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またまた猫又、以下潜り。  作者: ネコヌコニャンコ


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第七話

続き書きました。


『……なるほどのぉ。状況は理解できた。海莉、一度家に戻ってきなさい。』


 おじいちゃんに起きたことを全部話すと、そんなことを言ってきた。


「戻ってって…今すぐにでも2人を追わないといけないんだよ!?」


『落ち着くんじゃ。今取り乱しておっては助けられるもんも助けられん。それに、海莉に渡すものがある。』


 渡すもの…?なんだろう?でも、今すぐ2人を助けに行きたいし…


『海莉。これは必ずお前にとって役に立つものとなるはずじゃ。一度戻ってきてはくれぬか?』


 もう一度おじいちゃんにそう言われ、私は家へと駆け出す。


 ここから結構距離あるけど、走れば10分くらいで着く。


 街中のあちこちから夕飯の匂いがただよう中を駆け抜けていく。


 途中で信号が赤になって足を止めそうになるけど、もう仕方ない…!


 道路ごと高く横断歩道を飛び越え、そのまま家に走る。今更他の人の目なんて気にしてられない!


 家の近くまできたところで、車にぶつかりそうになって焦った。でも、謝ったら相手の方もちゃんと注意してくれたから気をつける。


 って、反省するのも大事だけど!


「おじいちゃんただいま!戻ってきたよ!」


 半ば無意識だけど、玄関のドアを乱暴に開けてしまった。


 壊れてはないけどものすごい音。


 だけど、それと対照的に廊下もリビングも真っ暗で物音ひとつしないほど静かだった。


 もしかして、おじいちゃんも攫われた!?そんな最悪の可能性が浮かび、リビングへと入る。


 しかし、中には誰もいない。


「おじいちゃん!?どうしたの!?何があったの!?」


 家全体に声をかけるように叫ぶが、やっぱりなんの物音もしない。


 一先ず、警戒しながら電気をつけると、そこには、なぜか壁に張り付いてるおじいちゃんの姿が。


 ジッとおじいちゃんを見つめる。おじいちゃんも私を見つめ返す。そしてしばし沈黙。


「…なにしてんの、おじいちゃん。」


 ようやく言葉が出てきた。まぁ、家帰ったら壁に張り付いてるんだし、言葉は出ないよね。


「いやぁ、海莉に今から渡すものの効果を目で確かめてもらおうと思ってな。」 


 そんなことを言いながら、おじいちゃんは壁から降りてきた。


 おじいちゃんは今、猫耳付きの忍者っぽい装束を身に纏ってる。まあ、衝撃だったのもこれのせいなんだけど。


「……それで、渡すものってなに?」


 もう考えないようにして、おじいちゃんにきく。


「これと同じものじゃ。」


 そう言っておじいちゃんは、何かを取り出す。え、まさかとは思うけど、クノイチみたいな格好じゃないよね…?


 そして、そう思った私の心を読み取るかのようにおじいちゃん。


「安心しなさい。海莉にクノイチのような格好させても、誰も惑わせられない上に、単に動きにくいだけじゃろうて。コソコソできるタイプでもないしのうぉ…。」


 ピキッときた。2人を助け出したら絶対締めよう。ちょっとぐらいは着てみても良かったとは思ってたんだけど!


 おじいちゃんには恨みを込めた視線を送っといて、おじいちゃんが取り出したものを見る。


 それは、銀光りするナイフと、黒い猫耳付きのパーカー。ホルスター付きの若干デカめの黒い厚底スニーカーのような靴、なんかを入れるポーチだかホルスターだかがついたベルトがあった。ズボンは?


「これは、とある昔馴染みのところで作ってもらったものじゃ。あと何回か依頼をこなした後に渡そうと思っておったが、今渡しておかねばいけないと思ったんじゃ。」


 ええと、つまりは依頼をこなすために必要な装備ってことか。なるほどね。


「おじいちゃん!なんでもっと早く渡してくれなかったの!!」


 おじいちゃんの肩をガクガク揺らしながら叫ぶ。これがあれば雪愛のとき、お気に入りの服がほつれることもなかったのに。


「落ち着け落ち着け。そもそも昨日依頼して今日届いたのだ。あやつは十分以上の仕事の速さをしておる。」


 あ、そうなの?てっきりおじいちゃんが隠し持ってたのかと思ってたよ。


 とりあえず、おじいちゃんの対面の椅子に座って話を聞く。


「ごほん、まずは海莉。これらをお前に渡す。まずはこのナイフ。相手を直接傷つけることはできないが、3回相手を切ると、5分ほどかのぉ…?相手にとってのトラウマ並みの幻覚を見せて動けなくすることができる。」


 …へぇ、確かにそれなら制圧するっていうのは簡単になるのか。


「そして、このパーカー。着ると先ほどのように、一定以上の明るさがないと見えなくなる、ステルス機能がついてる。防御面も中々に高い。昨日の雪愛の攻撃くらいならノーダメージじゃろう。」


