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ぐうたら令嬢は公爵令息に溺愛されています  作者: Karamimi


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第47話:ぐうたら令嬢は幸せです

「どうして君たちが、そんなうっとりとした顔をするのだい?レイリスは僕の婚約者だよ。君たちには渡さないからな!」


 ギュッと私を抱き寄せ、令嬢たちを睨んでいるレア。相変わらず子供ね…


「はぁ、こんな嫉妬深くて子供っぽい男と婚約させられたレイリス様が、お可哀そうですわ。とはいえ、レイリス様がアドレア様をお選びになったのだから、仕方がないわよね」


「愚かな元王太子にアドレア様の事をバカにされたときのレイリス様のお怒りっぷり、よほどレイリス様はアドレア様を愛していらしたのよね」


 ん?ちょっと待って、この子達、何を言っているの?


「あなた達、一体何を…」


「“私はね、レアと婚約して公爵家で暮すのよ。レアともそう約束しているのだから。それをあなたが変に予定を早めたせいで、婚約が出来なかったのよ。どうしてくれるのよ!”と、愚かな元王太子に向かって叫んだ姿、素敵でしたわ」


「ちょっと…」



「“少し鬱陶しいところはあるし、私より強くてムカつくところはあるけれど、それでも私を大切にしてくれるレア。どう考えても、レアと結婚したいに決まっているわ。レアとあなたを比べること自体、レアに失礼よ!”あのセリフもよかったですわ。あの状況で、アドレア様に対する愛の言葉を叫ばれるだなんて。レイリス様は本当に素敵ですわ」


「ちょっと、あなた達、そんな事は言わなくても…」


「レイリスは、僕の事をそんな風に思っていてくれたのかい?使用人の話では、レイリスはジョブレスとの結婚を拒んで暴力を振るわれたと聞いたが。まさか僕への気持ちを伝えてくれていただなんて。僕もレイリスと結婚したいと思っているよ」


 私を強く抱きしめ、頬ずりを始めたレア。ちょっと、どうしてこうなるのよ!


「私は別にレアの事だなんて…」


「まあ、レイリス様、お顔が真っ赤ですわ。照れているレイリス様も素敵」


「レイリス様が照れられるだなんて…なんて尊いのかしら?」


 ちょっと、誰が照れているですって?


「あなた達、いい加減に…」


「君たち、もっとあの時の話を聞かせてくれるかい?そんなにレイリスは格好よかったのかい?」


「ええ。それはもう素敵でしたわ。あの状況でアドレア様への気持ちをぶつけた時も素敵でしたが、一番素敵だったのは元王太子をぶん殴った時ですね。あの時のレイリス様は、本当に女神の様でしたわ」


「あの姿を見たら、レイリス様の虜にならない者などおりませんわ」


「そうか…やっぱり僕のレイリスは最高の女性だ。レイリス、僕の為にジョブレスに反抗してくれてありがとう。でもそのせいで、レイリスが痛い思いをさせてしまってすまなかった。やっぱりジョブレスは生かしておけないな。今から八つ裂きに行くか」


「それなら私たちもお供しますわ。あの男には、私たちも恨みがありますから」


 ちょっと待って、どうしてそんな面倒な話になるのよ。


「皆様、落ち着いて。確かにあの男はどうしようもない男だけれど、今はもう王都にいないのだからいいじゃない。さあ、お茶にしましょう。マリアン、皆にお茶とお菓子を」


「レイリス様が私たちにお茶とお菓子を勧めて下さるだなんて、感激ですわ」


「レイリスはやっぱり優しいな。さすが僕の婚約者だ。さあ、レイリスもお菓子を沢山食べて」


「レイリス様、このお菓子も食べて下さい」


「こちらもお願いします」


 レアを始め、令嬢たちもお菓子を勧めてくれる。


 少し前までは、1人でのんびりと暮らそうと思っていた。貴族社会なんて面倒な事ばかり、極力貴族には関わらない様にして来た。


 でも、ひょんなことから、レアに愛され、なぜか令嬢たちにまで崇拝されるようになった。正直面倒に感じる事もある。


 でも…


「このお菓子、とても美味しいわ。こっちのお菓子も。あなた達もぜひ食べてみて。せっかくだから、皆で頂きましょう」


 こうやって皆と笑い合うのも悪くはない。貴族令嬢など面倒なだけだと思っていたけれど、思っていたよりも面倒な子たちはいない。


 それに…


「レイリスは本当に可愛いね。レイリス、改めて僕を選んでくれてありがとう。これからもずっと一緒だよ」


 いつの間にか傍にいる事が当たり前になったレア。私にとってレアは、隣にいて当たり前、いないと落ち着かない、いなくてはならない人になった。


 ただ…


「そうね、これからも一緒にいてあげてもいいわよ」


 素直に“私もレアの傍にいたい”と言えるまで、まだまだ時間がかかりそうだ。それでもレアは、そんな私を許してくれるだろう。


 だってレアは、頑固な私の心を動かした唯一の相手だから…


 おしまい

これにて完結です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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