くに寄って!」


僕は魔法陣から喫音を庇う


そうして、僕の意識は飛んだ



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



バッ


起き上がると、僕はベッドの上にいた。横には愛杖があった。

僕の視界の半分を僕の蒼い前髪が覆う。

確か魔族の遺体を焼いていたら、石が出てきて、解析しようとしたら魔法陣が展開されて、意識が飛んだと。


「ここはどこー、私は誰ー。喫音に決まってんだろ!」


隣から1人で変なこと言ってる人がいるけど多分知らない人だから状況を整理する。


ジャッ


カーテンが開く

いや、開けられる


「おはよ、京!」


そこには茶髪美少女の誰かがいた


「一旦状況整理するから黙って」


「私も混ぜてよぉ」


「めんどくさ。好きにして」


僕が開き直っていると、喫音が口を開いた


「あのさ、京」


「なに」


「これって『異世界転移』なんじゃない?」


よく漫画とかにあるやつか


「あるかもな。何より、僕たち以外の存在に魔力を全く感じない」


「ほんとだ。この世界って生き物いるのかな?」


「なにが動力なんだろうな」


ガッ


少し話したら看護師の制服を着た人が入ってきた

そして僕たちを見るなり、唖然としながら部屋を出ていった


「ドクター!患者様が目を覚しました!」


そう聞こえる

間も無く白衣を着た好青年が出てきた


「患者様、記憶はありますか?」


「短刀が直入しすぎて驚(きょう)が愕(がく)って感じなんですけど」


「私が説明しちゃうね!記憶はあるよ!私たちはカイミラ王国の宮廷魔道士。魔族の処理してたら魔法陣が自動展開されて、飛ばされちゃった!」


「何をおっしゃっているのですか?日本語が喋れるってことは、日本人なんじゃないんですか?」


ドクターらしき人物が僕達を不審がる


「日本ってどこですか?」


「いい加減にしてください!どこの県出身なんですか!?」


ドクターが声を荒げる


「県?なんですかそれは」


知らない語彙が連呼される


「これ以上ふざけるなら警察を呼びますよ!?」


「警察って何?」


喫音も参戦する


「こちら側からも質問いいですか?」


流石にこの戦いは止めないとまずい

ドクターがため息をつく


「どうぞ」


「この世界でのエネルギー源はなんですか?」


ドクターが諦めた素振りを見せ、説明を始める


「電気です。発電方法は多様で、火力発電、水力発電などがあります」


「じゃあ、魔力は?」


「そんなものないですっ!」


なるほど

魔法なしの鬼畜モードで生活している世界か、


「じゃあ、僕達が宮廷魔道士なのは信じていないと」


「なんですか、そのファンタジー役職」


見せた方が早いか


『水の球(ウォーターボール)』


僕の手から小さい水の球が出る

それを見たドクターが言葉を失っていた


「喫音、そろそろ大丈夫か?」


「あとちょっとかな」


回復したら、元の世界に帰る方法を探そう


「待ってください!」


ドクターに声をかけられる


「忠告があります。この都市から出てはいけません。いいですか?」


「なんでですか?」


「都市の外は戦争状態だからです」


「へぇ、その戦争ではどんな武器が使われてるの?」


喫音が興味津々に聞く。本当に戦いが好きだなこの子


「銃や爆弾、です」


「そんなものだけ?」


「そんなものってなんですか!どちらも人命を簡単に奪える凶器ですよ!?」


「それは魔法も同じです」


僕は愛杖を拾い、ベッドから降りた。


「名前だけでも言ってから去ってください!」


ドクターが諦めかけた声色で言う


「京」


「家名は?」


「そんなのないよ。京。ただの、京」


後ろから僕達を呼ぶような声が聞こえる気がするが、僕達は気にせずに窓から病院を飛び降りて、街に出た。


正確には逃げたと言う方がいいかもしれない。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「喫音ー。情報集まった?」


「まあね」


「じゃあ後で報告s」


きゃあああああ!


そこまで言ったところで、悲鳴が聞こえた


「喫音、行くよ」


「あいよー」


上空から声の出所を探していると、小さい女児がガタイのいい男達に囲まれている


「降りるよ」


僕達は女児の前に立った


「おいおい、にいちゃんよぉ、俺たちはそこの女の子に話しかけてんだぁ、お前はお呼びじゃねぇんだよっ!」


そう言ってチンピラは銃を取り出した


「喫音、銃弾の速度も見たいし銃は壊さなくていいよ」


「えー、それ後ででもできるじゃん」


僕は喫音の言うことを聞かずにそのまま煽った


「じゃあ、僕達がこの子に色々話しかけとくから、チンピラ達は消えてくれる?」


ちなみに今しれっと『威圧(オーバーベア)』を使っている


「チンピラ、撃てるもんなら撃ってみろよ」


「ハッ!だが、銃の前には威圧も無力なんだよ!」


バンッ


『思考処理加速(プロセスエクサロレーション)』


『風の壁(ウィンドウォール)』


思考処理加速で自らの動体視力や跳躍力を底上げし、風の壁で銃弾を防ぐ


『炎の銃弾(フレイムバレット)』


炎の銃弾でチンピラを全員倒す

もちろん火力は抑えてある


「このチンピラ達放置でいいかな?」


「いいんじゃない?」


ハッ!!!


ここで僕は気づいた

戦争でもこんな銃を使うってことは、僕達が使う魔法の力で丸く収められるんじゃないかと

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