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寂しい気持ち

 フィオナはその日、泊まっていくことになったようだった。


 夕食の席で一緒になったので、アマリアはそうだろうと推察した。


 でも夕食では何気ない様子だった。


 フレイディの様子も普段と変わらなかったし、最近の出来事や身内の動向など、ごく普通の会話を楽しみながら食事は進んだ。


 アマリアも、フィオナとの話で少しすっきりでき、また感情の吐き出しと整理ができたからか、その話にも控えめながら混ざることができた。


 夕食後、食堂を出て自室に戻ってからは少し緊張してしまったけれど。


 フィオナは多分今夜、フレイディに話をしてくれるのだろう。


 そのことを考えると、どうしてもそわそわしてしまう。


 でも自分のすることは、それを気にすることではなく、フレイディにしっかり自分の気持ちを伝え、話をすること。


 そう言い聞かせ、普通に、普通にと心がけて、お風呂などを済ませて過ごした。


 夜も早めにベッドに入り、眠ることにした。


 明日、フレイディ様に「お話をしたい」と言ってみましょう。


 布団に潜り、目を閉じて、アマリアはそう決めた。


 今ならきっと、表面上だけではない話ができるはず。


 そう思えるから。


 話を聞いてくれたフィオナには、またお礼を伝えなくては。


 色々考えてしまうことはあったけれど、昼間の話でくたびれていた。


 眠気が襲ってくる。


 それに、あの少女とフレイディの事情にショックを受けた気持ちはなくなっていない。


 心情的な疲労もあっただろう。


 ただ、それに関しては、なくなるものではない。


 薄らいでいっても、このあとずっと心にあるようなものなのだろうな、と思った。


 しかしフレイディのそばにいるなら、知っていなくてはいけないことであり、抱えていなければいけないこと。


 ……契約だから、あと数ヵ月だけど。


 ただ、契約だということが頭に浮かんだとき、アマリアはどう思っていいかわからなくなった。


 この結婚も、そばにいることも、ただの契約。


 それなら終わってしまえばアマリアには関係がなくなるといえた。


 きっとすっきりすることのはずだろうに、アマリアの心に浮かんだことは違っていた。


 寂しいと思う。


 なにが寂しいのかはよくわからなかった。


 フレイディのそばにいられなくなることか。


 結婚関係が終わりになることか。


 それとも、もうこうして『心近付けること』が不要になることか……。


 考えているうちに、眠気は本格的になり、アマリアの意識はとろとろ溶けていった。


 眠りの中に落ちていく。


 夢は見なかった。


 良いものも、悪いものも、なにも。


 ただ意識はぐっすりと暗闇に沈み、きっとアマリアの心を整理させて、癒してくれた。

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