29話「暁光」
ちょっとずつですみません...
最近いろんな創作に手を出しちゃって...
「マジかよ...」
ビーチがそこには似つかわしくない魔物であふれかえっていた。
その様子は言うなれば百鬼夜行の阿鼻叫喚。
多分冷静なのはただ魔物を見つめている四人と、
その陰で少し震えている一人の女子高生ぐらいだろう。
他の生徒はというと、右へ左へどんな避難訓練よりもひどい避難を見せていた。
統率を取ろうとしている引率の先生もいるが、何せこのパニックだ。
この状況で生徒全員をまとめて無事に帰るなど絶望的だろう。
普通じゃないこの状況を除いて。
走り回る生徒に追う魔物。
そして...なぜか魔物を追う魚たちである。
魔物に攻撃をするどころか、空気中を波と共に泳ぎまくっている。
魔物とは言えものすごいスピードの魚の大群には抵抗する隙も無く体に風穴を開けられている。
魚が魔物にダメージを与えている時点でおかしいが、
哀れむような男二人の視線と、真剣な顔の少女と銀髪美女から理由は察することができよう。
人類、魔族それぞれの最高の魔法使いによる合作である。
どうやら少し怒っているためか威力が過剰のようだが、それもまたご愛敬。
「あの...お二人さん。昼ご飯邪魔されたのは嫌だったかもだけど、
そろそろいいんじゃないでしょうかねー」
妙に他人行儀な優斗と全力で首を縦に振るエリック。
その目の前には、生きている魔物はもう数えるほどしかいなかった。
「え...あ...やっちゃった...」
「あー楽しかった~♪」
まるで対照的なリアクションの二人。
さっきまで息が合っていたと言われても疑いから入るだろう。
「さて、どうしようか」
「俺たちが倒しましたと言うわけにもいかないよな」
なにやら手元で指を動かしながら話している優斗とエリック。
少しずつ残りの魔物が倒されて言っていることから何をしているかは明白である。
一般人から見たら波と共に魚が突如現れた魔物をボコボコにし、
残った魔物はなぜかひとりでにはじけていたり燃え出したり。
ファンタジーここに極まれりといったところである。
ババババババッ...!!
「ん?ヘリ?
なんかデジャブ...」
「久しぶりデスねユートさん方」
「どうしてここに?
ていうかこれ見られたら...」
出てきたのはいつぞやのムキムキのジャックさん。
「それなら大丈夫よ。
周りからしたらヘリは上空を旋回して、
私たちは呆然として見えるように思考誘導しておいたわ」
さっきのミスを取り返すかのように得意げに言うのは銀髪の天才だ。
「助かった。ありがとう
それで...どうしてここに?」
「最近日本に魔物の出現が偏っているだろ。
だから、こっちに支部を作ろうとしたら反応があってな」
ジャックの言うとおりに、最近はユート達の周りで発生していた。
今回ばかりはやめて欲しいと思いつつも冷静だったのは何度か対処をしているからだった。
日本に多いのはユート達を狙っているのかはたまた違う理由か、
真相は闇、いやゲートの中だろう。
「とりあえず、これは私たちが処理したことにするがいいか?
あと、日本にゲートが増えているということはこっちでも魔力を持つやつも出るかもしれない。言うだけ無駄だと思うが気をつけろよ」
「助かります。こっちも向こうの世界みたいになっちゃうんですかね」
“向こうの世界”
ジャックさんはセレナとエリックによって真相を教えられている数少ない人物だ。
「このまま続いていけばなるでしょうね。
広まっていけばインフラなどに魔力が利用される日も来るかもしれません」
「やっぱり早く何とかするしかないのか。
この宿泊学習終わったらとっとと攻略しちまうか次のところ」
「そうね」
「俺も楽しみだ。体うごかせるの」
「エリックはここ最近なかなかはしゃいでなかったか?」
「うるせっ」
軽口をたたき合う男二人
ただし世界最強クラス
「はいはい、二人はそのぐらいにして。
ベアトリスはユートから離れる!」
さりげなくなくなくユートにとびかかるベアトリスを引きはがしながらいうセレナ。
「それでは、一度ヘリに戻ります。
今度日本にも支部ができたら是非顔出してください」
「もっちろーん♪」
「了解です」
「では」
そういって片手でロープをつかんで引き上げられていくのを見て少し唖然とするブーメラン集団であった。
結局のところ後処理まで全部請け負ってくれて、無事一日目を終えられそうだ。
このあとはビバホテル!!である。
ちなみに、夏の日差しを反射するジャックさんの頭が、優斗たちには希望の光に見えた。
というのは黙っておこう。
今回ちょっと三人称の地の文にしてみましたー




