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反転の錬金術師  作者: ルケア


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眼水晶のネックレス

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 あの後は、大量の魔物に襲われると言う事はなく。適度に襲われた程度である。奥地には向かわなかった。あれ以上の魔物の群れを、魅了状態で片付けるのは危険だと言う事で、まずは対策をしっかりと取ってからと言う事になった。でも、対策するにしても、エビルレディの眼球は必要。ある程度のリスクは取らないといけない。それを解ったうえで、宿泊してまで狩って来た。今回の遠征で、エビルレディの眼球は50程度集まった。失敗しても大丈夫なくらいの量は手に入れている。何しろ初めて作るものだからな。レシピはあるとしても、失敗する恐れがある。まあ、なんとなくで出来るものではあるんだけど。錬金術ってそういうものだ。魔力操作をしっかりと行って、ちゃんと思い通りに素材を動かすことが出来れば、なんとなくでも成功するんだよ。厳密に言えば、効果はしっかりと変わるんだけどな。無論、ちゃんとした方が、効果は良くなる。失敗しないだけで、低品質の物が出来上がるのだ。それでは駄目なので、何度か調整しながら、出来るだけ高品質のもので揃えたいものである。魅了にかかると、本気で面倒だからな。対策はしっかりと取っておかないと。


「で。作れたものがこれか……。目玉がもろだな。何とか加工をしたいな。流石にこれでは趣味が悪すぎる。魔石のような物に変換できると良いんだが……」


 目玉を吊るしたようなアクセサリーが出来上がった。これで品質は並みだとは思う。けど、こんなものを身に着けたくはない。もう少し宝石に近づける様に加工をしてしまわないといけないだろうな。眼球を加工して、水晶系の物質に変換できないだろうか。出来ない訳ではないとは思うんだよな。赤系統の色になる気がするが。赤と黒の水晶になるんじゃないかな。まあ、効果があるなら何でも良いや。見た目が変われば、普段使いしても問題ないはずだからな。……貴族にも必要か? 幻覚系の魅了を使って来るなんて、余程の事が起きたって事ではあるんだが。まあ、いいか。そんな事にはならないだろう。多分だけど。


 そんな訳で、作れたのが、眼水晶のネックレスだ。効果は幻覚系の魅了を無効化する。


 特効装備だな。値段は多分だけど、金貨10枚程度。魅了を全部無効化する訳でもないからな。あくまでも、幻覚系の魅了をだ。魅了全般を対策できるなら、もっと高値で取引できるんだろうけどな。魅了系の魔物って居ない訳ではない。多いのは土属性の魔物だな。そっちも幻覚系だから、それには効果があるんだけど、惚れ薬なんかの薬系の魅了には何の役にも立たない。惚れ薬もあるからな。特に娼館では使われる事が多いらしい。……使うのは貴族だけどな。大抵碌でもない使い方をするものだから。気にしても無駄だ。そういう貴族のやる事なんて、徹頭徹尾悪い事しかない。悪用する方法は幾らでもあるからな。


「それで、出来たのがこれだ」


「うげぇ。なんだこの気味が悪いのは。これを着けろってか? 冗談だろ?」


「冗談だ。普通に作ったらこうなるんだが、加工すればこうなる。これならまだマシだろう?」


「最初からそれを見せろよ……。これを今回連れて行った奴らに配れば良いんだな?」


「ああ、頼む。……失くさないでくれよ? 一応は高価なものなんだからな」


「解っている。そもそも首にかけておけば、落ちないよな?」


「落ちるような強度では作っていない。大暴れしても大丈夫なくらいに作ってある」


「それなら大丈夫だろう。……サンルーグも着けてるのな」


「まあな。幻覚系の魅了を無効化してくれるんだ。何があってもおかしくないからな。……ああ、娼館に行くなら取っておいた方がいいぞ。違法な娼館だと、幻覚系の魅了の効果があるお香を焚いていることがあるからな。それを着けていくと、悲惨な事になる」


「いや、行かねえよ!? そもそも獣人はそういう所で働かねえからな。そう言う事をするなら、自分で奴隷を買って、そう言う事をした方が早いだろ? そう言う事で安いんだから」


「獣人の女性はそういう店には居ないって事なんだな?」


「居ないな。それに、クレメンティア子爵家の兵士団が、裏の店とか、そういった違法店の摘発をしたからな。テッケルンでは、そういう店はねえよ。他の町はどうなのかは知らねえけどな」


「お? クレメンティア子爵家が動いたのか。……あまり綺麗にし過ぎると、もっと深い所に潜ることがあるから、注意はしないといけないぞ? 綺麗にすることは良い事だが、面倒な事になるんだったら、ある程度のお目こぼしはしておいた方が楽だ」


「その辺は心配するな。獣人は鼻が利く。闇に潜り込んだとて、見つかるのが落ちだ。そもそも裏社会に住んでいたのが獣人だぜ? 慣れてるっての」


「ああ、まあ、そうか。表立っては動けない事もあるだろうからな。ある程度裏の掌握はしているのか。道理で動きが早いはずだ」


「良い事ばかりでもねえって事なのよ。世知辛いがな」


 まあ、そう言う事もあるか。そもそも獣人のコミュニティーは、表立っては作れなかったと言う事なんだろう。というか、黙認状態で、放置されていたと見るべきか。詳しい事は解らないけどな。獣人も苦労をしているようだ。中々大変だとは思うが、クレメンティア子爵家には頑張って貰わないといけないからな。そろそろ王宮に行かないといけない頃だろうし。


