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天晴(てんせい)
家に帰ってから気がついた。
僕は1時間も駅のホームで雨を降らせていた。
リュックを背負ったまま窓際にどっしりと座って、家の中から外の世界を眺める。
「にゃ〜」
後ろからルルが話しかけてくる。
いつもの僕なら返事を返す。
しかし、今の僕にはそんな余裕はなかった。
家の中では涙を落とせない。
ルルの前ではそんな姿を見せられない。
だって、『外の世界の現実』を教えてあげたくない。
ルルは僕の隣に座って一緒に窓の外を眺める。
朝とは違い、日がある。
そんな日を見てられなくて、僕は俯く。
”ザー”バチッバチッ””ザー”
急に大きな音がして、顔を上げる。
「えっ」
はっきりと日が出ていながら、大粒の雨が勢いよく降っている。
日の光で一つ一つの雨粒がはっきりと見える。
その光景はあまりにも不思議だった。
気づけば雨は止んで、元通りになっていた。
「いつも一緒にいてくれて、ありがと」
僕はやっと返事をする。
隣には『友達』がいる。




