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27 乙女と脇肉と

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 1日100km強の踏破目標を決め歩いてきたが次第に登り坂になり登山の様相を呈してきた。


 様子が解らないので先行部隊が組まれる事になった。メンバーは狩人の佐藤父、マップ持ちのりりさん、魔術師の塩田、そして何故かわたし。


 みんなと待ってるよ~と言ったら


「お前が一番運動能力が低いんだから連れていくんだよ」


「ナゼに!?」


「つまりお前が行けるなら他の誰もが踏破可能ということだ」


 つまりわたしが最低ラインなのかよ! 


 山を歩くには狩人の心得が大活躍の佐藤父、りりさんにナビされて斜面を登り大岩を越えて行く。


「お前なにげにサクサク進んでないか?」


 殿になったのか、なってしまったのか最後尾の塩田が恨めしげに声を上げる。

 長いローブの裾さばきに翻弄されているようだ。いつもなにげに涼しい顔してこなしていく塩田には珍しい事だ。


「何でかな? 体が軽いんだよね~ レーションばっかりだから痩せたとか?」


 にゃははと笑うとそんなわけあるかアホこの脇肉は何だと人のわき腹をむしっと掴む。


「ぎゃッ! 乙女の肉を掴むな!」


「なにが乙女だ。乙女がパンツ丸見えで山登ってくか!」


「ぱ、パンツじゃないもん! 短パンだもん! っていうかどこ見てんのよ! エッチ!」


「ハァ!? エッチとかふざけんな! 誰がそんな色気のないパンツすき好んで見るか!」


「うわ~ん! 塩田バカ~!」


「馬鹿って言った方が馬鹿」


「うーっ、お兄ちゃん! 塩田がイジメる~」


「ざんねん、慶さんは後だ」


「ばかばか、塩田のばか~。一緒に来るんじゃなかった!」


「本当だよ、サクサク進みやがって最低ラインの検証になんないじゃねーか」


「・・・あ、すっかり忘れてたけどわたし軽業B取ってた」


「・・・馬鹿かお前は! 最初に思い出せよ!」


「そういう塩田だって忘れてたくせにー」


「元気だねー、君たちは」


 りりさんに笑われた。


「二人とももっとおとなしい感じだと思ってたけど二人で話してると違うんだね」


 うちの弟たちみたいって言われた。弟って、りりさんわたし女の子です~


「あー、スイと話してるといつもこんな感じになりますね。気使わないいていうか、取り繕う必要がないんで」


 あー、だからいつも扱いがぞんざいなんですね( ̄з ̄)



 


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