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あたしの姫さまは実は男の子だ。

 あたしの姫さまは実は男の子だ。




 お母様から、


「今日からお前が姫さまにお仕えしなさい」


 そう言われてやってきたお屋敷は、すごく大きくて。


 お母様と一緒に過ごせるのは嬉しかったけど、なんだか怖いな、そんな感情が先に立っていた。


 同じ藤原性とは言えお父様は従五位下権の少納言。


 お母様は長年おとどさまの東の方にお仕えして、姫の乳母子も勤めていた関係で彼女の遊び相手として白羽の矢が立ったのがあたしだった、と、言うことだった。



 あたしは十で姫さまはまだ七つ。


 彼女を初めて見たとき、その可憐で神秘的ともいえる美しさに、あたしは一目惚れして。


 ああ。この子はあたしが守るんだ。


 そう心に決めた。



 そんな彼女が実は男の子だと知ったのは、お仕えして半年くらい過ぎたある日、だった。


 夜中に熱を出しぐっしょりと汗で濡れた姫さまをみかね、着物を脱がし身体を拭いてあげようとお声をかけた。


「姫さま、お着物着替えましょうね。もう汗でぐっしょり。このままではお身体に差し支えますわ」


 そう、少し起こして着替えさせようとしたその時だった。


「ダメ、少納言、だめ……。わたし自分で脱ぐから……」


 熱で浮かされながらもあたしに脱がされるのを拒む姫。


 でも。


 少し起き上がり襦袢を脱ごうとした所で力尽きた姫さまは、そのままぐったりと倒れ。


 うちぎもはだけた状態で動けなくなった姫さまをほかっておけず、絹の手拭いを片手に彼女を抱き上げたあたしは、ゆっくりと濡れた襦袢を脱がしてゆき……。


 そして。


 まだ八つになったばかりの彼女の秘密を知ってしまった。見てしまったのだった。




 肋骨が浮くくらいの病弱なその身体。胸の膨らみもまだなのはこれだけ痩せているせいだろうと気にもしなかった。

 だけれどその下まで見てしまったあとで。




 丁寧に身体を拭いてまっさらの襦袢を着せ、うちぎを着せる。

 上からふすまを掛け暖かくして。


 かわいい寝息をたてるその額を軽く撫でると

 う、うん……。

 と、吐息が漏れる。


 熱も少しおさまったみたいだ。


 ああ。あたしの姫さま。


 大好きですよ。

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