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反転の錬金術師  作者: ルケア


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幻覚系の魅了

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 デスラット、ボーンソルジャー、カースホーン。とりあえず、ここまでの敵なら問題ない。とにかく数が多いのが厄介だけど、強い魔物ではない。長年放置されてきただけあって、かなりの魔物が住み着いている。それを駆除して回るだけでも苦労しそうだ。


「こうも数が多いんじゃあ邪魔だな。かといって、調査隊を分けるのも怖え」


「だよなあ。何といっても数。少ない状態でそんな数と当たりたくはない」


「けどよ、野営もしないといけないんだ。固まって動く方が利があるだろ」


「それは解っているんだがな? こうも数が多いと、めいっちまう」


「何といっても食べられないのがな。死属性の素材としては優秀なのかもしれないが、どうにもな」


 気持ちは解らないでもない。食べられないのが一番堪える。死属性の領域の魔物は、基本的には食べられないからな。美味しくないんだ。毒は無いから、栄養にはなるとは思うぞ。舌が死ぬだけで。獣人にとっては、匂いも駄目かもしれないけど。焼いた肉は臭いんだよなあ。何というか、ゴムを溶かしているような匂いがするんだよ。食べ物がしていい匂いじゃないんだよな。


 とにかく、今日はここで1泊する。毒持ちの魔物がいないというのは良い事だ。毒持ちの魔物が一番厄介だからな。それが居ないだけでも助かる。……奥に入れば居るかもしれないが、少なくともここまででは出てこなかった。比較的弱い魔物ばかりだからな。まだ大丈夫だとは思う。まあ、まだ大丈夫ってだけで、結構危険な魔物も出てくるかもしれないけど。特に、死属性の魔物って、昼も夜も関係ないからな。その点が厄介なんだよ。非常に面倒なんだよな。出来れば、夜には襲われたくはない。ぐっすりと休ませて欲しい所である。


 で、色々と警戒をしていたんだが、大規模な襲撃は無く。襲われはしたが、起きている連中で対処が出来るくらいの事でしか無かったのは幸いだった。夜の魔物は怖いからな。いつもよりも暗く感じる場所での戦闘は、厳しいものがある。まあ、身体能力強化魔法で目を強化できていれば問題ないんだけどな。それでも、暗いというだけで、面倒なんだよ。


「……休んだ気がしねえ。ちゃんと眠れている筈なんだがな」


「おいおい、大丈夫なのか? その調子じゃあ最後まで持たねえぞ?」


「お前は元気そうだな。飯もあんまり美味しいとは感じねえ。疲れが残っているんだろうな」


「まあ、何とかなると思うしかねえか。やることは変わらねえんだからよ」


「まあなあ。変わらねえから問題ともいえるんだが」


「緊張感が持たねえ。昨日と同じって言う安心感が勝っちまう」


「死にたくなければ警戒しておけよ。何が起きるのか、解らねえんだからよ」


 緊張感が無くなるのは、ある意味仕方がないんだよな。野営を続けると、どうしても麻痺してくる。今日は大丈夫だった。明日も大丈夫だろう。そういう油断が一番怖い。何というか、場慣れしてくるのとは違うんだよな。緊張感が無くなっていくのは、余りよろしくないんだよ。大舞台に慣れるというのとは違うんだ。危機的状況にならないことに慣れてしまうと、大きな失敗を起こしやすい。出来れば、気を引き締めていきたい所ではあるな。


