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ぐうたら令嬢は公爵令息に溺愛されています  作者: Karamimi


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第18話:このままでは腹の虫がおさまりません

「なんて事だ…天下のサフィーロン公爵家の嫡男、アドレア殿が、あろう事かレイリスに好意を抱いて下さるだなんて」


「本来なら家じゅうを上げてお祝いしたいところですが…よりにもよって、レイリスだなんて…」


「我が家ももうおしまいかしら?レーラ達家族にも迷惑をかけるかもしれないわね。レズモン、万が一の事を考えて、マレアネちゃんとの離縁も考えておいた方がいいわ。あの子のご実家にも迷惑がかかるはなしだから。レーラにも話をして、最悪離縁も検討しないと」



「母上、落ち着いて下さい。僕はマレアネと離縁だなんてしたくありません。姉上のところもきっと、義兄上が姉上を手放さないでしょう。それに姉上のところは、子供が生まれたばかりなのですよ。マレアネだって、今妊娠中だし…」


「そうはいっても、天下のサフィーロン公爵家に目を付けられたのよ。万が一レイリスがアドレア様の気持ちを受け入れなかったら、我が家はきっと…」


 こちらをチラチラ見ながら、わざとらしい嘘泣きを始めるお母様。


 そんなお母様から視線をそらし、スッと立ち上がった。


「レイリス、一体どこに行く気だ。今お前の話をしているのだぞ」


「お話しなら済んだのでしょう?ですから私は、自分の部屋に戻ろうと思いまして。それにこのドレス、苦しくてたまらないので早く脱ぎたいし」


「お前は何を言っているのだ!レイリスのせいで、我が家が潰れるかもしれないのだぞ。レイリス、頼む。アドレア殿の元に…」


「嫌です。そもそもサフィーロン公爵もおっしゃっていたではありませんか。私の気持ちを優先してくれると。たとえ私が彼を拒んだところで、我が家に被害が及ぶことはありませんわ」


 万が一被害が及んだら、他国に逃げるまでだ。ただ…可哀そうだからお父様たちも一緒に連れて行ってやろう。この人たち、私がいないと何もできないものね。


「レイリス、お前と言うやつは…」


 お父様までビービーと泣きだしたのだ。本当に情けないわね。


「お父様、汚らしい涙と鼻水を拭いて下さい。とにかく私は、自分のやりたいようにやりますから。それではごきげんよう」


「待て、レイリス。話はまだ…」


 後ろでお父様が騒いでいたが、正直知った事ではない。


 部屋に戻ると、動きやすい格好に着替え、ベッドに横になる。


 そして今日の事を思いだした。


 レアのやつ、いつからあんなに力が強くなったのかしら?あんなにひ弱だったのに。それにいつも私の後ろを付いて歩いていたのに。


 体だって私より小さなかったのに、いつの間にか一回り大きくなっていて。


 何よりも、どんなに抵抗しても、びくとも動かなかった。今まで誰にも負けたことがなかった私が、あのレアに負けるだなんて!


「悔しいわ!!!」


 思い出しただけでも腹が立つ。こうなったら、今から稽古開始だわ。あんな男、簡単にねじ伏せてやるのだから!


「お嬢様、どこに向かわれるのですか?それに急に叫んだりして。もしかして、他国に逃げようとお考えなのですか?その様な事はいけません」


「誰が逃げるですって?私は今日、今までに感じた事のないほどの屈辱を受けたのよ。このまま逃げる訳がないでしょう。あの男、一体どんな訓練をうけたのかしら?私がレアになんて負ける訳にはいかないのよ。マリアン、今すぐ伯爵家中の護衛を集めてちょうだい」


「お嬢様、一体何をおっしゃっているのですか?」


「いいから早く集めて。彼らを相手に訓練を行うから!」


「訓練ですか?ですが護衛をいくら集めても、お嬢様に勝てる相手はおりません。お嬢様は、怪物級にお強いですので…」


 怪物級とは失礼な。でも、そんな私の動きを、レアは封印したのよ。それがどうしても納得いかない。


「いいから集めて。今すぐよ」


 その後伯爵家中の護衛が集められたのだが、相変わらずどいつもこいつも弱すぎて相手にならなかった。


「お嬢様…どうかこれくらいでお許しを…」


 ぐったりとする護衛たち、本当に情けない。そもそも、私はとても強いのだ。きっと今日は、たまたまレアを振りほどけなかっただけ。そうよ、明日はレアをコテンパンにしてやるのだから。

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