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そして冒頭へ

「アイリ、事件に進展があった。人質は全員解放されていた。だけど、捜査は打ち切られた」

二階の自室のドアを開けながら僕はベッドの上で優雅に充電タイムを楽しむアイリに先ほど仕入れた情報を投げ掛けた。

「分かってるわ。ヨージがきっとそうやって帰ってくるのも分かってるわ」と貴婦人が悠長に紅茶を飲んでいるかのような余裕がある風に言った。

「え?もう分かってるの?」

「えぇ、ヨージがごはんに行っている間、事件について調査を進めていたの。そしたら、ニュースが記事で上がっているのを発見してね、見て、これ。まぁ、このニュースなんて誰でも見つけられるものだけどね」

そう言ってアイリは真っ暗の画面から自分で電源を入れ、画面にニュースサイトを写し出した。

僕はアイリを持ち上げ、そのニュース記事を食い入るように見た。

『⚫⚫市 連続少女行方不明事件 解決か』

そこにはテレビで報道されていた内容と全く同じものが記載されていた。

そして記事の最後には、『本事件は捜査本部により証拠不十分の偶発的な家出として事故を処理。家庭環境の聴取を行い捜査を一旦解決と判断』と書かれていた。

どこまでも事実を明るみに出さないようにしているとしか思えない。

「ありがとう、アイリ。ちなみに僕の仮説なんだけど、やっぱり裏で手を引いてる犯人がいると思うんだ。確信だけで、証拠とか根拠とかはないんだけど、これは家出とかではないんだ」

有美ちゃんが家出をするわけがないという根拠がない確信もあった。

確かに複雑な家庭環境で育っていることは事実だ。

だが、有美ちゃんがそれを理由に失踪するとは思えない。

僕が知る彼女であれば、家庭問題とも真っ正面から戦い、解決に向かうはずだ。

それに失踪した女性のなかには小学校低学年の女児もいた。

小学生まで育てば自分自身でいろいろと善悪の判断がつくので、何らかの理由で失踪を考えることも可能性として無いわけではない。

可能性は拭いきれないが、他にもっと可能性が高い証拠を当たっていった方が犯人に近づくはずだ。

僕は先ほど仮説立てた裏サークルの話をアイリに話した。

「ふん、面白いわね。ヨージのくせにちゃんと考えてるのね。」とちょっと小馬鹿にされた感じもあったが、アイリもこの事件に乗り気であるのも雰囲気で分かった。

「今日は一日空いてるから、折角だし外で話そうか」

そして話は冒頭に戻る。

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