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またまた猫又、以下潜り。  作者: ねこぬっこ


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第二十三話

続きです。ぜひ読んでいってください。

 ふと気が付くと、どこか雲に包まれたような心地の良い空間を漂っていた。辺りは、黄色の明るい光が包んでいるが、それを意識すると途端に真っ暗になってしまう。


 体を動かそうにも、思うように動かず、ただただこの空間を漂うだけだ。


 これは夢だ。急にそんな意識が浮かんできた。たまに見る自分の意識がはっきりしてるタイプの夢。


 途端に体が動くようになり、キョロキョロと見まわすと、目の前には巨大なパフェが。


 しかも、イチゴやブドウ、キウイやメロンなどと言った果物がふんだんに使われているパフェ。


 それが器の中いっぱいに敷き詰められ、器の上にはみ出したものは、プリンの上に載っている。


 これまたいつの間にか握っていたスプーンで、クリームを一すくい。口に入れると、綿あめのように一瞬で溶けて消えてしまう。


 今度はプリンにスプーンを運ぶ......



 んっ......あれ?急にプリンが消えて......というか口の中がモサモサするような......しかもなんか手にプリンみたいな感触も......


 目を開けると、なぜか私は雪愛の尻尾の先端の片方を口に入れていて、両手をあげていた。その手は、私に覆いかぶさっている人物の柔らかいところ......私も欲しいくらいの凶器......もとい豊胸があった。


「ふふっ、目覚め早々我の胸をもむとは、とんでもない無礼者よ。」


 髪のカーテンで目の前の人物に視線が固定される。そこには顔が赤く、服装も少しはだけている狐火先生の姿が。


「やれやれ。雅爪が疲れて眠ってしまったから、代わりに起こしに来たというのに、こんなことをされては......」


 狐火先生は私の頬をなで、顔を近づけ......


「少しばかり鳴いてもらうやもしれぬぞ?」


 耳元で吐息交じりにささやかれ、背筋がゾワゾワした。


 狐火先生が私から離れ、立ち上がり、服装を正す。


「それでは、我は先に出るぞ。海莉たちも遅れぬように気を付けるのじゃぞ。」


 窓をガラガラと開けて出て行った。彩奈もだけどさぁ、ドア使うこと覚えよ?窓とベランダは出入りするところじゃないよ?


 とりあえず、なんか口に入ってる雪愛の尻尾を抜く。多分寝てるうちに間違えて口に入ってしまったのだろう。


 口の中に毛が残り、気になるのですべて吐き出す。


 取り出しながらふと気になる。狐火先生......さっき起こしに来てたって言ってたけど、なんで覆いかぶさってたんだろう?


 というか泣かすって何!?やっぱ寝ぼけてたとはいえ、胸揉んだこと怒ってるのかもなぁ......


 ちょっとだけ罪悪感を感じ、時間を見るために体の向きを変えようとしたところで、足にモフモフの何かが巻き付いていることに気が付く。


 触ってみると、彩奈がピクッと動き、ご機嫌そうにそのモフモフも動き始める。どうやら彩奈の尻尾だったみたいだ。


 そして、目を開けた彩奈と目が合うと......


「くぅ~ん」


 そんな鳴き声(?)を発しながら、私に抱き着いて私の頬っぺたをなめ始めた。


「ちょっ、ちょっ、ちょっ!?彩奈!?なにして......」


「えっへへ、海莉好き好き好き好き。」


 さすがに寝起きで寝ぼけてるだけだよね!?普段の彩奈ならこんないきなりしてこないし!