「そろそろ王宮に呼ばれて行く頃だろうからな。上手く立ち回れるといいが」


「……そっち方面は疎いからな。とりあえず、付け焼刃でマナーなんかは学んだらしいぜ? ボロが出るだろうが、何処まで許されるのかだ。今回の事も成果に入れてくれれば良いんだがなあ」


「成果には入るだろう。今まで誰も行こうとはしなかったんだからな。良質な死属性の素材があることは解り切っているのに、誰も今まで行こうとしなかったんだ。それの足がかりを作ったというだけでも成果は成果だ。否定されるものでもないからな。後は、定期的に死属性の素材を入手できるように、ベルンケラーの近くに拠点を作ることが出来れば完璧だな。ある程度は頑丈な物を作らないといけないとは思うが、出来ないことはない。兵士団の駐屯が出来れば、冒険者も使いやすくなる。……まあ、人間の冒険者が使えるとは思えないが。サラマンドラを突破する事も無理じゃないか?」


「そこまでか? 他の所で実績のある奴らが集まってきているだろ? そんなに強い奴は見てないが、それでもサラマンドラくらいは何とかするんじゃないか? その為にここに集まっているんじゃないのか?」


「集まってきているが、出来るとは限らないからな。俺が見た感じでは、サラマンドラに勝てる可能性のあるパーティーは1つだけだった。それも、武器を揃えて、防具も揃えれば、という感じだな。準備の段階だ。まだまだサラマンドラを倒すまでにはいかないだろう。それに、倒してからが問題だ。死体を回収するにしても、マジックバッグが必要になってくる。サラマンドラを倒すのは良い。素材を持ち帰ってこないといけない訳だが、サラマンドラは、丸々持って帰ってきても、白金貨10枚程度だ。最低でも13体は持ってこないと、マジックバッグが買えない。素材を向こうで解体してくるなら話は変わるんだが、ある程度の知識が必要だからな。その為の知識を俺は肉屋に教えて、ものにさせるだけでも20体くらいサラマンドラを無駄にしたんだぞ? そんな事が出来ると思うか?」


「装備も整っていないのか? 他の所でサラマンドラを討伐していた奴らが集まってきている訳でもないのか……」


「他の所で倒せるなら、そっちでいいからな。そっちで倒せなかった奴らが、ここに移動してきているんだ。質としてはまずまずだが、それでもサラマンドラを倒せるだけの技量を持っている訳ではない。無理だとは言わないが、そもそも装備も何も無いんじゃあ絶対に無理だ。装備が整って、初めて可能性がある程度だな。期待する方がおかしいというものだろう」


 そもそも身体能力強化魔法を使えないことが大前提だからな。使えるのであれば、話は変わってくるんだろうけど、それなら別のところでサラマンドラを狩れているだろうからな。わざわざこっちに移ってくる意味がない。そう言う事も考えると、どうにもな。戦力ではあるんだろうし、採取もある程度は出来るんだろうが、サラマンドラを討伐するまでには至らないと。貴族家の依頼を受けて、前金で装備を整えようとしているんじゃないか? まあ、それ以前に、ここにはサラマンドラを討伐出来る冒険者が居るんだから、貴族家がそんな依頼を出す訳がないんだが。クレメンティア子爵家は獣人の貴族なんだ。依頼を出すにしても、獣人を指名するだろう。人間の冒険者の入る隙は無い。それでも、前の場所よりは稼げるだろうからな。サラマンドラが出てくる場所を考えれば、非常に楽な部類だから。普通は、森の中になんて出てこない。こういう場所は珍しいんだよ。普通はもっと道が悪い場所で出てくるはずの魔物だからな。


 運が良いのか悪いのか。ボッテンハイム子爵家であれば、必死になって冒険者をかき集めて討伐に向かったんだろうが、ボッテンハイム子爵家が気が付く前に、クレメンティア子爵家に落とされてしまったからな。まあ、そもそも、ちゃんと調査をしていれば、沼地の向こう側に、フェンリルが居ると言う事が知れ渡っていたとは思うんだが。沼地を攻略出来れば、フェンリルに挑戦する事は出来る。まあ、そっちに行くにしても、対策装備は必要になってくるが。しかも、狼系の魔物は群れを作るからな。サラマンドラは単体。フェンリルは複数体の可能性がある。群れを作らない個体も居るには居るが。それを狙うのも、そもそも沼地を越えないといけない訳で。


「強い冒険者が集まってきているのは本当だ。今までの冒険者よりも強い冒険者が集まってきている。だが、サラマンドラやフェンリルを狙えるのかと言われれば、微妙だな。そもそも装備を整えないといけない。どちらを倒すにしてもだな。その準備を怠れば、死ぬだけだ。それくらいの力量しか無い奴らばかりだ。今までの冒険者と比べれば、月と鼈だが、それでもまだまだ半人前だ」


