41話 許されざる者
「久しぶりですね、ラースさん」
「……アレン・リード。 妾に何の用じゃ」
「そんな殺気立たないでくださいよ。 あなたが倒した大蛇についてお話しがあるんですよ」
「大蛇? あぁ……魔の森から出て来た愚か者か」
「そうです、そうです。 それ、僕が仕組んだんですよ」
「何だと……!?」
ハイビスから凄まじい殺気が漏れ出す。
それを前にしても一切、表情を変えず、笑みを浮かべるアレン。
「お姉ちゃん」
「……! ミヤなのか? なぜ、ミヤは死んだはずじゃ! リード! 貴様、何をした!?」
「何もしてませんよ? その証拠に……ほら」
「……ぐ! ミヤ……? いや、違う! ミヤじゃない……のか」
ハイビスは背後からナイフで刺されていた。
ミヤと呼ばれた少女が歪み、全く別の美女に姿を変える。
「ランエル……!? 貴様らァ……謀ったな……」
「謀るも何も……あなたが甘いだけッスよ、ラースさん……くくく……」
「ごめんねぇ……ラースちゃん、妹のミヤちゃんと感動の再会……! になるはずだったのにねぇ……ふふふ」
「……殺す、殺してやる……灰も残らないと思え……!!」
ハイビスから魔力の嵐が巻き起こる。
「んー、さすがッスねぇ。 けど、無理ッスよ。 あなたを刺したのが何なのか分かってます?」
「ぐ……魔力が乱れる……! これは……レイズナイフか」
「正解! あはははははっ! 得意の龍化は出来ませんし、その状態じゃあ、いくらあなたでも命を落とすのも時間の問題でしょう。 あなたが見下す相手にやられた上に、地面で這いつくばって死ぬ、惨めな時間を楽しんでください」
そう言い残して、アレンとランエルは路地裏から去っていく。
「くそ……何故じゃ……妾はまだ……死ぬわけには」
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「……やっと着いた」
魔の森北側に位置するのがクラウド王国、南側に位置するのがカシーレ公国である。
サジビア帝国を馬車で出発、途中の町に寄りながら到着した。ここを目的地にしたのには理由がある。
「この国にもSランク冒険者がいるんだよな、どんな奴かな」
世界に5人しかいないSランク冒険者の1人がカシーレ公国にいることを聞いたため目指したのだ。
「とりあえず、ギルドに行くか。 依頼を見てくれる人がいないから受付嬢にでも頼まなきゃな」
通行人にギルドの場所を聞き、向かっている途中。
路地裏に消え入りそうな気配を感じる。
「おい、大丈夫か!? しっかりしろ!」
「……ぅう……誰じゃ」
「くそ、このままじゃ、死んじまう。 悪いが連れてくぞ!」
彼女を抱えて医院へと急いだ。
「申し訳ありませんが、ここでは延命は出来ても完治は難しいです」
「何でだよ!」
「これはスピューというSランクの魔物の毒に侵されています。 解毒剤を作るには最上級の解毒茸が必要です。 ……ですが、最上級の解毒茸は魔の森最奥にありますので採取は不可能です」
「魔の森最奥……にあるんだな? じゃあ、今すぐ取ってきてやるよ」
「そんな……無茶です! 最奥はSランク冒険者ですら、到達が厳しいと言われているんですよ!?」
「そんなこと関係ねぇよ、俺は行く。 さっき延命出来るって言ってたよな? 俺が帰ってくるまで何がなんでも命を繋げろ!」
夏樹は医師に向けて、そう言い残し、医院を出て行く。