 ずっと舐められるわけにもいかないので、彩奈を引きはがしてベッドから抜け出す。


 ふと床に何か紙......というかメモが落ちていることに気が付いた。


『寝ている間に観察させてもらったが、彩奈と雪愛はアルコールは取っていないが、二日酔いに近い状態になっておる。あ、ここでの二日酔いは二日目も酔っ払いってことじゃ。大変だろうが、明日には治るはずじゃから、今日を頑張っとくれ。 狐火 』


 なるほど、あの人の模倣(トレース)の影響の酔いが抜けきってない状態と。何してくれてんのあの人?普通に今の彩奈学校に連れて行ったら、即保健室行きだよ。


 うん?裏に何か書いてある。


『ちなみに、我も二日酔いじゃ。』


 知らんわ!んなこと!!そりゃあれだけ飲んだら二日酔いになるでしょうに。あの人、ホントに教師向いてんの?


 というか、昨日装備を直してくれて、少しはいい人だなとは思ったのにさぁ……


 ともかく、彩奈は今日学校休んで......


「彩奈、今日はもう......」


 ふとベッドを見ると、よだれを垂らしながら寝てる雪愛の姿しかない。夢の中でご飯食べてる。もぐもぐしてるし。って、今はそうじゃなくて。


 彩奈の姿を部屋の中のあちこちを探したが、見当たらなかった。


 そして、ベランダの窓が開いていたため、そこから向かいの家を見ると、彩奈が着替えていた。どうやらベランダから自室に戻ったらしい。


 そして、ボタンを掛け違えたシャツと、尻尾のせいですぐにずり落ちそうなスカートで部屋を出て行った。


 この感じ、いつも通りに学校に行こうとしてる......!


 私も窓もしっかり閉めて、支度を終え、家に会った食パンだけを二枚取り出して、口に運びながら家を出る。


 彩奈の家を見ると、もう誰もいないようで、彩奈は出て行ってしまった後だ。


 いつもの通学路を駆けると、すぐに彩奈は見つかった。すれ違う人をクンクン嗅いではすぐに別の人の匂いを嗅ぎにいく。


 困惑している人もいれば、スマホを取り出して電話をかけようとする人まで出てくる。


「彩奈~!ストップストップ!」


 大声で声を掛けると彩奈の動きが止まった。そしてこちらを振り向くなり、尻尾をご機嫌そうにブンブン振って駆け寄り、私の胸に飛び込んできた。


 胸......?ちょっとだけ狐火先生のあの大きさの感触がよみがえってきた。


 ふと彩奈から鋭い視線が。ふくれっ面をしている。考えていることがバレたわけじゃないよね......?いつもの彩奈ではないため大丈夫だろうけど......


 でも、なんだかふくれっ面をしている彩奈がかわいくて頭をなでてしまう。


「えっへへ海莉ありがと~。」


 満面の笑みで言われ、なんだかこっちもうれしくなってしまった。ペットを飼う人ってこんな気持ちなのだろうか。うん?彩奈がペット?


