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04魔族調査

紅茶の買出しも終わり、カーニャが城に戻ると…?

(あのクッキーを食べて〜、ああ、あっちのマシュマロみたいなお菓子も食べて〜)


 あま〜い、お菓子の袋を手に下げて、カーニャの心は既にお菓子に傾いている。

 足取りも軽く、うきうき気分で城に戻ってきた。



「え〜と、博物館あっちから回り込むより、庭を突っ切った方が早く城にたどり着きそうだよね

 それにしても、おここは広いよね。キッチンの場所とか分かるかな? まあ、いいや、そのうち把握できるよね」

 と、博物館の横をすり抜け中庭に入って行った。


「そういえば、博物館あっちの方にはちらほら人がいるけど、こっちには誰もいないね。でも、誰もいない場所って言うのも良いよね。人間は無駄な事が好きだから、きっとこんな無駄な庭も作るんだね」


 広い広い芝の庭。

 手入れされた芝草のいい香り。

 芝庭の脇には小道が整備され、沿道の木々が心地よい木陰を作る。


「あ〜。あの木はウサギの形だね。あっちはキリンだね〜。へー、向こうにはバラ園なんてあるんだ」

 と、気持ち良く風の通る中庭をてけてけと歩く。






「〜〜〜〜〜っ〜」






(あれ?中庭の真ん中あたりに、誰かいるみたいだけど…。)

 目を凝らして見ると、小道で誰かこちらに向かい何か叫んでいるようだ。


「何だろう?」


 と、じっと伺う。そんなカーニャに気付いたのだろうか?声の主はカーニャに向けぺこりとお辞儀をしだす。

「お客様かしら?…う〜ん…、なんだか見たことあるような…。」

 と思い、ぺこりとお辞儀を仕返し、ぱたぱたとカーニャは小走りでその人物の場所に向かう。





「「あれ?さっきの」」





 と、2人はお互いの顔を見ながら驚く。

 四角い眼鏡に勇者っぽい風貌の男。白いマントを羽織り、腰には白金しろがねの剣を差している。

(ええっと、さっきぶつかって、怪我を治してくれた、人間……、だよね?)


(一体何のようだろう?

 も、もしかして…、さっきの治療の請求とか!?この人、実は何気にお医者様だったとか?)



(よ、よし。ここは、笑顔でのりきって、

 『お金はもらわなくてもいいか。こんな幼い子が喜んでいるんだし』

 の、雰囲気作りに徹底てっていしよう!)と、なにやら腹黒い考えを起こすカーニャ。



 ―――本来、生活費やらなんやらはすべてマオ持ちなのである。しかもマオはこの城を独断でぽんと買えるだけの財力はある。世界のほぼ半分を統治する魔王だし。つまりは、その魔王に仕えるカーニャとしても、お金に不自由したことの無い身であるはずなのだが、母親の教えなのだろうか、浪費はできるだけ抑えるように心がけている。というか、根っからの貧乏性のようだ。




「そういえば、他に怪我なんかなかったかい? ついでに治してあげようか?」

 少し腰をかがめ、できるだけ目の前の少女カーニャの目線に合わせようとする。そんな心遣いが見て取れる。

 マオとは対照的な態度。これがマオなら、カーニャとの身長差などお構いなしに、はるか頭上から言葉を発する。


「大丈夫です」と、とりあえず無邪気に笑ってみせる。

「うん。それは良かった」と言って男はそれ以上話さなかった。




「……………」




(……あれ?お医者様じゃないのかな?

 そうだよね、勇者っぽい人なら、治癒ちゆ魔法ぐらい使えても不思議じゃないよね)



