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五十年前のJKに転生?しちゃった・・・  作者: 変形P
昭和四十一年度(高校一年生)
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十話 バレーボール!

中間試験の前に、体育の授業があった。


当然体操着に着替えるが、女子校なので着替えは教室で行う。


そして気になるのはバストのサイズである。


美知子や恵子がAカップなのは知っていたが、この時代、食べるもののせいなのか、Cカップ以上の巨乳の女子生徒はあまりいないようだった。


麗子と河野さんはBカップっぽいが、ほとんどの女子生徒は俺と同程度であった。


体操着のシャツを着てブラジャーを隠すと、次はブルマーをはく。


カボチャのように横に膨らんだ、いわゆるちょうちんブルマーだ。


ださい・・・。


ショートパンツ型だったら良かったのにと思ったが、誰も気にしていないようだった。


そして今日の体育は、バレーボールだった。


バレーボールは、二年前の東京オリンピックでの女子チームの優勝もあり、女子に人気のあるスポーツだ。


クラスに四十人いるから、五人ずつ八チームに分かれてプレーをする。体育館にコートが二面しかないので、残りのチームは見学と応援だ。


ちなみに六人制のバレーボールだが、人数の関係で五人チームになるという適当さだった。しかも、十五点の一セットで交替となる。


この時代のバレーボールは、サーブを打ったチームがラリーに勝つとポイントが入り、サーブを打たないチームが勝った場合はサーブ権が移るだけでポイントは入らないということだが、授業ではサーブ権に関係なく、打ち勝てば得点が入るルールだった。


「勝つわよ〜!」


河野さんが気合いを入れていた。


河野さんはバレーボール部員で、早くもレギュラー入りが決まっている。


河野さんだけでなく、バレーボール部員が入っているチームはずるいと思う。


俺のチームには部員はいない。・・・委員長と同じチームだったが、恵子も淑子も麗子も別のチームになった。


美知子の記憶を探るが、スポーツが得意だったという情報はなかった。ちなみに男だった俺も、似たようなものだ。


最初の試合は、河野さんのいるAチームとBチーム、恵子がいるCチームと淑子がいるDチームの対戦だった。


河野さんの活躍は言うまでもないだろう。チームメイトが出す雑なトスから、次々とスパイクを決めていく。


恵子は背が低いせいか、あまり活躍できてない。スパイクもブロックもまず無理だ。


一方の淑子は、サーブやスパイクをレシーブするのが得意だった。・・・それを得点に結びつけられないチームだったが。


結局、河野さんのいるAチームはBチームに十五対八で圧勝。恵子がいるCチームと淑子がいるDチームは、泥試合を展開し、何度めかのジュース(俺の時代ではデュースと呼んでいたが、みんなジュースと発音していた)の後、十八対二十でDチームが辛勝した。


次の試合は俺たちEチームと、麗子のいるFチームだ。もう一つのコートでは、GチームとHチームが対戦する。


麗子がサーブを打ち、委員長がレシーブした。委員長は運動神経が良さそうだ(ただし、メガネが衝撃でずれるととたんに戦闘力が低下する)。


委員長が受けた球を他のチームメイトが俺の方にトスを上げてきた。


え、俺?