「全員、ここからはかなりの緊張感を持ってくれ。何が出てくるのか解らない。対処が遅れると不味いからな。気を引き締める様に」


「解ってるよ。解ってるけどだな。頭では理解しているんだが」


「だな。色々と麻痺してやがる。……特に鼻が利かねえ」


「なんか臭いんだよな。臭いのは解るんだが……」


「気持ちを切り替えろ。そろそろ戦闘が起きてもおかしくないんだぞ」


「とは言うがな……。こうも鼻が利かねえようじゃあ、緊張感が持たねえ」


「だよな……!? なんだ!? この匂いは!?」


「良い匂いだよなあ。なんの匂いだ?」


「目を覚ませ! 惑わされんな!」


「しまった!? 鼻をやられた!?」


「……エビルレディか。幻覚系の魅了だったか。魔法で対処する。少し痺れるが、我慢してくれよ!」


 囲まれている。緊張感が無くなったのはこいつらの仕業か。獣人の鼻に何かしらの作用があったのか、それともただの幻覚でそうなっているのかは解らない。が、敵の正体が解ったのであれば、こっちのものだ。全員に微弱な電流を流す。これで気付けにはなるだろう。


「いちち。なんだ!?」


「うごぁ!? 何が起きた!?」


「敵だって言ってるだろうが! 話を聞きやがれ!」


「臭!? なんだこの臭い!?」


「敵は何処だ!?」


「囲まれてる! それになんかもの凄く臭え!?」


 デスグールか。この臭いは厳しい。エルフの俺でも臭いからな。獣人たちはもっと臭いんだろうな。エビルレディの幻覚系魅了で、この臭いを隠していたのか。……順番はエビルレディからだな。基本的にはドライアドみたいなものだからな。木から生えているはず。


「とりあえず、デスグールの対処を! エビルレディは俺がやる!」


「解った! お前ら、目を覚ませ! おらぁ!」


「うごぁ!? っぃてえ! 敵か!?」


「敵だぞ! そりゃぁああ!」


 エビルレディは基本動けない。幻覚を見せて、魅了し、別の魔物に襲わせるタイプの魔物だ。獣人の鼻が利き過ぎるのが仇になった形だな。とにかく魅了で嵌めてくるのがこいつのやり方だ。とにかく討伐を急がないと。


 木の陰に隠れているエビルレディを始末していく。木と同化はするが、れっきとした魔物である。トレントと同じなのかというと、違う。単純に木に寄生しているだけの、動物系の魔物だ。姿は木にそっくりだけどな。……昨日の夜から嵌められていた可能性が高い。何事も無かったわけではなかったか。気が付くのが遅れた。


「ギィイイイイイイ!!」


「これで5体目! 向こうは!?」


「うぉおおおお!」


「臭え! 死ねやおらぁあ!」


「なんて魔物だって!?」


「デスグールだってよ! 首切りゃ死ぬ!」


「死ねやおらぁあ!」


「囲まれてんぞ! 何とかしろよ!」


「解ってるよ! まだ死にたくねえからな!」


「何とかなっているな。とにかく、エビルレディをサーチしないと。……後3体か」


 先にエビルレディを倒さないといけない。これ以上魅了にされると面倒だ。何とか皆戦えているが、幻覚に落ちたらどうなるのかが解らない。デスグールと味方を間違えるなんて事もあり得るからな。早々に討伐しないといけない。


「これで7体目!」


「お前ら無事か!?」


「当たり前だろうが! それよりも前に集中しろ!」


「こっちも来てるぞ!」


「臭え! とにかく臭え!」


「馬鹿野郎! こっちじゃねえ! 目を覚ませ!」


「うぼぁ!? 敵は何処だ!?」


「向こうだ! こっちは味方だ!」


 集団行動が仇になっている。混乱が酷い。まあ、エビルレディは最大で3人程度しか魅了状態に出来ないとは言われている。解除してやれば、何とかなるだろう。


「これで8体目! 魅了はこれで解けるだろ」


 ササッとデスグールも処理しないといけないよな。エビルレディは基本的には動けない。が、デスグールに寄生して、他の木に移ったりもするんだ。それを避けないといけない。魅了はもうされていないはず。とにかくデスグールを倒さないと。


