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第二十五話 誰の素足なの?


 ホテルの!


 ディナーバイキング!


 食べ放題!


 お料理いっぱい!


 大食堂へとやってきた僕ら。

 一歩踏み入れた瞬間、テンションは最大値を突き抜けるほどに上がった。

 なんせ、体育館か!と言わんばかりの広さに、料理がぎっしりと並べられている。

 和・洋・中、いったい何種類の料理があるのだろうか。

 少しずつ取ったとしても、全種類を食べるのは無理かもしれない。


「こういうのは、好きなものにターゲットを絞って行くのがベテランなのよ」


 里帆がドヤ顔で言う。

 まあ、もっともなことではあるが・・・・、好きなものを好きなだけ取ればいいと思うよ。

 席に案内された僕たちは、さっそく好きなものを取りに行く。

 お昼ご飯を抜かしているので、ものすごくお腹が減っている。

 まずはサラダ系からかな。僕はサラダのコーナーへ向かった。


 サラダをお皿に盛ったがまだ空きがあるので、中華のコーナーで海老のチリソースと豚の角煮を取った。

 よし、席に戻ろう。おっと、ドリンクも行っておかないとね。


 席に戻ってきたのは僕が最初だった。

 ふむ。女子が戻ってくるのを待とう。

 ほどなくして女子たちが戻ってきたが、彼女たちのお皿を見て開いた口が塞がらなかった。

 ケーキやらプリンのカップがこんもりと乗っているのだ。

 いくら女子がスイーツ好きだからといって、バイキングで最初からデザートに走るというのはどうだろうか。


「お前たち・・・そんなんでいいのか」


 だが、僕の声はまどかたちには届かなかった。

 エビチリ、美味しいな・・・。


 バイキング、美味しかった!

 お腹が満たされた僕らは、部屋に戻るなり再び温泉に向かった。

 満腹状態でお湯に浸かっていると、眠くなってくる。

 それにしても今日は疲れたが、良い一日だった。

 まどかをはじめ、里帆や菜帆ちゃん、由香ちゃんの裸足を楽しめた。

 いささか女子の輪に入り切れてない感はあるが、むしろこの距離感の方が撮影に集中できるってもんだ。

 ・・・・・。

 そういえば、BooTubeにアップできるような動画を最近撮ってない気がする。

 せっかくまどかの素足のファンも出来たのだ。ファンの方の期待に応えるためにも、何か撮影したいな。

 そう思ってお風呂から部屋に帰ると、すでにまどかたちが戻っていた。

 どうやら僕は温泉に浸かりながら、あれこれと考えすぎていたようだ。思ったより時間が経っていたようである。

 ふと、部屋の隅の方に立ててある衝立ついたてに目が留まる。

 衝立自体はかなり大きなものなのだが、下の方に隙間が15センチほどある。

 ふむふむ、これは使いようによっては面白いことができそうだ・・・。

 僕は、女子たちに声をかけた。


 ―――

 衝立の下から、素足がニョッキリと出ている。

 さてこれは、誰の足でしょう~?

 これはつまり、僕が考えたゲームである。

 衝立の下の隙間から足を出してもらい、それが誰の足かを当てるというゲームである。

 足を出しているのが誰なのか、僕には見えないように衝立で隠してもらう。

 はじめにこのゲームを思いついてまどかたちに話した時には、実にめんどくさそうな顔をされてしまった。

 しかし懸命に説得した結果、このゲームを上手に撮影してアップロードするということで、女子たちの了解を得ることができた。

 今衝立の下から出ている足は、まどかや菜帆ちゃんの足に比べて大きい。

 それだけで、もう答えは出ているね。

 答えを言う前に、素足をカメラで嘗め回す。

 ほんとに綺麗な素足である。思わずため息が出てしまいそうになる。

 これは、里帆の足だ!


「は~い、りほりんの足でしたぁ~!」


 衝立の向こうから、里帆が登場する。

 もちろん、撮影中のため顔はマスクで隠している。

 さて、次の足は誰の足になるのかな?

 いったん隣の小部屋に僕は引っ込む。

 まどかの「どうぞ~」という合図で部屋に戻ると、衝立から新しい素足が出ている。

 文章にするとなんとも不気味な感じになってしまうが、ありのままに表現しただけである。

 さて、これは誰の足か・・・大きさは、まどかたち中学生くらいだな。

 そしてまどかや菜帆ちゃんの素足ならば、もっと色白だ。この足は色黒ではないが、まどかのそれよりも若干小麦色寄りに見える。

 ふむ、分かったぞ・・・由香ちゃんの足だね!


「あったり~! ゆかりんの足だよ~!!」


 ふふふ、僕の目を甘く見ないでいただきたい。

 何年素足フェチをやってきていると思う。

 次も当てちゃうぞ☆


 三番目の素足は・・・色白な素足。

 肌のきめ細かさなどは、まどかのものととてもよく似ている。

 しかし、足首から(かかと)、爪先までぴったりと両足を揃えて衝立の下から出している。

 一目見て「お行儀の良さ」がうかがえる素足だ。

 残念ながら、うちのまどかはこんなお淑やかさは持っていない・・・。

 とすれば、もう答えは分かってしまったね。

 これは、菜帆ちゃんの素足です!


「は~い、当たりで~す! 菜帆りんの足の裏でした~」


 うむ、可愛い!

 これで残すはまどかの足だけとなった。

 四択なので、回答としてはまどかしか残ってないのでやる必要はないのだが、動画としては全員分を撮影しておかないといけない。

 まどかが衝立の下から素足を出す。

 うむうむ、見慣れたまどかの足の裏である。


「はいっ、マドっ子まどりんで~す!」


 堂々と女子たちの素足の撮影が出来てしまった。

 旅行のテンションというものは、すごい。

 帰ってこれを編集するのが楽しみである。

 お腹もいっぱいになり、温泉に入って満足した僕らは、家では考えられないほど早く、就寝してしまった。

 いや、その布団の気持ちいいこと!

 ただし、僕だけ隣の小部屋で寝ることとなった。

 少し寂しい、夜だった。



つづく



2017/10/27 体裁を整えました。

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