あわててジャンプしたが、タイミングが合わず、手にちょんと当たっただけだった。しかしそれがフェイントとなり、相手のコートにすとんと落ちた。


「いいよー、美知子!」河野さんの声援がとぶ。


相手のコートを見ると、サーブを打った麗子が俺を見て小さく拍手していた。


いや、敵チームなんだけど。


委員長の活躍もあり、なんとか俺たちのチームは十五対十二でFチームに勝つことができた。


少しの休憩時間を経て、次は勝ったチームどうしの試合である。


くじ引きでAチーム対俺たちEチーム、Dチーム対Hチームとなった。


俺たちのチームは当然河野さんに蹂躙された。委員長が時々レシーブしていたが、それを行かせる攻撃力はなかった。


結局、十五対五のスコアで圧敗(圧敗って言葉はあるんだろうか?)。


もう一方のコートでは、Hチームが勝っていた。


次は決勝戦、ではなく、最初の試合で負けた四チームが試合を行った。


・・・そして体育の授業が終わり、俺たちは教室に戻ってセーラー服に着替えた。


「さすが、河野さん。圧倒的だったね」


「いや、それほどでも」


それほどだよ!っと心の中でツッコンでおく。


「美知子もフェイントが上手かったけど、何回も繰り返すから相手に覚えられていたね。強打も織り交ぜなきゃ」


『私はフェイントしかできないんです』とは言えず、俺は苦笑いした。


河野さんの話によると、六月に他校との練習試合があるそうで、出場する機会がもらえるかもと張り切っていた。


松葉女子高校の体育館で試合をするそうで、行けたら応援に行くよと言っておいた。


ちなみに美知子は帰宅部だ。松葉女子高校はそれほど部活が盛んではない。


恵子は「体育は苦手だ〜」とへこんでいた。


「でも、夏にプール授業があるらしいから、うれしいよね」


松葉女子高校には二十五メートルプールがあった。この時代の女子校じゃ、たいしたものである。


なんでも、市内のプールだと男の目線があるから、かなり昔に当時の校長ががんばってプールを作ったらしい。教師の鑑だ。


そう言えば教室にはクーラーなどない。いや、この時代、店舗でもクーラーがあるところは少ない。


うだる暑さの時期にプールに入れるのは確かにいいなと、俺も思った。




中間試験のための勉強はがんばった・・・つもりだった。


授業以外に、家に帰ってからの一時間と、寝る前の一時間は真剣に勉強した。しかし試験勉強なんて何年もしてこなかったので、集中できるのはそれが限界だった。


そして中間試験の結果は、美知子のクラスの四十人中二十四位、学年では約百六十人中百十位だった。


がんばったつもりなのに、こんなものか。期末試験はもっとがんばろう。




そして六月四日の土曜日の午後に、バレーボール部の練習試合が行われた。


約束通り、俺と恵子が観戦に行く。委員長、淑子、麗子もついてきた。


ちなみに皆、セーラー服の夏服(白い生地の長袖)に衣替えしている。


体育館に入ると、松葉女子校のチームと、別の学校のチームが集まって練習試合の準備をしていた。


「相手は青海高校。共学の高校の女子バレーボール部ね」


「共学だとバレーなんてやりにくくない?」と恵子。ブルマーから出た太ももを男に見られるのを気にするらしい。


「男にいいところを見せたいために、女子校以上にがんばるかもしれないわよ」


麗子の指摘に委員長が「ハレンチね」と言った。


「でも、相手の学校で練習試合や公式試合をすることになれば、当然男の観客も来るでしょう」


俺がそう指摘すると、委員長と恵子は身をふるわせた。若い男に免疫がないようだ。


「共学でも、そんなにきれいな子はいないね」


「失礼よ、トシちゃん」


準備運動の後、試合が始まった。五セット制で、第一セットに河野さんはコートに入らなかった。


最初は女子校チームの先輩のサーブだ。その先輩が打とうとすると、


「へい、へい、お嬢さんチームのサーブだよ!」と相手チームからヤジが飛んできた。


「なんて下品なの!」眉をひそめる麗子。


「うちもお嬢さん学校ってわけじゃないけどね」


先輩がけっこうきついサーブを打つが、余裕でレシーブされ、トスからスパイクへと繋げる。


そのスパイクも別の先輩がレシーブし、打ち返す。


「当たり前なんだけど」と俺は言った。


「どっちのチームも私たちより断然うまいね」


「そりゃバレー部だもの」


結局相手チームのスパイクが決まり、相手にサーブ権が移った。


その後の試合の流れを見ていると、相手チームの方がやや強いようだった。少しずつ点差が付けられ、第一セットは女子校チームの負けだった。


コートチェンジをして始まる第二セットでは、河野さんがコートに入った。


「あ、河野さんが出た!河野さーん」はしゃぐ恵子。


「相手チームに通用するかしら?」と心配する委員長。


相手チームがまず強いスパイクを打つ。それを河野さんが拾って、先輩のスパイクへと繋げる。


「うん、河野さん、負けてないよ」


河野さんが前衛に出ると、今度はスパイクを打つ。相手チームのブロックに阻まれるが、すぐに拾って別の先輩が打つ。


相手チームは強いが、河野さんを含めた女子校チームも健闘し、第二セットはかろうじて女子校チームが取った。


「やった、やった」


喜び合う俺たち。麗子はどさくさにまぎれて俺に抱きついてきた。


いいかげん慣れたけどね、このボディータッチ。


河野さんはその後のセットも試合に出続け、第三セットも取り、第四セットは負けた。


一喜一憂する俺たち。


決勝の第五セットで、河野さんはコートの横に飛んだボールを取ろうとして足をひねり、他の選手と交替することになった。


「大丈夫かしら、河野さん」


壁際にすわる河野さん。そこで俺たちに気づいたらしく、こちらに手を振った。


「たいしたダメージじゃなさそうかも」


「そうだといいけど」


練習試合は結局三対二で相手チームの勝ちで終わった。試合のかたづけを始める部員たち。俺たちは、一緒に後片付けをしている河野さんに近づいて聞いた。


「足、ひねってたみたいだけど大丈夫?」


「大丈夫、大丈夫。よくあるやつ。サポーター巻けば問題ないよ」


「そう、良かった」俺たちは胸をなでおろした。


「でも、惜しかったね」と淑子。


「うん、青海高校はけっこうな強豪校なんだ。県大会でいつも上位に入っているから」


「河野さんが出たときは、こっちが優勢だったわね」


「そう言ってもらえると張り合いが出るよ」


「河野~」その時、コートの方から先輩が呼ぶ声がした。


「あ、じゃあ、もう行くね。今日は応援してくれてありがとう」


そう言って河野さんは去って行った。


その後、俺たちは連れだってぞろぞろと校門から出て行った。


「惜しかったね、試合」と恵子。


「でも、河野さん、かっこよかった」これは俺のセリフ。


それを聞いて麗子が焦ったように言った。「私も、こう見えてピアノが弾けますの」


いや、河野さんと張り合わなくていいから。


「私も勉強なら負けません!」


委員長まで!・・・確かに中間試験で学年一位だったけど。


梅雨が来る直前の季節だった。


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