第七章 はじまり
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春のやわらかな木漏れ日が、エーデル男爵邸の窓辺を照らしていた。
ロゼッタは窓のそばに立ち、じっと門の方を見つめている。
庭の木々は新しい葉を広げ、風が吹くたびに光が揺れた。
セリアはその様子を見て、静かに声をかけた。
「どうされたんですか」
ロゼッタは視線を門から離さないまま答える。
「お父様を待っているの。今日こそは、領地から帰ってくるはず」
セリアは少し首を傾げた。
「爺やさんは明日って言ってましたよ」
するとロゼッタは自信満々に言う。
「お父様はいつも、二、三日早く帰ってくるのよ!」
そして少しだけ胸を張った。
「私に会いたくて」
セリアは思わず小さく笑った。
「なるほど」
ロゼッタは窓枠に手をついて、門をじっと見ている。
遠くの道には誰もいない。
春の風だけが、庭の草を揺らしていた。
セリアもロゼッタの隣に立ち、同じように門の方を眺める。
二人はしばらく、何も言わずに外を見ていた。
時間だけがゆっくり流れる。
庭の鳥が鳴き、雲が空を流れていく。
――たしかに。
ハインリヒ・エーデル男爵は帰ってきた、
一日予定を前倒しにして。
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