第四章 始まり
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エーデル男爵家の応接室。
午後の柔らかな光が窓から差し込み、丸いテーブルの上のティーセットを静かに照らしていた。
ロゼッタは椅子に座り、両腕に付けた四つのバングルを少し気にしながらカップを持った。
エーデル男爵が穏やかに笑う。
「どうだい、ロゼッタちゃん。その腕輪は慣れたかな?」
ロゼッタはむう、と頬を膨らませた。
「慣れましたけど……」
バングルを少し持ち上げる。
「やっぱり、可愛くないです」
男爵夫人がくすっと笑った。
「そんなことありませんよ。お母様には、勇者の腕輪みたいに見えます」
ロゼッタは首をかしげる。
「勇者?」
男爵夫人は優しく言う。
「ええ。自分の力をきちんと制御して、人を傷つけないようにしているでしょう?」
ロゼッタは少し考えてから、カップの中の紅茶を見た。
「……それなら、まあ」
小さく呟く。
「ちょっとだけ、かっこいいかもしれません」
エーデル男爵夫人は嬉しそうに笑った。
「そうでしょう?」
男爵は紅茶を一口飲んでから続ける。
「それに、その腕輪はロゼッタちゃんが成長した証だ」
ロゼッタは顔を上げる。
「成長?」
男爵は頷いた。
「昔は魔力暴走が怖かった。でも今は、ちゃんと制御できている」
少し誇らしげに言う。
「父としては、とても自慢だよ」
ロゼッタは耳を赤くした。
「そ、そんな……」
そして小さく言った。
「……ありがとう、お父様」
男爵夫人は微笑みながら、ロゼッタのカップに紅茶を注ぎ足した。
応接室には、穏やかな午後の時間が流れていた。
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