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奇妙な体験  作者: 谷口由紀
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黒いひょっこりはん

これは怖くない気がするので、特に※マークはつけませんでした。



病院あるあるかもしれないのですが、夜勤中はいろいろなことがあるのです。


ナースコールでお部屋に行くと「カーテンの陰から覗くのよ」とすんすん泣いてるお婆ちゃんが居たり、「猫の鳴き声がすごいのよ」とワクワクする猫好きのおばさまが居たり。


「この部屋五人いるから狭い!」と怒る個室のおじいさまが居たり。



谷口、深く考えません。

せん妄です。

(※せん妄とは、高齢者や入院患者に多く見られる云々で、実際にはないものが見える幻視とか妄想等が含まれる『一時的な意識障害です』みたいなことが調べたら書いてあるのでぜひ調べてみてください)


そう、つまり全ては「せん妄」で片が付くのです。

なんならエレベーターの内側からライトが付いたのも、全てせん妄です。


……それはさておき、そんな発言を聞いて過ごしていると、どれがせん妄か……なんて考えなくなります。


そう、全てせん妄。


カーテンから見下ろす黒いひょっこりはんも、私のせん妄です。

一緒にいたお婆様は、その黒いひょっこりはんは「男性」と言っていました。


ただの全身黒タイツにしか見えなかったので、丁寧な解説ありがたい。

そう思い、谷口はお婆様に重要なことを確認しました。



「その男性って、イケメン!?」


顔面大事。

生きてる人間は差別なく接しているつもりだけど、女性の大部屋に深夜こっそり乱入してくる男性ひょっこりはんの顔面……気になるじゃないですか。


そしたら、お婆様はじっとその黒い影を見つめて、残念そうに言いました。


「普通、かねぇ……」


谷口、悟りました。

この言い回しは社交辞令だと。


つまり……。


仕方がないのでお婆様に言いました。


「イケメン以外、気にしなくていいよ。寝るまで傍にいようか? なんなら添い寝する?」


と。


ちなみに添い寝は丁重にお断りされました。



お婆様の安眠妨害しないでいただきたいものです。

つぎ泣かせたら、休憩室のごま塩持ってきて振りかけてやろうと思います。

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