「何体居るんだよ!? 数が多すぎるだろ!?」


「死にたくなければ戦え! 首切れば死ぬんだからよ!」


「1体1体は雑魚だ! 丁寧に倒せば問題ない!」


「文句をいう暇があるなら手を動かせ!」


「おい!? なんかくっ付いてんぞ!?」


「あれがエビルレディだ! 俺が処理する!」


「頼んだ! そりゃああ!」


 デスグールの数が多い。こんなに多くのデスグールに囲まれるまで気が付かなかったのが悪いんだが、何とかしないといけない。とりあえず、デスグールに寄生しているエビルレディを瞬殺する。これ以上魅了をばら撒かれたら面倒でしかない。他にエビルレディは居ないだろうな? とにかく治まるまでデスグールを処理し続けないといけない。


「生きてっか!?」


「生きてるよ! そっちはどうなんだよ!?」


「鼻が死んでる! 何も匂いを感じねえ!」


「はっはー! それは俺もだ!」


「うるせえ! 口よりも手を動かせ!」


「叫んでねえとやってられないんだよ!」


「気合を入れろ! 気合を! まだまだくんぞ!」


「!? 全員! 木の上にも気を付けろ!」


 次から次へと。カースドネイルだ。ラミア型の魔物だ。幸いにして、毒は無いが、爪が鋭い。上からの攻撃にも気を付けないといけなくなった。非常に面倒だ。


「へっ! 余裕!」


「じゃあ、突っ込んできてくれ!」


「無茶言うんじゃねえぞ!?」


「ほらほら、おかわりが来てるぞ!」


「何時まで続くんだよ!?」


「終わるまで続くんだよ!」


「ああ! こっちにエビルレディだ!」


「真っ先にぶっ殺せ!」


「上に注意しろって言っただろ!?」


「お前には言われてねえよ!?」


「喧嘩できるくらいには余裕じゃねえか!」


「余裕がねえから喧嘩してるんだよ!」


「こっちにも援軍をくれ! デスグールが面倒だ!」


「面倒程度は自分でどうにかしろ! こっちも回収で忙しいんだよ!」


「足元の死体は回収しろよ! 何のためのマジックバッグだ!」


「うるせえ! そんな余裕がねえんだよ! 連携しろ連携!」


 混沌としているが、まだまだ余裕はありそうだ。エビルレディ、デスグール、カースドネイル。完全に連携してきている。ここを切り抜けられれば、一気に状況は変わる。まずは生き残る事。俺は全体を監視しながら、エビルレディを絶対に殺していかないといけない。幻覚に好き勝手されると、非常に面倒だからな。それにしても、ここまでデスグールが居るとは。……囲まれるまで気が付かなかった俺の落ち度でもある。少しでも挽回しないと。


 因みに、デスグールは、死属性の魔石の他に、爛れた肉が素材になる。臭いんだが、錬金術で加工すると、良質な防腐剤になるんだよな。割と人気の防腐剤である。貴族の屋敷なんかには、これの防腐剤を、エルダートレントの木材に塗って、長持ちさせている。硬化剤よりも、防腐剤の方が有用性は高いからな。腐るとどうしても強度が持たないし。


 カースドネイルは、死属性の魔石と、爪と鱗が素材になる。これは汎用素材だな。特殊な錬金術に使えると言う事は聞いた事がない。ただ、アサシン系統の魔物なので、対処が面倒なんだよな。特にこういった森だとな。平原だとそこまで怖くは無いんだけど、森だと上からの攻撃もあるからな。対処が面倒だ。気が付いたから良かったものの、下手をしたら怪我人が出ていただろう。森では非常に面倒な魔物になる。