「そうなのか。……まあ、俺たちも強い訳ではないからな。サンルーグがここに来なければ、俺たちは弱いままだった。そもそもこの村も残っていたのかどうか……。まあ、獣人にとっても過ごしにくい場所にはなっていただろうな」


「Aランク冒険者なのはそうだが、そこの中の序列が凄まじいからな。Bランク冒険者に毛が生えたような連中も居れば、下手すればSランク冒険者になるんじゃないかって奴らもいる。Aランク冒険者は、もう少し細分化するべきだな。Aランク冒険者までいくと、何処まででも強くなる。底辺と中間層の間も酷いことになっている。一部のトップ層はもっと酷い。俺の見立てでは、ここにいる獣人の冒険者は、Aランク冒険者の中でも中間層だろう。強い奴は、もっと理不尽に強いからな。上を見ればキリがない」


「それはそうだな。Aランク冒険者になってみて解ったことではあるけどな。……強い奴と弱い奴とでは、戦いにもならない。一瞬で終わるだろうな。それくらいには実力差がある。装備にしてもそうだが、それ以上に実力が違い過ぎる。だが、Aランク冒険者のトップ層ですら、Sランク冒険者には勝てないって言うんだから、おかしな話だ。何処まで強くなれるんだろうな」


「さあな。ユニークスキルに恵まれれば、一気にSランク冒険者になれる。鉄の装備でも、サラマンドラに勝てるんだろうな。そんな訳がないと思っても、実行してくるんだから意味が解らない。普通の人では無理だ。そこがSランク冒険者との差だ。それは埋めることが出来ない。天才と凡人よりも差が酷い。凡人でも、頑張ればサラマンドラくらいは倒せる。けど、鉄の装備で行えと言われれば無理なんだ。それが出来るのがSランク冒険者。はっきり言って次元が違う」


「Sランク冒険者ねえ。会ったことがないけどな。何処にいるのかも解らねえ。けど、何処かには居るんだろうな。そういう奴が、獣人からも出てくれれば良いんだが……」


「出てくるとは思うぞ。可能性の話だからな。ユニークスキルを持って生まれるのは誰だってそうだ。それが戦闘系に振り切れているのかどうかが問題なだけだからな。戦闘系に振り切れているのであれば、Sランク冒険者になれる。それは獣人も人間も、エルフも変わらない。誰にだって起こりうることなんだ。ただ、人間の数が多いから、人間である可能性が高いだけだ。人間の次に多い獣人にだって、可能性は十分にある。まあ、俺たちみたいに、戦闘系に振り切れていないユニークスキルでは無意味なんだけどな。それに、戦闘系のユニークスキルを貰ったとして、そいつに戦闘の意志があるかどうかが問題だ。才能はあるが、意志が無ければ戦わないからな。どんなに良いユニークスキルを貰ったとしても、使う意思が無ければ意味がない。俺のユニークスキルも同じだからな。使おうと思わなければ、無いのと一緒だ」


「それは全員そうだろ? 例えば、大工のユニークスキルを貰ったからって、大工にならなければ意味がないんだからな。……成れる環境作りからしてやらないといけないんだよな。まずは、獣人でも、ちゃんと働けるような町を作ってやらねえとな。未来の若人たちの為にもよ」


「それを言うのは年寄りだけだぞ。まだそんな歳でも無いだろう? 冒険者として活躍できる年齢じゃないか。それに、そろそろ嫁を貰ったらどうなんだ? テッケルンに住めばいいだろうに」


「あー。まあ、気になってる奴は居るんだがよ。中々声を掛けづらいんだよなあ。力もある程度は手に入れた。金も十分だと言えるくらいには稼いでいる。けどなあ。それでも何というかなんだよ。踏ん切りが付かねえって奴なのか? こう、な?」


「……そこは話をした方が良いだろう。向こうも待っているんじゃないのか? 大抵の話だが、男がそうやって迷っているのは、女にとっては簡単に見抜けるらしい。だから悩むだけ無駄だ。相手の方に気が無ければ、そもそもそういう機会を作らない。作れていると言う事は、向こうも多少は気になっていると言う事だ。そういう所は勝負しても良い所だとは思うぞ。恐らくだが、向こうは待っている状態だ。何時になったら言ってくるんだって思われていると思うぞ。気が無ければ、そもそもそういう対応を取るだろうからな」


「……ほんとか? じゃあ、次に町に行ったときにでも、声をかけてみるか」


「そうしておけ。じゃないと、他に先を越されるぞ? 同レベルの獣人は増えてきているんだからな。今回でも解っただろうが、最低でも30人はライバルが居るんだからな」


「そうだな。……よし。声をかけてみるか」


 向こうは待っている状態だとは思うけどな。こういう悩みを持っているって事は、向こうは気が付いているはずだ。女性はそういうのには聡いからな。気があるなら待ってくれているはずだ。……気が無ければ、そのまま何もないんだろうが。まあ、上手くいくことを願っているさ。そもそも選べるだけ恵まれているんだから。

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