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予言者は二度死ぬ
今日はなぜだか眠くなかった。テレビをつけ、録画した番組をすべて見終わったころには、外は明るくなっていた。今日の天気は晴れ。時刻は午前六時二十五分。私は歩いて最寄り駅へ向かう。
ゆっくりと歩き、駅に到着したのは午前六時四十分だった。地震が起きた後だというのに既にサラリーマンは通勤している。きっと私の会社ももう既に再開しているだろう。しかし、出社する気にはなれない。
駅のベンチに座って何本もの電車を見送った。そして予言の時刻が近づく。
七時十二分。列車の到着を知らせるチャイムが鳴ると同時に私は立ち上がった。電車のライトが段々と近づいてくる。電車が私に向かってくる。私は線路に飛び込んだ。電車と衝突する。
午前七時十三分。これが、私の二度目の死の時刻である。