 そして、エビルレディ。こいつは死属性の魔石と、眼球、心臓が素材になる。こいつの眼球を使って、錬金術でアクセサリーを作ることが出来る。その効果は幻覚系の魅了の無効。エビルレディを対処したければ、エビルレディを倒さなければならない。どちらにしても居座るしかないんだよ。最低でも人数分のエビルレディの眼球を手に入れない事には、安心してこっちに来ることが出来ない。そして、クレメンティア子爵家の兵士団にも配らないといけないんだ。数は確保しないといけない。ただまあ、こういう罠に嵌まった状態でってなると、面倒しかない。非常に面倒である。故に直ぐにでも片付けたい。けど、終わらない。まだまだやってくる。何百年も放置していたからな。魔物は増える一方だったんだろう。縄張り争いをする系統の魔物なら良かったのかもしれないが、この3体は共存型の魔物だ。特にエビルレディはな。移動するにも、他の魔物を使わないといけない。共存型の魔物を放置しておくんじゃない。定期的に狩りに来いよとは思う。……まあ、ある程度の実力が必要だったのは認めるけどな。全部ボッテンハイム子爵家が悪い。良質な狩場を放置したつけと、冒険者の質を落としたつけを、何で俺たちが払わないといけないんだって話である。まあ、敵国のスパイに落ちたんだから、放置するのも当然といえば当然なんだけどな。


 2時間後、当たりには死体という死体が転がっている。音を聞きつけて、デスラット、ボーンソルジャー、カースホーンもやってきた。死体の回収が間に合っていなかった。まあ、でも、これだけ掃除をしたんだから、この近辺は、暫くは安全だろう。……まだエビルレディの眼球が足りないから、確保しないといけないんだけどな。今度はちゃんと索敵をする。エビルレディが居るって解ったのであれば、さっさと索敵をするに限る。索敵をすると、魔力を辿られて、襲われる可能性もあるんだけど、エビルレディは別だ。索敵をしてでも殺さないといけない。魅了されたら面倒だからな。ひたすらに殺し回らないといけない。……まあ、多少は魅了される冒険者が出るんだろうが、初期症状は軽い。じっくり時間をかけて幻覚に落とし、魅了させるタイプの魔物だからな。最大3人程度。それ以上は進化個体でもないと無理のはずだ。危険度は低いって事になっているんだけど、とんでもない。誰がそんな危険度を設定したんだよ。滅茶苦茶面倒な魔物じゃないか。


 とにかく、まずはこの辺一帯の掃除からだな。魔物は暫くは寄り付かないだろう。素材の回収もしながら、死体を回収していく。これだけ死属性の素材があれば、暫くは困ることは無いとは思うが、聖属性にして使う事を考えれば、無限にあっても良いんだよな。フルポーションでは、部位欠損までは治らない。けど、聖属性の素材を使った、フルポーション以上の効果を持つ、再生薬なら話は別だ。飲めば、頭と心臓が繋がっている限り、どんな状態でも再生するというとんでもない薬である。市場にはまず流れない。流れたとしても、白金貨2000枚からのスタートである。基本的にはオークションで流されることが多い。まあ、教会関係者の資金源になっていると聞いた事がある。まあ、それ相応に素材を使い込むわけなんだけど、作れる錬金術師が殆どいないというのが面倒だ。……因みに、師匠が一番気に入ったのが、この再生薬をお酒に反転させたものである。いいかね? これが飲みたいがために、俺をここに寄こしたんだ。再生薬は作れるようになっているからな。……師匠の欲のためにである。普通に使えば良いものを。まあ、間違いなく教会勢力から目をつけられるが。


 再生薬を作るには、大量の聖属性素材が必要だ。この程度の素材なら、20本も作れば無くなってしまう。お酒の瓶にして、1本分である。それで師匠が納得するはずもなく。高値で買わせるが、まずは色々と作りたい。折角の素材があるんだから、ある程度は作らないとな。まあ、魅了を無効にするアクセサリーが一番初めだけどな。それが無ければ、2回目に来た時に、また同じ目にあってしまう。それではいけないからな。魅了対策は必要だ。それをするためには、もう少しエビルレディを狩らないといけない。後はそれを探すための時間にしようかな。これ以上奥に行くのは危険だ。エビルレディの対策が出来てからじゃないと危険だ。ちゃんと対策をして、それからである。焦る必要は無いんだから。まあ、師匠のお酒は後回しで良い。とりあえずは、次の遠征の準備のために、何とかしてエビルレディの眼球を集めないといけないな。

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通常のお酒を反転させたら聖属性のポーションにならんかな 効果は低いだろうけど
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