表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/42

第二十八話 肩の荷が降りた

21時に短編「最愛の生け贄」を上げます。

婚約者を奪われた悪役令嬢のバッドエンドをお楽しみください。


5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


本日も読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の★から評価をいただけると励みになります。




レーヴェン侯爵家。


ティアナの部屋。


ティアナは一人で椅子に座っていた。


窓から差し込む午後の光が、床に長い影を落としている。


ティアナはぼんやりと天井を見上げた。


(カイゼル様は言った)


――主人公は確保している。


つまり。


最愛の生け贄エンドは起こらない。


ティアナはゆっくりと手で顔を覆った。


「……ありがとうございます。カイゼル様」


そして小さく呟く。


「ごめんなさい、ロゼッタさん」


ロゼッタを巻き込んで死のうとした。


最低だ。


ティアナは机の引き出しを開けた。


一枚の紙を取り出す。


セリアのメモ。


豚骨ラーメンがわかるなら


ティアナは眉をひそめた。


「なんで豚骨ラーメン?」


ティアナは


味噌ラーメン派だった。


理由は単純。


北海道出身だったから。


ふっと前世を思い出す。


大学の研究室。


夜遅く。


パソコンの前。


そしてカップ麺。


味噌ラーメン。


「……食べたいな」


少しだけ懐かしかった。


ティアナは窓の外を見る。


(セイント・サーキット教団

 

 カイゼル様は……どうする気だろう)



月に一度の懇親会の日。


今日はエーデル男爵家で行われていた。


応接室。


ロゼッタとカイゼルが席に着いている。


その後ろにセリア。


今日は


侍女見習いとして立っていた。


爺やは扉の外にいる。


セリアは胸を張った。


「えっへん


 小間使から侍女見習いにクラスアップしました」


カイゼルは頷いた。


「えらい、えらい」


ロゼッタは恥ずかしそうに腕を見た。


右腕に二つ。


左腕に二つ。


ごついバングル。


魔力制御装置だった。


ロゼッタは小さな声で言う。


「……あの。


 このバングル、私の趣味じゃなくて、


 でも魔力暴走を防ぐために必要なんです」


カイゼルはじっと見た。


「重そうだな」


ロゼッタはしゅんとする。


「やっぱり変なんだ、


 可愛くないんだ」


カイゼルは真剣な顔で言った。


「ロゼッタ、


 似合ってる、


 かわいい」


ロゼッタは固まった。


耳が赤い。


その空気を変えるようにカイゼルが言う。


「すまない。


 ロゼッタを理由にしてティアナと会ってきた」


ロゼッタが目を丸くする。


「え?」


カイゼルは説明する。


「ロゼッタが怪我をさせたから謝罪したい、


 という建前だ」


セリアが口を挟む。


「すごい、


 あんな暴力事件のあとで?


 普通は謹慎処分でしょう」


カイゼルは言った。


「キーワードを使った


 ライクラ」


セリアが身を乗り出す。


「本人から出てきました?」


カイゼルは頷く。


「ゲームの主人公を確保していることを伝えた、


 それから、


 カルト教団の名前も聞き出した」


セリアは思わず言った。


「あんた前世何者だ?」


カイゼルは答えた。


「〇〇社の営業」


セリアは目を丸くした。


「大手じゃん!


 なんでこんなクソゲー知ってるんだ」


カイゼルは即答した。


「元カノの趣味だよ!


 俺の趣味じゃない!」


セリアは指をさした。


「あー!


 それ聞いた話だ!」


ロゼッタが真面目な顔になる。


「カルト教団はどうするんですか?」


カイゼルは少し肩をすくめた。


「残念だが、


 父上に丸投げだ」


セリアが笑う。


「カイゼル様でも丸投げするんですね」


カイゼルは言った。


「俺も子供だ、


 できることには限界がある」


ロゼッタは少し意外そうに言った。


「カイゼル様でも、


 子供だって思うんですね」


その言葉に三人は少し笑った。


そしてセリアは思った。


(ティアナはもう大丈夫だ)


最愛の生け贄エンド。


もう、ティアナはあのエンドに怯えていない。


肩の荷が降りたような気がした。


セリアはそっと息を吐いた。





21時に短編「最愛の生け贄」を上げます。

婚約者を奪われた悪役令嬢のバッドエンドをお楽しみください。


5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