 ふむふむなるほど、さっき見た通り、たしかに全くわからなかった。つまり、闇に紛れて戦う感じなのね。猫っぽくて忍者っぽいじゃん。猫耳パーカーだし。忍者ではないけど。


「まああとは変形するとかなんとか言ってたが、ワシにはようわからんかった。そこは自分で試しとくれ。」


 ……結構重要じゃない?変形するのは。どう変形するのかによるとは思うけどさ。


「それと、夜目が効くから大丈夫だろうが、フードを被れば暗視機能を使える。もしも、尻尾を隠したいならこれを使うといい。もちろん、パーカーは耳まで覆える。」


 暗視機能か…でもたしかに、この力使ってるとたまに不安定になるから、あってくれた方が嬉しいかも。


「このベルトは、見た目通り、武器やら携帯食やらを入れられる。ここに軽いお菓子でも入れておけば、海莉でも多少の傷は治るじゃろう。」


 確かにねぇ…今までポケットに入れておくにしても、何もない時についつい食べてたからこれはちょうどいいかも。


 しかも私の場合、他の倍近く食べないと傷の治りが遅いし。何気に便利。


「最後にこの靴。ちょっと特殊な作りらしくてな、脚力を上げてくれる上に、いざというときの、睡眠薬つきのナイフがでてくる。それで相手に少しでもかすれば相手は眠る。」


 なにそれつっよ。ピンチになった時にかすりさえすれば眠らせて逃げることはできるのか。


 とまぁ、これが装備一式の説明だった。ズボンは自分のを使えと。どうせなら全身くれない?というより……


「おじいちゃん、これ、今の私だと明らかにオーバースペックだよね?そんな使いこなせる気がしないし。」


 説明を聞いた感じ、私じゃ、多分半分くらいしか使えないと思う。


「まぁまぁそう言わずに。ワシの可愛い孫の装備じゃ。少しくらい過保護になっても良いじゃろう?それに奮発したせいでお主のズボンの装備も買えなかったしのぉ…」


 やっぱあったんじゃん!ズボン!


「それって、やっぱりなんか特殊な能力とかついてるの?」


「いや?ただズボンの後ろに尻尾用の穴が空いてるだけのただのズボンじゃ。」


 ………やっぱりなくてよかったかも。尻尾と耳を隠した時にお尻見えちゃいそうだし。


 いつもはズボンと上の服の隙間から尻尾出してて不便も感じてないし、うん、やっぱりいらなかったかも。


 まぁ、たまに突き破っちゃったズボンもあるんだけどさ。


 とりあえずまあ、この装備はありがたく使わせてもらおう。というか、もうそろそろ急がないと時間が…!


「ヤバいよおじいちゃん!時間が…!」


「あと3時間ほどしかないのぉ…。」


「なんでそんなに落ち着いてるの!?」


「落ち着かねば考えられるものも考えられん。現に今、海莉はワシがいなかったら、それを着て無策に飛び出そうとしていただろう?」


 ……確かにそうだけどさぁ。


「手がかりもないまま闇雲に探しても時間がなくなるだけじゃ。探す手段を考えてみなさい。」


 なんとか、その言葉で浮き足立つ体と尻尾を押さえつけることができる。


 私は貰った装備に着替えつつ、探す方法が何かないか考える。


 ってあれ、なんかこのパーカー、微妙に隙間が空いてるような……


「おじいちゃん!?なんでこれ下着までついてるの!?私こんなに大きくないし!!」


「わ、わわ、わ、ワシじゃない!!あやつが勝手につけたのじゃ!!無論ワシは海莉の大きさなど知らん!!お主がチビの頃くらいしか裸は見ておらん!!」


 ……たしかに。おじいちゃんがそもそも下着をつけてとは言わないか。とはいえ、なんのこだわりでつけたのかはわからないけど。


 それに、私はこんなのつける必要がないんだけど……泣いていいかな?


 色々とこのパーカーを触っていると、不思議なことに胸の部分の膨らみが消え、空いていた隙間が消えた。


 ……これはこれで文句言いたいんだけど。というか、変形ってこれ?悲しくなるからやめてほしいんだけど。


 なんとか着替え終え、ポーチに飴玉を10個くらい入れて、ナイフをベルトのホルスターに入れる。


 靴のサイズは…うん、ピッタリ。問題なく動けそう。


 軽くナイフも握って振り回してみるけど、軽くてまるで普通に拳を握ってるみたいな感覚。当てられればいいんだけど。


 そして、当の2人を探す方法については、着替えている途中に思い出した。


 そういえば、二、三年くらい前に彩奈に入れさせられたアプリがあるって。


 GPS追跡アプリだ。結局、家が隣だし、彩奈が使うってだけだったから忘れてたけど。


 これを使えばおそらく、2人の居場所もわかるはず!


 早速起動し、表示されたマップを見ると、彩奈は既に登録してあったので、その位置情報が見れた。


 場所は…公民館……!?しかも、私たちの通う学校のすぐ近くじゃん!!


 奴らがどういう目的でそこに2人を連れ去ったのかはわからないけど、近場なのは助かった。


「おじいちゃんありがと!場所はわかったから行ってくる!」


「おぉ、くれぐれも怪我しないように気をつけなさい。」


「……それは保証できないかも。」


 次第に不安に染まるおじいちゃんの顔を見つつ、私も家を飛び出す。


 どこか不安と焦燥、興奮に高まる胸を抑えながら。


続き書きました。関係ないんですけど、猫耳パーカーを猫に着せたらフードインフードじゃないですけど、猫耳イン猫耳で可愛くなりそうじゃないですか?あんまり良くないですけど、耳がピコピコ動いてるのをみるの好きです。

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