 いやいやと少しでもその考えが浮かんでしまったことを反省する。それと同時に、いつもよりモチモチしているように見える彩奈の頬っぺたをフニフニと摘まんでしまった。


 えへへ~とこれ以上ないくらいに顔がとろける彩奈。


 ふと我に返ると、周辺がざわざわとしていた。


 ......冷静に考えて、学校近くの横断歩道手前でこんなことをしてたらそりゃぁ注意引くよねって話。


 なんだか無性に恥ずかしくなって、彩奈の手を引っ張って、教室へと走ったのだった。



 教室に入って、彩奈を今日は休ませようとしていたことを思い出す。しかし、来てしまったものは仕方ない。少し乱れている彩奈の髪と服装を整えて、席に座らせた。


 彩奈は何が気になるのか、こっちを見て首をかしげていた。そのまなざしは普段と比べ物にならないくらい澄んでいた。


 ふと、気になったことがあったため、スマホで調べる。


 チラッと視線を教室全体を見やると、彩奈がワンちゃんセットを身に着けているために、やはり視線は集まる。そして、この姿を見て我慢できないクラスメイトが一人。


「あ・や・なちゃ~ん、今日はワンちゃんになってるけどどうしたの?」


 ニコニコと、それはもう嬉しそうに彩奈に寄ってきた。そして、流れるように彩奈の耳に触ろうとして、その手をべしッと叩かれた。


「......ねぇ、なんで私手をはたかれたの?」


 花奈が若干涙目になりながら私にきいてくる。


「多分、いきなり頭か耳かを触ろうとしたからじゃない?驚いたんだよきっと。」


 とりあえず、今の彩奈が犬っぽいため、理由もそれとなく犬っぽくする。


「まずは手を近づけてみて、匂いを嗅がせてあいさつしないと。」


 調べた、犬への対応の仕方を適当に言っておく。あとでボール投げてみようっと。


 とはいえ、昨日の酔い状態と比べて、相当言動が違う。昨日はまだここまで動物的......ってよりは、犬的ではなかったのに、なぜこんなに変わったのだろうか。


 やっぱり、私の時と同じで、力が暴走してる…とか?いやでも、言動がおかしい以外には特に変なところはないし……


 何か手掛かりになるかもしれないと思い、犬の妖怪について調べてみる。


 犬神、人面犬、化け犬……う〜ん、一番近いのは化け犬だろうけど…多分違うし……うん?送り犬?なにそれ

 気になってさらに調べてみる。


 ふむふむなるほど。帰り道で後ろをつきまとわれ、転ぶと喰われる……彩奈の場合は、後ろに立ってから攻撃してた。もしかしたら、彩奈の基の妖怪はこれなのかも。


 となると、食べ物をあげた方がいいって書いてあるから……


 カバンから、昼休みに食べようと持ってきていた、昨日のクッキーを取り出し、彩奈の前に差し出す。


 すると彩奈の目が輝きを放ち、こちらに食べてもいいの!?みたいな視線を向けてくる。


「海莉海莉、これ食べてもいいの?」


 よだれを垂らし始めそうになったので、一旦待てをして、包装から取り出す。


 そのままクッキーを彩奈の口の中に入れると、もはや扇風機になりそうなくらい尻尾をバサバサしていて、耳もピコピコと動いていた。


 満面の笑みで頬張る様子に、やはりこっちも自然とほおが緩んでしまう……


 って、そうじゃな〜い!くっ、本当に犬にするみたいなことをしちゃった……どうしよ、やっぱり明日になるのを待つしかないのかな?


 彩奈を見ると、花奈が自分のお菓子……多分ミルク味の飴を、彩菜にあげようとしていた。


 彩菜もそれをもらえるのかと期待の眼差しで、もらえる瞬間を待っている。


「お手、してみたり…とか……?」


 花奈が手を出して、そんなことを試している。無論そんなことはするはずも……


「ちょうだ〜い?」


 あった。首を傾げて上目遣いで、そっと花奈の手に自分の手を乗せる。


 花奈はもちろん、その光景を見ていた周辺に死体の山が出来上がった。私も少しなんかこう、グッときた。やっぱ、彩奈はこのままでもかわい……いやいや、元の彩菜じゃないと彩菜じゃないから!!


「はいはい、彩奈、大人しく座っといてね。大人しく授業は……」


 つぶらな瞳で、遊ぶの?みたいに今にも立ち上がりそうな彩奈。私の質問にはブンブンと縦に首を張っているが、多分聞いていない可能性の方が高い。


 あとで狐火先生呼んでこよう……この原因作ったならあの人に責任とってもらおう……


 というかそうじゃん、昨日自分の酔いを治してたんだから、彩奈のも治せるはず。


 SHRの始まるチャイムを聞きながら、狐火先生に対する不満と、彩奈が、授業中ちゃんと大人しくしてるのかという不安が同時にあった。


 続き書きました。今回は彩奈の様子がちょっとおかしかったですね。


 もちろん、それは妖家の特質的なところが関係したりしてなかったり……ともかく、力の反動は思わぬ形でくるよねって話ですよ。走ったら筋肉痛になるとかそんな、はい。(現在進行形)

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