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14日目 ストーカーを気遣う心など持たぬ。


  現在の所持品

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨6枚 銅貨2枚

 水の入った水筒 1つ

 癒しの神の杖 1本


 早速、北京ダックもどきを作ろう!普通に焼いてもいいけど、せっかくだし覚えてる限り本場風にやろうかな。


 不要な部分を取り除いて、水で洗うとストローを差し込み空気を入れる。


 「いや、あの・・・エヴァ?黙々とやってるけど、もっとキャーとかワーとか言いながらやっていいんだよ?」

 「手は血まみれでも服についてないのが凄いな・・・。」


 エプロンなんて持ってないし、服は汚したら大変だからね。そりゃあ気を付けながらやるよ。


 「実物を見せるだけ見せたら、ある程度は僕がやろうと思ってたんだが・・・。いらないようだね。」

 「邪魔すると悪いし、行こうか・・・。」


 そう言って、勇者君と一緒にどこかに行ってしまった。まぁ、いいけどね。


 さて、次は吊るして熱湯をかけて乾かすんだけど・・・。これを吊り下げる場所なんてないよねぇ。


 「ただいまです!」


 諦めて普通に切っちゃおうかと思ったけど、いいタイミングでシーラが帰ってきた。釈放されたの?


 「最初から捕まってないですよ!?」

 「まぁお話だけでしたね。って今のエヴァさんの方がよっぽど捕まりそうですよ・・・。」


 私の見た目は良いよ。ちょっとシーラ。これ浮かせて。


 「こうですか?」


 そうそうそのまま外に行こうか。


 「分かりました!!」

 「庭までなら大丈夫ですけど・・・。一応血を流してからにしてくださいよ。」


 はーい。



―――――――――――――――――――――――


 庭でクルクル回っているところに、お湯をかける。あとは乾かすだけ。


 「シーラが温風出せますよ!」


 ドライヤーみたいなこと?そんな乾かし方していいのかなぁ・・・。まぁダメだったとしても、食べれなくはならないでしょ、やっていいよ。


 「任せてください!」


 全方向から、温風が吹き荒れる。これならすぐに乾きそうだね、乾いたら教えて?


 「今までになく、エーヴァちゃんが頼ってくれてます!頑張りますよぉ!!」


 お昼ご飯に卵かけごはんを食べていると、シーラが呼びに来た。大体20分くらいかな?


 「はぁ、はぁ。どうですか、エーヴァちゃん。」


 うん、良い感じ。だいぶ時間も短縮できたし、魔法って便利だね。


 「息上がってますけど、大丈夫ですか?浮遊って高等魔術ですし、浮かせてるだけでも大変ですよね?」

 「エーヴァちゃんのためだと思ったら、なんとかなりました!」

 「気合ですか・・・。」


 水あめに少し味付けした物を塗る。よしシーラ、乾かして。


 「え、またですか?」

 「いや、あの、エヴァさん?」


 うん。


 「ま、任せてください!!」

 「大丈夫なんですか!?」

 

 20分後、サリーさんが私のことを呼びに来た。


 「エヴァさん!シーラさんの最後の言葉、聞いてあげてください!」

 「エ・・・エーヴァちゃん・・・。でき・・・ました・・・・・よ。」


 倒れているシーラを横目に、乾き具合の確認をする。うん、艶が出てきていい感じだ。出来上がりに満足すると、さっき塗ったものと同じものをもう一回塗る。


 シーラ、乾かして。


 「いや、あのエーヴァちゃん。もうシーラには魔力が・・・。」


 ・・・可愛いポーズをしてみる。

 シーラは魔力が無いなんて言わないよね?


 「・・・も、もちろんです。なんとか乾かしきるまでの魔力をひねり出して見せます・・・。」

 「いや、無理ですって!!もう残ってないですよね!?」

 「愛の力でなんとかなる気がします。」

 「私は愛にも限界があると思います!」


 あ、乾いたら焼いてもらいたいんだけど。


 「う、うおおおおお!」


 突如、シーラの体が光を放ち始める。


 「エーヴァちゃんの言うことは絶対です!!」

 「す、すごい・・・。まさかこんなことで覚醒を・・・。シーラさんのエヴァさんを思う気持ちに不可能はないんですね!これだけの思いがあれば、きっとエヴァさんもシーラさんのことを」


 光ってないでいいから、早く乾かしてくれないかなぁ。


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