36乙女たちの会議⑴
学校の応接室の中で私とリリカは深いため息をついていた。どうしてこんなことになったんだろう?
うつむく私たちを見て、トトはケラケラと笑っている。黙りなさい。
しょうがないじゃない。こんなに悲しくて不安で心配な事って、そうないんだから。
そう。私とリリカは人生で12を争うほど窮地に陥っていた。
だってまさか、私たちのせいで、カルト君がいじめられるかもしれないなんて……!
事の発端はこうだ。
リリカは転入して、当然だけどこれほどの美人だから。あっという間に学園の高嶺の花兼アイドルになった。
いつのまにかファンクラブまでできちゃって。まぁそこまでは予想通りだし別に良かったんだけど……。
でも昨日、とうとうリリカに告白するっていう男子が現れて。で、その断り方がちょっとまずかったの。
リリカってば断る時に「私はカルト様を愛していますから」なーんて正直に言ってしまったわけ。
当然、このことは学園中の噂になった。
それで持って二人は付き合ってるなんて噂にまで発展して。私クラスメイトに「祝福しようね」なんて言われてしまって。それでついつい、私も冷静になれなくて
「カルト君の婚約者は私なの!」
なんてみんなの前で叫んでしまったわけ。
……はい。反省してます。
そのせいで今やカルト君は針のむしろで、私たちそれぞれ、カルト君がクラスの男の子にとんでもないあだ名で呼ばれているのを聞いてしまったの。
「いやー。女狩るトゥ・スケベルトは笑ってしまったなぁ」
「トト。黙って」
もう、本当どうしたらいいのかしら……?
そんなわけで私たちは学園の応接室を借りて急遽作戦会議をすることになった。
個人的に応接室を貸し切りにできるのはトトのおかげ。なんだかずるいような気がして、普段はあまりそういうのは利用しないようにしているけれど。カルト君のこととなると話は別だ。
題して私たち3人の「どうしたらカルト君がいじめられなくなるか会議」が始まったのであった。




