上陸
「この大きさ。流石に少しビビるね。さ、それじゃ!一気に行くよ!」
双葉は葵の用意したブースターにスイッチを入れ一気に加速する。
本来の仕様の対空防御に入れば時間をかけるほど不利と睨んでの急加速、
だが、その範囲に入っても、攻撃がない、レッカは寸前のところでその理由を理解し、操縦桿を奪い急旋回をし、距離をとる。機内はむちゃくちゃ、危うく墜落の危機だ。
「どうしたんだ少年!」
「空間がゆがんでいる!あの歪み方、おそらく空間断層を作っている!あの規模でそれをやるか!理論上不可能とされるとだぞ。天才、いや化物が、」
「空間断層?」
「ラグナロクの周りの空間を違う空間の壁を作っています。あの歪み内と外で隔絶された空間。このまま近づけば間違いなく消し飛びます!」
「どうすればいい!」
双葉は操縦桿を取り戻すと飛行機の態勢を整える。
「空間断層を通過することは不可能です。もし可能性があるとすればそれこそラグナロクの主砲クラスの破壊力が必要です。」
「つまりは打つ手なしと。それほどのものなんですか?」
「わずか数ミリの幅で、どんな防御フィールド装甲よりも強固なものとなる。でも、空間断層は通常あの規模で展開はできません、それ以前に常時展開なんてそんな真似馬鹿げている。少し様子を見てもいいが、」
不可能だと思われていた大規模展開を可能にしているのだ。エタニティドライブを大量に積んでいる。持続性もおそらくはるかに向上しているだろう。そうなると打つ手がない。
「なぁ、あの歪みをなんとかすればいいんだよな。私ならなんとかなるかも知れないぞ、」
「なんとかってどうやって?」
恋歌は問題ないかのように軽く答える。
「あぁ、そうか、それで行こうか!」
それに答えるかのように双葉はラグナロクに向かって突っ込んでいく
「ちょ、ちょっと!!」
「まぁ、慌てるな。タイミングをしくじるなよ。」
「誰に言ってる。そっちこそ操縦をミスんなよ!」
「説明!なに!」
説明を求めるが答えるよりも先に眼前に空間断層が、レッカは思わず目をつぶる。
「あ!やばい!みんな掴まって!」
レッカはわけの訳のわからないまま衝撃に襲われる。
「ふう、なんとか到着、猿娘!君がいい加減だから、危うくぶつかるところだったぞ!」
「ふざけんな、そんな細かいところまで調整できるか、通れたんだんだから、いいだろ!」
「な、何が起こったんですが、ぱっと消えてばって」
ずっと見ていた葵にも何が起こったのか分からない
「私の天技は瞬間移動、歪みの箇所を飛び越えたんだよ。」
「天技は思い通りに使えないんじゃ?」
「私がコツを教えたんだよ、能力は違っていても使いこなすためのコツは共通さ。とは言え確実なのは進行方向に数十メートル飛ぶときだけ、でも失敗したけどな。」
「しょうがないだろ!一人で飛ぶ時とこれごとだと感覚が違うんだから、少し右にずれただけじゃねぇか」
「右だけじゃない距離も飛びすだ。おかげでこの私をもってしても、不時着がやっとだ。
「下手なだけだろ。」
二人はこの状況で喧嘩を始めそうになる。
「はい、そこまでホント二人のおかげで助かったけど、できればやる前に教えて、ちょっとびびったでしょ。」
「ちょっとじゃないですよね。めっちゃビビってましたよね。」
葵は二人に告げ口をする。
「さ、それじゃ行きましょう。多分もう気づかれているはずですし、」
双葉は飛行機を降りると後部の格納部分からバイクを出す。
「風が吹いていない、」
「空間断層のせいだよ。内側は完全に別世界だと思ってもいい。このままであれば宇宙に出ても甲板で当たり前のように呼吸ができる。!!」
レッカは視線を上空に向ける、早速の反応だ。
「それじゃ、予定通りに、道は頭に?」
上空からはフレームが見える、それはかつて一緒に戦った戦友だ。
レッカはリミットを限界を超えて解除し、彼らに備える。
「それじゃ、先に行ってここは俺に任せて」
「ほらメガネちゃんのって!」
「私も一緒に、」
「いいからここは任せて、恋歌は二人を守って」
「少年、性格が変わってないな」
「もう、大分慣れてきましたから、大丈夫、自分で制御できていますから。とにかく中に、フレームが通れないところまで、それまでは俺がこいつらの相手をします。セキュリティは教えた通りですが、改修されている可能性も高い。十分に気をつけて。」
レッカはバイク行った事を確認すると、追撃を行うとするフレームを一撃で破壊する。
「本当にイカれた力だ。」
レッカは破壊したフレームから身の丈の数倍はあるブレードを奪うと続けて別のフレームを切り裂き、勢いそのままにブレードを投擲、壁にフレームを貼り付けにする。
そして3人の入った入口に陣取り、残るフレームを迎え撃つ。この位置であればみんなを守りやすいことと、なにより自らの母船を破壊しかねないこの位置では光学兵器を使用されにくい。とは言え、いくらなんでも相手が悪すぎる。
「残り、13機。この間のと合わせてほとんど全部か、これはさすがに骨が折れるね。」




