19話「デュナミリオス」
詠唱、この先の展開、話の展望、情報の管理、で色んな展開考えてはやめてを繰り返していたら遅れちゃいました...ご査収くださーい()
「よっしゃ迷宮だぁ。」
のびをしながら前にある大きな門を見る。
王都の東の森にある遺跡のような巨大な門。
二年半ぐらい前かな?最初に潜った大迷宮もここだった。
「初心忘るべからず。トラブルとかも無いようにに慎重に...
言ったらいいけど無理だろうな」
「早く行こ!
早く~!」
服引っ張るなよ...
今にも辺り一面火の海にでもしそうなベアトリス...
「おいエリック、セレナ。目をそらすなよぉ。」
「「・・・」」
「無視かよ!」
元気ベアトリスと絡まれる俺。
ニヤニヤしながら黙るエリック。ベアトリスをにらむセレナ。
もうこれが日常だなぁ。
「それじゃあ、おーぷーん!
おぉ~!!迷宮だ~!!」
「はしゃいでますね~勝手に扉を空けたベアトリスさん?」
「ユ、ユート...これはその...私が先陣を切ってあげるのよ♪」
「はぁ、それではお願いしますよ。」
「まっかせなさーい」
そう言って近づいてきていたスライムやゴブリンに特大の炎の竜巻をぶつける。
相手が悪かったな。
さて、さっさと進んでしまおう。
大迷宮はどこも100層まである。
一日でどこまで降りれるかだ。
ちなみに、前回潜ったときに登録していた転移結晶は使えなくなっていたから一から攻略するしか無い。
♢♢♢
「転移結晶が使えなくなっているから一から潜るしか無いな...」
「そうか。それは面倒だな」「でも私たちなら余裕よ」
「てんいけっちょー?」
「転移結晶な。10層ごとに設置されているセーブポイントみたいなもんだ。
登録すれば次はその回想から挑戦できる」
「え、なにそれ超便利!」
魔王の娘がこの知識量で大丈夫なのか?
目を輝かせているベアトリスを横目に俺は少しあきれていた。
「あれ?反応しない。」
本来は入り口の転移結晶に手をかざして魔力を込めると、
その魔力が最後に登録された階層まで転移できるはずなんだけど...
「これもあの夢の彼の仕業か、それともグラディオスの仕業か。
どっちにしても1から行くしか無いみたいだ」
「そうか、それは時間がかかって面倒だな。」
「そこなんだよなぁエリック。
俺の時は三年で三日しかたっていなかったけど、今回がそうとも限らないからな」
なにせ魔王の道具使っているし...
「今日はこの時計で20:00ぐらいまでがいいかな?」
地球から持ち込んだアナログ時計を見ながら聞いた。
「そうだな」「そうしましょう」
「え~、もっとぉ」
駄々をこねるベアトリスを無視して話は進んでいく。
今日は20:00までの探索。
そして再度登録した転移結晶は使えるかどうかのテストが第一の目的だ。
♢♢♢
今日は30層あたりまでゆっくり進もうかと思っていたけど...
「おりゃぁぁ!!」
目の前で崩れ落ちる40層のボス...
めっちゃ悪そうな笑顔してるなベアトリス...
普段ふざけてても魔王の娘って感じるときあるよなぁ。
「ふーっ。いい運動になった~」
40層のボスを灰すら残さないほどの攻撃して「いい運動」...
「どこまで行く気なんだ?ベアトリス。
もうあと2時間だけど...」
「じゃあ50まで行こ!」
得意げなサムズアップ。
あ、エリックとセレナが諦めた顔してる!
あとで「お・は・な・し」でもしてやろうか?
「さー、さて、次の階層行くぞー」
「わざとらしいわよ」
やっとしゃべった二人がこれかよ...
「あははっ。」
なんだかおかしくなって笑っちゃったな。
みんなもつられていく。
やっぱりみんなで笑うのはいいな。
気分も明るくなってくる。
♢♢♢
「よっしゃ。50層のボス行くぞ!」
勢いに乗った俺たちの前では41層~49層の魔物は、
チュートリアルのスライムよりも無残な敗北を遂げた。
「一応ちゃんと連携していくか?」
「そうするか」「久々ね!」
扉を開けて中に入り、なじみの構えを取る。
「ちょっと~!
この私だって最強ミラクルコンビネーションを魅せてあげるわよ」
慌てて空いていたポジションに入ってきたベアトリス。
「いくか」
「おう」
「ええ」
「いくわよ!」
「グォォォォォ!!」
ミノタウロスか。
巨大な二足歩行をする牛の魔物だ。
手持っている巨大な斧をいきなり振り下ろしてきた。
「ユート、ここは俺が」
「あぁ、任せた」
エリックが剣で軽々と受け止める。
エリックは聖属性魔法、特に防御系が得意だ。
防御力なら俺より高いかもな。
「よし、セレナ、ベアトリス、行くぞ──」
「おりゃぁぁ!!」
「「「あ、あぁ...」」」
三人の目の前では炎の竜巻に包まれているミノタウロスが居た。
「連携どこ行ったよ...
いくか」
「そ、そうね...」
おい、セレナが引き気味とか珍しいぞ...
「セレナ!」「ユート!」
『──その光をもって我を阻む邪を浄化せん』
『──燃え上がる炎の力で我が道を開かん』
『『ホーリーフレイム』』
俺の放つ光をセレナの炎が飲み込んで、白金色の聖炎へと変わってミノタウロスを飲み込んでいく。
「っし!」
久々に使う攻撃魔法、なんだろう。
やっぱり魔法が使えるって楽しいな。
規模が大きめの魔法を制限していたのか、セレナも嬉しそうな顔をしている。
ホーリーフレイム──聖属性と火属性の魔法を掛け合わせ、聖なる炎で相手を飲み込む魔法だ。聖属性だから魔物相手だとより威力が上がる。
「わたしもー!!」
『世界を巡る自由な風よ
我が手中にて進むべき道を示し敵を吹き飛ばさん』
『テンペスト』
おぉ、俺とセレナの聖炎にベアトリスの竜巻が合わさって聖炎の嵐になってる。
「よし、次の攻撃は──」
「はぁ...」
「ん?どうした?」
あきれた様子のエリックが砂埃の中からこっちに来た。
「あのな、三人とも。あいつもう塵も残ってないぞ?やりすぎだ」
「「「え...」」」
俺たち三人の魔法が消えたところには、
切り裂かれ、あちこちに切り傷のある石畳しかなかった。
「っ...すまん!!久々に規模が大きめの魔法を使ったら、魔法使うの楽しくなっちゃって。
む、昔を思い出すね!」
「え、えぇ!久しぶりだものね!」
「まぁ、ここが迷宮だったからいいけどさ」
エリックがあきれたような楽しんでいるような顔で笑った。
「「せーふ」」
セレナと目が合ってお互いサムズアップをしていた...
その中で、
「おぉ~。炎と聖、更に風かぁ。
色んな合わせ技ができそうで楽しみ~!!」
一番加減も遠慮も知らない問題児がなぜか一番叱責から逃れていた。
「ふぅ、ベアトリス!帰るぞ!」
「おっけ~。
よいしょっと」
また、シューという音のみで雷など落ちることも無く扉が出てきた。
「また一週間高校生だ。もどろうぜ」
「おう」
「えぇ」
「りょ~」
日常(?)に向けて足を踏み出した。
次は高校生活の話になるかなぁ
もうそろそろ夏休みで本格邸に迷宮攻略が始まるはず...




