13日目 唐揚げパーティ。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨21枚 銅貨19枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
デスなんちゃらのお肉は、食べても三日後に死ぬ呪いがかかるだけだったので、皆でいただくことにした。
「君たちはよく、食べたら呪われるようなもの食べる気になるね・・・。」
「私はもう、食べた後だったなのでやけくそですよ。味は結構いいですし。」
後で解呪したら普通のお肉と変わらないよ?
「僕は呪いにかかることもないしなぁ。」
「ユンユンも食べたらどうですか?美味しいですよ?」
「いや、僕はいいよ・・・。エヴァ、葉っぱだけ分けてくれる?」
もちろんいいよ。キャベツとレタスと白菜を全部小さ目にカットしてあげる。お待たせいたしました、葉っぱ三種の盛り合わせ食べ比べセットでございます。
「呪いなんて、エーヴァちゃんにかかればちょちょいのチョイなんですから、気にせず食べたらいいのに。」
「一応解呪って上級の奇跡なんですけど・・・。魔力が足りなくて消せないとか無いですよね?いや、まぁ朝無茶苦茶やってるの見たので、大丈夫だとは思いますけど、治ってなくてお亡くなりは嫌ですよ?」
なるほど、シーラにだけ治すふりして治さなければ、ストーカーに怯える夜を過ごさなくて済むわけか。名案かもしれない。
「エーヴァちゃん!?」
そういえば、呪いの有無が分かるうさ耳つけてるのもシーラだから、シーラに呪いが残ってても誰も気づかないわけだ。こんなに条件がそろうとは、これはもう神からの思し召しかな。おぉ、我らが信仰したまえし癒しの神よ・・・。
「ちゃんと治してくださいよ!?お願いですからね!?」
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食事も終わり、解呪もかけ終え、シーラがうさ耳をつけてくれる人を探して、夜の街に繰り出した頃。
「さて、良い時間だし僕はもう行くよ。今日は本当に楽しかった、サリーさん、これからもよろしくね。」
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします。」
別れの挨拶をして勇者君が旅立っていった。いや、良い時間なら寝なよ。なに当たり前のように、家から立ち去って行ってるの?そういえば、晩御飯食べたらすぐ出かけちゃうし、戻ってる気配ないんだけど・・・。ちゃんと寝てるのかな?まぁいろいろ規格外だし、勇者君が「僕は寝なくて良い体なんだ!」って言ったら信じるけどね。
「勇者君もいなくなったし、女子会でも始めちゃう?パジャマパーティの方が近いかな?」
ユンって雌なの?いや、どうでもいいけど。
「それは楽しそうですけど。良い時間ですし、私はもう帰りますね。」
「サリーはどこに住んでるの?」
「宿暮らしですよ?場所は日によって変わりますね。」
「そっか。この家、部屋めちゃくちゃ余ってるし、もうここに住んじゃえばいいんじゃない?」
「えぇ!?うーん、まぁ私は宿代が浮いて助かりますけど・・・。」
そう言ってサリーさんは私の方を見た。
「良いですか?」
いや、勇者君に聞いて?
「サリー。ちょっとこっち来て。」
そう言って一人と一羽の会議が部屋の隅で行われる。ああいうのを見ると、私の悪口でも言ってるんじゃないかなぁ・・・。といつも思ってたけど、今回はそんな気にはならないね。何でだろう?
「決まりました。勇者君はエヴァさんがいいなら良いって言ってくれました。」
そうなの?じゃあ良いよ。オッケーサインを出す。
「ありがとうございます!ユンさんも、ありがとうございます。」
「いいよ、こんな時間に女の子一人で返すわけには行かないからね。」
やけにイケメンな理由だった。女子会提案したウサギの癖に。
「後パジャマパーティがやりたい。すごくやりたい。」
やけに自分勝手な理由だった。一糸まとわぬウサギの癖に。
その後、なぜかノリノリのユンとサリーさんの二人と、私の部屋でパジャマパーティが開かれた。そして、明日私のパジャマを買いに行くことになった。うぬぅ、ウサギが無効票なら同点だったのに・・・。
地味だけど結構良い生地なんだよ?このパジャマ。