表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女グレイプニル! 〜正義の魔法少女になれない私だけど、魔法少女を助ける為に暗躍します〜  作者: 鈍色錆色
第二編 Bルート 愛と花

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
64/64

第六十一話

「うわっわっわぁぁ!!?」

「頑張ってよ、マジで。アンタがチカラ抜けば、死ぬのは私の方なんだから」


 マスコットは、飛べる。

 それは間違いではない。だが、まだ魔法少女ではないニアスは知らなかった。

 魔法には体力を消耗し、マスコットもそれは例外でないことを。


「ふにぃぃぃ!!」

「あー…………死ぬ? 私」

「に、いいいぃぃぃ!!」


 パタパタと、手の平からはみ出した両足を動かしながら、なんとか()()する。


 その速度は落ちてはいるが、それでもまだ速い。

 加速に対して、減速が間に合っていない。


「しかない…………もっと壁に近寄れない?」

「っ!…………くぅぅぅ!!」


 その無理なオーダーに、なんとかカステムは答える。

 代わりに余計な体力を消費した為か、加速はさらに進んでしまう。


 だが、ニアスにとっては問題ない。

 ニアスは自身の右足を、マンションのベランダの方へ差し出した。

 ガン! と言う無機質な音と共に上に弾かれるも、即座に元の位置に戻して、またガン! と弾かれる。


 その、繰り返し。


 右足を犠牲にした、落下のブレーキ。


 やがて速度は落ち切り、ニアスは地面にふわりと着地した。


「はぁ、はぁ…………その足、大丈夫?」

「うーん。骨にヒビ、ぐらいの軽傷だけど、それより靴がやばいかも」


 骨にヒビが入ることを軽傷、とニアスは考える。後のことを考えると怖いが、痛みを我慢すれば走れる。だが、靴へのダメージは甚大であった。

 擦られた時に焼けついたのか、ところどころ溶けて、靴紐も一部ちぎれている。底面と側面の接合が外れ、靴としてのフォルムを崩している。


 逆に、靴がダメージを守ってくれたからこそ、骨にヒビ程度のダメージですんだ、とも言える。


「おぉ、本当に怖いな」


 上を、見上げると。炎羅はこちらをじっと見下ろしていた。

 睨みつけているのではない、監視しているのだ。


 その証拠に、その目にはなんの感情も見受けられず、片手には携帯電話のような物まで見える。

 何か、指示を出している。


 おそらく、部下を使ってニアスを追い詰める算段なのだろう。


「しょうがないな」


 多分、ここに何人来ようと捕まることはない。けど、物理的に退路を断たれれば、突破には時間がかかる。


 そうすれば、炎羅は降りてきてニアスを捕まえてしまうだろう。


 今度こそ、詰む。ニアスは深くため息をついて、カステムと向き合った。


「カステム…………だっけ?」

「! そ、そう! これ何がどうなって…………」

「説明は後でするから…………取り敢えず、なるよ」

「え?」

「なるよ、魔法少女」

「…………本当? なりたくないんじゃないの?」

「なりたくはない。けど、今は魔法少女のチカラがいる」

「…………ごめんなさい」

「押しかけみたいなことをする癖に、ちゃんと謝るんだ」

「私たちだってこんなこと……いえ、始めましょう、『契約』を」


 ちょこん、と。カステムが小さな手をニアスに差し出す。

 ニアスはその手を握り締めた。


「究極魔法『機構(システム)』起動 マスコット権限による契約承認を要請 承認」


 虚空に、白い光と共に物体が現出する。


 それは2枚のカード。そして魔法のステッキ。


 オーソドックスな杖型とは違う、落ち着いた、可愛らしいタイプのピアス型ステッキ


 ピアス型?


 ニアスの額を汗が伝う。


「私、ピアス付けたことないんだけど」


 予想外の危機が訪れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