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遺跡

翌朝、4人は無理やり双葉のバイクにのり、葵の案内で砂漠を西方に移動していた。

彼女の案内で、訪れたのは元軍事基地だろうか、頑丈な建物の廃墟が広がっている。

「すごいね、これは、なかなかどうして。」

「街の近くで最大の遺跡です。見ての通り壊れていて使えるものはずっと昔に全部持ち出されています。」

バイクを降り、葵についていくが確かに、いろいろな場所が近年に破壊された跡がある

「でも、どうしても、誰も開けることができなかった場所があるんです。それがここ、ここは生きている遺跡です。それを今殺します。」

葵の案内でたどり着いた場所は電気が通っているのか、薄暗い中でき気が点滅を続けセキュリティが起動している。

「なるほど、KB弾でシステムを殺すと、考えたな」

「はい、双葉さんから話を聞いてそれならって、もちろん、理想はちゃんと開けることです。おそらくそれを使えばここのシステムを殺してしまいますので、使い物にならなくなるんですよね。」

「あぁ、KB弾対策がされていれば開けることもできないが、通用するなら、そういうことになる。コンピューター類は全て死ぬ、記録も全部消え、使うことはできなくなる。」

「それは後世に残すべき財産を奪い、私としても本意ではありませんが、本当に世界が終わるかも知れないなら、仕方ありません。」

「なるほど、わかった。最後の一つ、効果を限定して、開けられなかったじゃ、最悪だからな、全力で行くか。」

レッカは最後のKB弾を出力全開で爆発させる。

物をなぎ倒しながら虹の光とともにウイルスが拡散し、セキュリティのランプが消えた。

レッカたちはなんとか扉をこじ開け、中に入る。中はシステムが死んで暗く、視界が悪い。葵は自前の発明の強力なランプを取り出しあたりを照らし出す。

「やっぱりここは軍事基地、でも、システムを殺して正解だったみたいですね。まともにハッキングで開ければ、ここのシステムに蜂の巣にされてましたよ。」

壁にはセンサー天井には侵入者対策のレーザー兵器の格納箇所がある。

システムは死んでいるはずとは言え、もしかしたら内部にさらに独立したシステムが存在し、そこまでウイルスが聞いていない可能性があるとレッカを先頭に慎重に進んでいく。

「ここまでです。これ以上はダメです。」

レッカは何もない通路の前で足を止め、皆を静止する。

「?何もないように見えるが?」

「ここから先は一切の損傷が見られませんし、材質も違う。見た限り、ここは俺が生きた時代よりも後の時代です。それに遮蔽物がないにも関わらず、向こう側のシステムは生きている。ここから先は双葉さんじゃありませんが僕の勘が行くなといっています。」

白で統一された通路の先にゆっくりと光が点滅している。この先に行けば、ほぼ間違いなく使える機器はあるだろうだが、あまりに未知数。

とは言え、ここまでの道中、確かにシステムは生きていたが、使えそうなものはそれほど多くはない。大抵のものが、コンピュータ制御の機器で扉は締められていたが、劣化が見られ、エンジンのような精密機械でサビや破損は致命的だ。

「あった!ありましたよ!」

捜索をしていた葵が歓喜の叫び声をあげる。そこにあったのは小型のジェットエンジン、だが、それは旧式の液体燃料で動くものだ。ここの液体燃料は既に変質してしまっている。

「ダメだよ、これは、残念だけど使えない。せめて電力式かエレメント式なら、」

その時だ、ジェットエンジンは動き出し、雄叫びをあげる

「なんだ使えるじゃないか、いい音だ。しかも図体の割に省エネだ。どうだ少年、大渓谷で私を置いてこなくてよかっただろ?」

双葉は天技を使いエンジンに命を吹き込む。

「この子なら大丈夫ですよ。早速持ち帰りましょう!」

「どれくらいで?」

「徹夜でやれば3日、いやテストと、最終調整を含めて5日ですか。」

ということは都を出て21日。帰りを考えるとまっすぐ帰れてギリギリだ。

だが、今はそれにかけるしかない。

「お願いできるか?」

「任せてください!私も直接ラグナロクを見たいですし。」

レッカはリミットを解除し、エンジンを持ち上げバイクに積み込む。

「手伝えることがあったら言ってくれ、これでもメンテナンスの経験はある。」

研究所に戻ってくると、生き生きと設計図を引き直し、エンジンを見て頬をすりつけて悦に浸る葵に手持ち無沙汰なレッカが話しかける。

「結構です。邪魔しないでください。」

せっかくの楽しみを渡してなるものか、葵はバッサリ切り捨てレッカは少し傷つく。

「邪魔するつもりは、」

「いいですか、これは私の芸術品です。私を信用してください。レッカさんはお二人といちゃついててください。」

「いちゃつくって、」

「昨日、恋歌さん楽しみにしてましたよ。明日街に行くんだって。ラグナロクに乗り込めば、場合によっては死ぬかも知れないんでしょ。二人だってそれくらいわかっていますよ。

あなたのことを信じて、ここまで一緒についてきたんです。それくらいしてあげてもいいんじゃないですか。ちなみにオススメは、西公園の明太チーズ揚げたこ焼きです」

「君は?」

「私はこれが好きなんです。レッカさんひとつ言っておきますけど、誰も彼もが自分のことを好きになると思ったら大間違いですよ。」

「俺は別にそういうつもりは、」

「だからこそ、自分に好意を寄せてくれている人にくらい優しくしてあげてください。

月子さんの命を助けたい。サクヤさんの安否も気になる。でもだからって道具みたいに蔑ろにされてはお二人が可哀想です。」

別にそんなつもりはないが、確かにここまでずっと余裕はなかったと思う。

あぁ、そうか今思い出してみれば、何度も自分を気を使って笑わせてくれようとしていた。

あぁ、本当にそうだ、俺は自分のことだけ、

「そうだな。そうしようか、それじゃ、よろしくお願いするよ。」

「はい、任されました。」

「君は優しいね。葵ちゃんありがとう。」

レッカは気持ちを切り替え、明るくらしくないノリでリビングで待機する二人に話しかける。そのあまりのギャップに二人は引いていたが、遊びに行こう、その言葉に二人は今までで一番の笑顔を見せてくれた。


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