14日目 人食い花研究会。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨21枚 銅貨19枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
今日の朝ごはんは、白菜を醤油ベースで煮たものと白飯だ。サリーさんが食べると、もうご飯もなくなっちゃうかな。
「おはようございます、エヴァさん。早いですね。」
サリーさんが食堂に顔を出した。お辞儀だけ返して、ご飯をよそってあげる。
「あ、すみません、ありがとうございます。・・・ちなみにこのお野菜は、普通の白菜ですよね?」
昨日の唐揚げがトラウマになってるな・・・。いや、でも私の知ってる白菜とは違う形してるからなぁ。普通かどうか聞かれると微妙なところなんだけど・・・。
「いや、なんでそこで黙るんですか!?」
「エヴァが喋らないのはいつものことじゃない?」
朝一番に、ランニングしてくると言って出ていったユンも帰ってきた。ユンは生の方が嬉しいかな?
「あ、おはようございます、ユンさん。」
「おはよう。特殊な食材の調理はエヴァの趣味だけど、勇者君が取ってこない限りは普通の物しか出てこないと思っていいと思うよ。」
「エヴァさんが全力で首振ってますけど?」
なんで非食用食材の調理が私の趣味になってるの!?
「え?本当だ・・・。まさか、独自のツテでやばい物を入手したの・・・?そう言えば、人食い花に興味を示していたような・・・。」
「言われてみれば、人食い花の葉に似ている気も・・・。」
否定してるのは「普通の物」の部分じゃない!
「やぁ、おはよう皆!」
「おはようございます、勇者さん。」
「おはよう、勇者君。この葉っぱ、何か分かる?」
玄関から勇者君がやってきて、白菜の鑑定に入る。いや、白菜って分かってるんだけど・・・。
「うん、これは白菜だね。」
「でも、人食い花の葉にも見えませんか?」
何となくのイメージなんだけど、勇者君は白菜もレタスもキャベツも違いが判らなさそう。なんならほうれん草とチンゲン菜も一緒にしてそう。
「いや、確かに似ているが、人食い花の葉はもう少しとげとげしているだろう。」
おぉ、疑ってごめん。勇者君は良い目をお持ちだ。
「ここら辺の温暖な地域なら、確かにそうなんですが、もっと寒い地域の人食い花の葉はこのくらいなんです。」
・・・なんか有識者の議論みたいになってきた。白菜だって。
「なるほど、では香りを嗅いでみたら良い。人食い花はかなり独特の香りがするだろう。」
「たしかに、葉にも強い香りがあるはずですが、熱で匂いが消える実験結果が出ているので、煮ものでは香りは残っていないでしょう。」
だから白菜だって!
「そうか、ではお手上げだ。これは人食い花の葉なのかもしれない。」
「はい、その可能性は捨てきれません。」
「そもそもエヴァの否定から始まった疑惑なんだから、むしろその可能性の方が高いと見るべきだよ。」
・・・・・・誰か助けて。
私が遠い目をしながら、もう人食い花の葉ということにしようかと考えていたその時。
「エーヴァちゃんの助けを求める思考が受信されました!!」
シーラが外から飛び込んできた。思考が受信されたって・・・。
「ふむふむ、なるほどなるほど。エーヴァちゃんは「その野菜は間違いなく白菜だ」と考えてます!」
「じゃあなんでさっき否定したの?」
「「否定したのは特殊な食材の調理が趣味の部分」って考えてます。」
「「えっ?」」
ユンだけじゃなく、勇者君まで驚いていた。なんでそんなイメージ付いちゃったんだろう?
「あれ?前、知らない食材を、どう調理するのか考えるのが楽しみって言ってなかった?」
そんなこと言ったっけ?・・・あぁ、この世界の食材が知ってるものと若干違ったから、それで言った言葉だね。
「この世界の物なら、何でも珍しいそうです!」
「そっか・・・。勇者君に狩りに行ってもらってたのに、意味なかったね。」
「え!?死をもたらす者を討伐しに行ったのって、そのためなんですか?」
「あぁ、エヴァ君が喜んでくれると思ったのだが・・・。」
「死をもたらす者可哀そう!」
喜んで欲しくて送るプレゼントが、死神チックな死体ってどうなのよ・・・。まぁ希少価値は高いかもしれないけどね?
「だったら普通においしい食材が良いそうです!」
「そうか・・・。」
そもそもプレゼントがいらないんだけど・・・。




