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fuwa-mofu!!?  作者: ふなむし
21/21

二十本目:将軍の丸ごと桃のコロコロ作戦

「……きゅ……、きゅう、きゅう!!」



ズルイ! ズルイ! ズルイ! ズルイです、斯季様!



「きゅ――――――――――!!!」



い、今すぐ、その桃をこちらに転がしてくださ―――い!!!


甲高く鳴いて、小さく飛び跳ねてその場でコロコロ転がって主張をしたら、斯季様は今度は広めな布を"ぱぁ!"と広げると、私と対角線上の端に桃を置いた。

な、何? 何で布? そして、桃をそんな位置に置くの?


私が今度は「むーむー」と悩み鳴きし始めると、斯季様は桃をコロリと一回転させた。

自然と桃に意識が引き寄せられる……。……コロリ……。



「……珠々殿、では……桃をそちらに転がすので、どうぞ」


「!!!?」



え!? 通じたの!?


ちょっと驚いていると、斯季様は本当に私に向かって桃を転がしてきた。



―ころころころ……ピタ!



「では、どうぞ」

「きゅう~!」



そして、大分私に近い位置で桃が止まった。

これは齧り付くチャンス!?


も、もも、桃ぉ!!


―くん! ……ころ……


もももももも桃っ!


―くん! ……ころころ……


桃、もも、モモ、蜜桃ッ!!!


―くんくん! ……ころころ……ころ……ころ………………かぷ!!!


「……んきゅぅ!!」



ヤッタ! 桃にかぶりつけた!! このまま、とりこんじゃえっ!!!



「ん、ごきゅ……ンんん!??」



桃に……紐!? ……紐!!?



「んきゃう!!?」


―ぷら~~ん……


「……飲むまで気が付かなかったのか、珠々殿……」



むぅ……。


ぷらぷら……ぷらぷら……。



「きゅあッ!」

「あ!?」



フンだ! 斯季様のイジワル!! 毛玉だって怒りますからね!?

私は叫び声と同時に紐を吐き出してその場に着地した。

そして毛を逆立てて身体の体積を増やして、威嚇の"怒ってる"ポーズ!



「そう怒らない欲しい。ふむ? ……珠々殿はこの距離までなら、大丈夫……なのだな?」


「きゅ……?」



そんな斯季様の声に視線を向ければ、案外近くに来てた……。



「きゅ……ぁあああああああ―――!?」


「わ!?」



そして私はここ一番の声を張り上げて飛び退いた。


しかし、ここで新たな声が……



「ははは……珠々はこんな所に居たのか」

「陛下!」



あ。燕さまの父上様。



「きゅ? きゅ?」



一人で散歩ですか? 良いんですか!?

陛下とはまだ距離があるから、私はまだ平常心でいられる。

私の問い掛けに陛下は……まぁ、当然、答えない。無理だもんね。

その代わりに陛下は私に言葉を掛け始めたの。



「こっそり珠々を探していたのだが……」

「きゅ?」



陛下の言葉に斯季様は下がろうとしたのだけど、陛下が「居ても構わない」と止めた。

でも、私に……何かな?

目上げる形で待っている私に、陛下は一旦瞳を閉じて、開いた時は真剣な目で私を見た。

そして……



「―……ところで珠々、一年後の燕の成人の儀の時に現れる瑞獣は是非、"竜"をお願いしたい」

「きゅ?」



それって、選べるの?




…………ところで、""瑞獣 って…………何?

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