 どうやら治療費の請求ではないらしいと踏んだカーニャは

「し、新聞ならいりません。ぎゅ、牛乳もいらないよね」

 などどとりあえずの先制攻撃。


「そうだね、僕も特には要らないな。新聞は取っているし」

 無害そうな笑顔で目の前の男は答え、これまた人当たりの良さそうな笑顔を見せ、男は話しを続ける。


「ああ、ごめんごめん。そういえば自己紹介がまだだったね。僕は『キサラギ』と言います」

「あ、あっと…、え〜と、トュットュ=カーニャと申します」

 名乗られ思わず礼儀正しく頭を下げ、カーニャも自己紹介をしてしまう。




「それで、僕は、勇者財団<エリオン>の者です」



「ゆ、ゆうしゃ、ざいだん?」




 はて?勇者財団?聞きなれない言葉をいぶがしげに思う。



(何だろう?…何かの勧誘かな?怪しい宗教団体だったり。

 …まったく人間は死の概念が弱いよね。死後の世界観なんて誰かに刷り込まれて、余計なお金を巻き上げられるだけなのにね。それに、もっとこう、お金はおっ欠いて使うべきだよ)


(まあでも、別に問題は無しだね。…こういう相手は、適当に初めの部分だけ話を聞いて、っで、

 『―――でもそれって、私の思想と異なるんで…。私は無理でしたけれど、けれど貴方の行動はきっと他の人のお役に立てると思います。頑張って下さい。―――

 とか言って、帰ってもらえば良いだけの話だしね)

 などど、話の展開を組み立ててみる。



「それで、その勇者何とかの人が何のご用事ですか?」

(本当に、こんな日中にご苦労様だよ。無駄に頑張る種族の代表だよね、人間って)



 ちょっと、困った様子を見せていた少女が、今度は、無邪気に微笑んで言葉を返す。

 目の前の幼い少女が、まさか自分のあしらい方を考えていたなどとは思いもよらないだろう。


 それどころか、無邪気に微笑む姿が、愛らしく映ったかもしれない。

『大丈夫、大丈夫。別に怪しい者なんかじゃ無いから』

 などど、言いながら、頭をぽんっぽんっと軽く叩いてしまいたくなるような、そんな感じさえする。



 まあ、実際そんな感情に至ったかは不明だが。キサラギのカーニャの印象は悪くは無かった。

『いやあ、こんなに小さいのに、きちんと挨拶もできるし、受け答えもできてる。』

『しっかりした子、躾の行き届いた子』と言ったところだろう。

 そして、カーニャの問いかけに、キサラギは相変わらず無害そうな笑顔で、ゆっくり口を開いた。



「調査です。今日は調査・・に来ました」





「ちょ、ちょうさ??」





(あれ?勧誘じゃ…、なかったね?で、調査? 調査って何のだろう?)

 カーニャは小首を傾げてみせる。





(―――――――はっ!!) 

 




(もしかして、調査って、調査って……、





 ―――魔族・・調査?!)






(この人、勇者の何とかって言っていたし、勇者の調べる事って、魔族の事ぐらいしかないよね?!

 ま、まさか、マオ様の正体、バレちゃってるとか?!

 むしろ、自分でばらしちゃったとか?!)




『いくらマオ様でも、自分で正体ばらすことなんて無いと思うけど、

 それに、バレた所でマオ様なら平気で逃げられるだろうけど』


 などと思いながらも、マオのお供として王都に来たと時から、一応の覚悟は有る。いざとなったらマオの盾になってあるじを守る気持ちは有る。

 それに今思えば、初めて出会った時から見せているキサラギの『無害そうな笑顔』は、この男の常套じょうとう手段なのかも知れない。


(そうだ、こんな風に、無害さをアピールして油断した所を、ってタイプの勇者なのかもしれない)




「…………」




父様とおさまみたいに、火は吐けないけど、


 母様かあさまみたいに、水も操れないけど、


 一族の名に恥じないように、わ、私だって!!)




カーニャは、うつむけた顔を上げ、よし!と心の中で覚悟を固めた。





■トュットュ=カーニャ

カーニャのフルネームが登場です。

それにしても、打ち込みしずらいです。書き込みには「カー、カニ」でOK


■カーニャの種族

もしかしてバレバレでしょうか?

「火が吐けない」とか言っていますが、(自作ゲーム作成のHPサイトでは、種族名ばりばり書いてたり…)



小説はほとんど読んだことも、書いたこともない素人もいいところです。

。」→」

・・・→… など基本的書き方すら分かりませんでした。

その他、何か勘違いな書き方ありましたらご助言お願い致します。

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狐の森
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「魔王が勇者育てました(仮)」経営ゲーム作成中です

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