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【リアル生成AIスキル】を得たので、あらゆる物を学習&出力しまくる件/ リアル・ジェネレーター  作者: AoisoraKumori
第一章(3/3) 『決着』

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第89話 反抗作戦ー3

 それから朝食後、悠人たちは、B級ダンジョンに挑むことに決める。


 A級探索者になるには、昇格指定されているA級ダンジョンを複数攻略することが必須だ。

 ただ、まずは先日妨害されてろくに攻略できなかったB級ダンジョンの攻略を経験することに決める。

 流石に焦ってA級ダンジョンに挑むのは危険だという意見で、皆は一致していた。


 朝の自宅には、まだ完全に目覚めきっていない空気が漂っている。

 調理の音と香ばしい匂いが少しずつ場を温めていった。

 結局、昨夜は襲撃や何者かがこの家に侵入してくることはなく、悠人たちは無事に朝を迎える。


「卵、もう少し焼いたほうがいいな」


「ふん。

 パンはこれで最後よ」


「スープ、味見してもらっていい?」


 フライパンで焼かれるベーコンの弾ける音や、鍋の中で湯が静かに揺れる音。

 それらが自然と会話のきっかけになっていた。

 窓の外へ目を向ければ、昨夜の緊迫した空気とは打って変わって、穏やかな朝日が街を照らしている。

 しかし、その平和な風景こそが、これから向かう戦場の過酷さを際立たせているようでもあった。


 簡潔なやり取りの中に、長い付き合いから生まれた信頼が滲む。

 B級ダンジョンに挑むという現実は重い。

 だが、食卓を囲むこの時間が、緊張を適度にほぐしてくれていた。

 温かい湯気が立ち上るリビング。

 四人で囲むテーブルは、外界の喧騒やネクロスの陰謀から一時的に切り離された、唯一の聖域のように感じられた。

 咀嚼する音と、食器が触れ合う微かな響き。

 そうした日常の断片が、これから命を懸ける者たちの心を繋ぎ止めている。


「みんな。

 俺、物理生成ができるようになったんだ。

 これからは、概念以外も生成できる。

 もっと前線に出て戦うことにするよ」


 朝食の最中、悠人は打ち明ける。

 その言葉は、早朝の暗闇の中で掴み取った希望だった。


「──なるほど、だから朝早くから起きてたんだね」


 茜が微笑む。

 その笑顔には、隠しきれない安堵と、少しの茶目っ気が混じっていた。


「──え、何で知ってるんだ茜」


「当たり前じゃない。

 神崎さん、いびきがうるさくてあまり寝れなかったんだよね──。

 いつもこんな感じなの?」


「なっ──」


 茜は相変わらず笑顔を浮かべているものの、何か底知れない圧のようなものを感じさせる。

 零華はその顔を赤く染めていた。


 口数は次第に増えていく。

 いつもの調子を取り戻しつつあった。

 心の奥底に沈殿していたS級探索者への恐怖を必死に押し流そうと皆で無理矢理にでも口角をあげていく。

 笑い声が一つ上がるたびに、重苦しかった空気の粒子が弾け、前を向くための活力が満ちていった。


「──緊張するな。

 さっきから心臓がうるさいぜ」


 食事を終えると、各自が装備の最終確認に入る。

 刃こぼれの有無、防具の留め具、回復ポーションの本数。

 どれも一つ欠ければ命取りになる要素ばかりだった。

 リビングの机の上に広げられた道具類からは、金属の擦れる音がしきりに響く。

 零華は愛刀を丁寧に拭き上げ、リリスは矢の羽の乱れを一本ずつ修正していった。

 茜は魔法の触媒となる杖の状態を、真剣な面持ちで確かめている。


 皆で準備運動を行い、万全の態勢を整えていった。


「……でも、やるしかないよ。

 大丈夫、私たちなら」


 関節を回し、筋を伸ばし、呼吸を整える。

 そこからしばらく無言の時間が続いた。

 だが、それは不安ではなく集中の証に違いなかった。

 やがて視線が交わり、四人は小さくうなずき合う。

 その仕草だけで、全員の意思が一致していることが伝わってきた。




 ◇




 B級ダンジョン「力労りきろう會根かいね」。


 B級ダンジョンの名にふさわしい緊張感が、ゲート周辺の空気を震わせていた。

 ダンジョンのゲートへ足を踏み入れた瞬間、外界の音は完全に遮断され、代わりに低く響く地鳴りのような音が耳の奥に残る。

 漂ってくるのは、土と古い魔力が混ざり合った、この場所特有の重厚な匂いだった。


 悠人たちのパーティは、ダンジョンへ突入すると、これまでの経験を総動員して慎重に進む。

 巨大な岩壁に囲まれるダンジョンの奥からは、冷たい風と共に、言葉にできない圧迫感が流れ出てきていた。

 まるで巨大な怪物の口腔内へと入り込んでいくような錯覚を覚える。

 先頭と後衛の距離、視界の確保、足場の確認。

 どれもが訓練通り、反射的に行われていく。

 壁面には無数の傷跡が残り、過去に挑んだ冒険者たちの戦いを物語っていた。

 深い爪痕や、焦げ付いた魔術の跡が、この場所の生存率の低さを無言で突きつけてくる。

 それと同時に、今回は風間次郎のような”先行者”がいないことも確認し、安堵した。


 突如として地面から現れたワーム型のモンスターが咆哮を上げる。

 瞬間、即座に陣形が組まれた。


「来るぞ!」


 悠人の声と同時に、攻撃と防御が同時に展開されていく。

 零華の剣撃が激しく火花を散らしていた。

 茜の魔法の光が暗い洞窟を白々と照らしていく。


「このまま押し切るわ!」


 零華の鋭い一閃が、魔獣の強固な外殻を容易く断ち切った。


「魔法を、右の部分へ放つよっ」


 茜の叫び声が空間を震わせ、蒼白い雷光が闇を鮮やかに切り裂く。


「前方、かぎ爪に注意してください」


 リリスの”妨害系の概念”が刻まれた正確無比な矢が、魔獣の目潰しとなって突進を完璧に止めた。

 息を合わせた連携が、敵の猛攻を少しずつ削いでいく。

 鋭い声が飛び交い、緊張の糸が張り詰めていた。

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