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思い続けて幾星霜

「恋歌!!そこまで!下手に殺してしまったら必要なことも聞き出せない!」

結局、ハルカワは頭に銃を突きつけられた状態で空間断層を解除させられると、レッカによってかつてのように手錠をかけられる。

「殺さないのか?」

「言っただろ、あんたには聞きたいことがたくさんある。それに俺はあんたの処刑は任務外だ。それに葵の希望もあるし、殺すつもりならいつでも殺せる。」

「任務ね、未だにそんなことを言っているのか」

「この環境と人間関係が思い出させるんだろ、」

レッカはハルカワの向かいに座り疑問をぶつける。

みんなをどうした?あの後何があった?何が目的だ?

だがハルカワはまともに答える気などない、イラつくレッカは続けて命令する。

船を止めろ、ロックを解除しろ、だが、それもけんもほろろ、銃を突きつけようが暴力に晒されようが全く動じない。

「君は昔は冷静だったが、今の君はなんだ感情むき出しで、この劣悪な環境で変質したか」

「貴様、」

「まぁ、まぁ、ハルカワさんもそう意固地にならずに、レッカさんはまだしも後ろの二人は気が短いですし、レッカさんの脅威になるとわかれば本当に殺されてしまいますよ。レッカさんもそうカッカせずに、私に任せてください。双葉さんも銃を下ろしてください。」

「だが、」

「手に手錠をかけられて体を椅子に拘束された状態で何ができますか、皆さんにはお願いしたいことがあります。さっきそこのコンピューターで調べたんですけど、

既にこの星を破壊するためのプログラムが設定されていました。」

「な、お前!あれにアクセスできたのか!どうやって」

「触ってたらなんとなく、意外に分かるものですよ。昔発掘した遺跡でもっとすごいものも見たことがあります。基本がなんとなくわかっていればあとはそれを作った人の人となりを理解できれば、まぁあとは感覚で、」

「破壊するプログラム?」

「破壊が目的ではないので正確ではありませんね、エタニティドライブ6基を暴走させ、互いに干渉による測定不可能な超エネルギーを生じさせ、それを利用して時空間歪曲を行う。その反動でこの星は愚か、この銀河系ごとを吹き飛ばしかねない。」

「銀河ごと、本気だったのか」

「ハルカワさんの理屈は見させていただきましたがあくまで机上の空論。それでさえ成功確率は極めて低い、そんなことが実験もなしに可能だって本気で思っていますか?

結論から言いましょう不可能です。過去に戻るなんてことは、そんなわかりきったことを成功させようって言うんです。それは神様に頼りたくなりますよね。

そこまでして戻りたいですか?いや戻したいですかサクヤさんを元いた世界に」

「お前には関係ない!!」

「レッカさん、ハルカワさんは最初から自分が助かる気なんてないんです。私が思うに彼がしたいのはただの罪滅ぼし、自分の生み出した結果を全部なかったことにする。そして自分の命もそこで終わらせ責任を果たした気になる。そしてその罪滅ぼしの象徴が、過去に戻り世界をあるべき姿に戻すことではなく、一人の女性を元の世界に戻すこと。

そんなに大切な人なんですかサクヤさんって、」

「なんのことだ、そんな女は関係ない!」

「今までだってこの世界を壊すことはできた、終わらせることはできた、でもそうはしなかった。否、できなかったのは、次元歪曲の理屈を自分の中で確立できていなかったから」

「それよりどうしたそこまで分かっているなら、止めないといけないじゃないのか?残り時間はないぞ!生き残りたいんだろ!お前らは!」

ハルカワは人が変わったように人格を荒らげる。

「えぇですけど、多分私にはどうやっても時間までには止められません。だからこうして解除してもらえるようにお願いをしようとしているんです。」

「おい!サクヤは生きているんだな!どこにいる!答えろ!!」

レッカはハルカワの襟を掴み今まで以上に激情に駆られた脅しをかける。

「嫌だね、死んでも言うか」

幼稚な返事に、レッカはハルカワを椅子ごと投げ飛ばす

「レッカさん!落着いて次に手を出したら私協力しませんよ。サクヤさんはこの上です。

でも、今はそれよりもシステムを止めることが重要です。そうじゃないですか?」

「それは、」

「少年、行ってこい。」

唐突に双葉が口を開く。

「でも、」

「こっちの方は私たちに任せろ、メガネちゃん、そいつの説得は任せる。私は恋歌と一緒に動力炉を止める」

「止めるどうやって」

「忘れたかい。私は君からもらったこいつがあるんだぞ、この大きさでもさすがにエンジンでこいつを使えば止まるだろ。」

そう言って双葉はKB弾を取り出し、人差し指の上で器用にか回転させる。

「そんなことをすればこの船は墜落する。助からないぞ。」

「元々爆発すれば助からないだろ、それとも気が変わって止めてくれる気になったかい?」

「……」

「あくまでこれは最悪の場合だ。メガネちゃんが説得できればそれに越したことはない」

「だったら俺も!」

「まぁまぁ、ここはお姉さんにまかせなさい。あぁ、恋歌は敵が出てきた時の護衛プラス、もし道が塞がっていても超えられるだろ。」

「だからって、」

「君は君のなすべきことをするといい、私を信じろ、君の助けを待っている人がいる。」

レッカはそばにあった通信機を渡すと渋々二人を見送り、上階へ向かう。

レッカに向かってハルカワは叫び付けるが、レッカは止まることはなく、ハルカワの視界から消えていった。


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