第四節 決勝T:王者ブラジーメン
猛攻スウェーメンの激闘から数日後、次は、ブラジーメンだ。
巨大な王者の壁が、再び目の前に現れた。
ーーそれでも、今回は違う。
今回、負けるなんて、思っていない。
ーーあの勝利の感覚は、まだ残っている。
今回も、攻略するんだ。
息を呑み、深呼吸をする。
90分後、あの過去を乗り越えて、勝利を掴むんだ。
僕は、歌を聴きながら、心を落ち着かせる。
「いざ、勝負だ。」
僕は、カップラーメンの蓋を勢いよく開けた。
「よしっ、食べるぞ。」
カップの中から、コーヒーの豊かな香りが立ちのぼる。
ーー気持ちでは、絶対に負けない。
29分後
王者にも、必ず隙がある。
その一瞬を、僕は見逃さなかった。
「今だ!!」
「せーの!!」
大口を開けた僕は、一気に麺を口へ流し込む。
「やった!!」
僕は、この一口で、王者相手にも確かな手応えを感じた。
ーー歴史を変えるかもしれない。
いや、ここで、歴史を変えるんだ。
僕は、そのままペースを崩さずに、前半を食べ進めた。
小休憩
ーーこのまま、食べ切るかもしれない。
だけど、油断は、禁物だ。
王者が、このまま終わるはずがない。
気合いを入れ直し、僕は後半戦に臨んだ。
後半戦
後半に入ると、王者のプレッシャーが、僕に襲いかかる。
ーー箸が進まない。
食べたい気持ちだけで、一向に、食べ進めることが出来ないでいた。
じわじわと麺が押し戻され、手を止める時間が増えていく。
「これは、まずい」
そのまま、時間だけが流れていった。
54分後
「まだ、進まない。」
だけど、僕は、ペースを崩さずに、食べ進めていた。
そこに、大きな肉の塊が目に映る。
ーー食べ切ってやる。
勢いよく食べると、奇跡的に一口で食べ切った。
「よしっ、よく防いだぞ。」
56分後
さらに、食べ進めようとするが、麺の中から、大量のコーンが現れた。
「食べ切ってやる!!」
しかし、コーンは、無常にも、僕の箸をすり抜けて行く。
「コーンが。…コーンが、掴めない!!」
ーーだけど、気持ちは、まだ負けない。
まだ、振り出しに戻っただけだ。
ーー反撃だ。
そう思っていたが、王者の猛攻は、止まらない。
「食べるしかない。」
そのまま、王者の隙を狙おうとするが、前半のような隙が生まれなかった。
終了間際
「もう、時間がない。」
ーーあと、少しで、食べきる。
しかし、そう簡単には終わらなかった。
カップの底に肉の塊が入っていたのだ。
「負けたくない。」
そう思っているが、制限時間まで、残り僅か。
そして、僕の箸は、止まりつつあった。
僕が、シュラスコを食べ進めている間に、制限時間の90分が経った。
ピピピッ!制限時間終了!
僕は、箸をテーブルに置くと、悔しくて堪らなかった。
「また、4年後に、この借りは返そう。」
僕は、そう心に誓うのだった。




