ラッキースケベはいつ来るかわからない
「もう、信じられない!」
裸を見られたことが相当ショックだったらしく、バサラがいくら謝っても後ろを振り向いたまま、こちらの方へ向うとしない。
頬を膨らませてプンスカ起こる姿は子供にしか見えない。
かわいいな………と思っているとギロリと睨まれたので変な事を思うのはやめることにした。
しかし、この少女が昨日あんなに美しい舞を踊っていたとは思えない。
一見大人しそうな女の子かと思ったら、平気で石は投げつけるは術をかけてきたりと飛んだ暴走少女であった。
人は見かけによらないってこういう事を言うんだな。
「悪かったて……ほら、スープ作ったら食べるか?」
先ほど組んできた水とペニツルカンゴタケを刻んで作った簡単なスープだ。質素な味だが優しくて朝にはちょうどいい。
「そんなもの……」
グゥ〜。
いらないと言おうとしただろうが、リースの腹の虫は正直だった。
スープを適当な大きさの食器によそって彼女に渡す。
「ふん!」
勢いよく皿を受け取ると再び、後ろに振り返る。素直じゃないな。
「おいしい……」
リースが一口スープを飲むと意外にも美味しかったらしく、直ぐ飲み干しておかわりを求めてきた。
やっぱり子供だなと思いながらバサラはおかわりを注ぐと徐々にではあるがバサラの方向へと姿勢を変えてきた。
「ふぅ、ごちそうさま。」
結果、リースはすべてのスープを飲み干した。結構な量を作ったがまさか完食するとは……まぁ、その方が作りがいがあるからよしとするか。
ちなみ、スープがなくなるとリースはバサラの飲みかけスープを純粋な瞳でちょうだいと眺めてきた。
これには勝てず、しょうがなく残りのスープを上げてしまった。
「美味しかったか?」
「まぁまぁね。」
満足そうなリースはハッと我に帰り相変わらずの冷たい態度をとる。
「本当はベーコンと醤油があればもっとおいしいんだがな……」
「なにその醤油とベーコンって?」
バサラが言った言葉に興味津々に詰め寄るリース。
「え、知らないの?」
「うん?」
正直、驚いてしまった。まさか、醤油とベーコンという誰もが知っている調味料と食材を知らないの人がこのようにいるとは。
「じゃ、お前料理とかどうやって味付けしてんだ?」
いくら食材があってもそれを美味しく調理するためには調味料はなくてはならないものだ。
「私は料理なんかしないわ。」
当たり前の事を言うように言い切るリース。それではいままでどうやって生きてきたのだろうか。
「じゃー、お前どうやって生きてきたんだ?」
まさか、全部、生でとかワイルドな答えが返ってくるからと思ったら予想外の答えが返ってきた。
「あー、それならいつもシェリル様が届けてくれるわ。」
「シェリル様?」
「ええ、いつもこの時間になると来てくれるんだけど……あ、来たわ!」
リースが指差した方向を見ると、空に何か黒いものが飛んでおりそれがどんどん近づいてくる。
もしかしてあれは……
「リースよ、遅れてすまない。はて、なぜ人間がここにいる?」
それはまさに、伝説とされていた生物だった。