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最強クロスチョップを会得した僧侶っ!!  作者: 大石次郎


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VSレッサードラゴン 後編

吹雪や足場の悪さに負けずロンスラットさん率いるレイドの皆さんは全隊、竜骨兵群に対して優位な様子でしたが、問題は凍え縄とドラゴンテイマーの方です!


「チキチキチキチキッッッ!!!!」


耳長(みみなが)めっ! 耳長めっ! 耳長とガラクタめっ!!」


メハの気配と時々吹雪の向こうの上空で炎が炸裂しているようなので無事ではあるようですが、凍え縄は頭部を降ろしてこず、私に対してはひたすら長い胴体による切断攻撃とアイスジャベリンの連打で『上』に来させない対応をしてきますっ。

ドラゴンテイマーの方の方はどうもベルミッヒさんの魔法があまり効かないみたいで、直接攻撃や弾丸や榴弾で攻撃してくる装着ゴーレムに入ってる3号さんの方をより危険と見なし執拗に攻撃魔法や『見えざる鉤爪』を発生させる能力で付け狙っているようでした。


「う~~~っっ」


凍え縄はテイマーに操られた状態な上に、竜族特有の『追い込まれるとより強い生命力を発揮する』性質のせいで私のハッピーグラディエーターの能力は上手く条件を満たせないようです。

スパンクラーニングの方も、これは野津波の時もでしたが相手の攻撃力が高過ぎて『ちょうどいい加減に瀕死』というのが難しくてっ、無理です!

こっちが神力を高めると敏感に反応して避けてくるし、こんな相性悪いことってある??

私が霜まみれでジリジリとしていると、


「レルク! すまないっ。交代だ! 対策されてるっ。魔法が効かない! 3号の攻撃精度では当てられないっ。ヤツは乗っている飛竜も強化できるっ! それに」


「逃げる気か?! 耳長ぁっ!!」


「コイツ凄い『耳長』って言ってくるっ! お腹痛くなってきたっ!!」


吹雪越しに半泣きらしいベルミッヒさん。ほんと、ストレス耐性低いですね・・


「わかりましたっ、上の方でメハが『引っ掛かって』ます!」


「わかった! 3号っ」


「ビャーっ!!」


3号さんが閃光弾を放った隙にっ、私達は入れ替わりました!


「改めましてっ!」


カウンター気味に放ってきた、見えざる鉤爪を片手で放った神力チョップで切断し、そのまま骨の飛竜の片翼に切れ込みを入れてやりましたっ。


「お前・・それは神力だな?」


相手が警戒している内に横目で確認。

ベルミッヒさんは早速、当て易いファイアストームの魔法の火炎の竜巻を起こして凍え縄の長い胴体を牽制し、3号さんは頭上に魔力障壁を張りながら上空のメハの加勢に急上昇してゆきました。よしっ。


「はい、私は『もう一息のマッスル』を司りしポポクレス神様の祝福を受けた者ですっ!!」


「マッスル? ・・まぁいい。自分の側に正義があるとでも思っているのだろう」


「凍え縄は人里近くで生息するには育ち過ぎましたっ! 貴方の思想も極端です!!」


これはまた怒るな、と言いながら思ったのですが、


「・・『自然』は野放図(のほうず)なのだ。竜はその化身。卑小な知恵に頼る我ら『真には竜にならざる者達』はその力の奔流にただ身を委ねるのみ」


案外冷静ですね。


「なんでそんなに『人』が下なんですかっ。そうですね、例えば・・うん。保護区に放してあげた方がずっと自然ですしっ!」


「この竜はここで発生したっ。ゆえにっ! この竜はこの地で野放図にしてよいのだ!! 吠えよっ! 凍え縄っ!! お前は自由だっ!!!!」


「チキチキチキチキッッッッ!!!!!」


ドラゴンテイマーの方の振り上げた杖に呼応して力を高める凍え縄!


「話しにならないですっ、貴方をコテンパンにして! 凍え縄も倒してしまいすよっ?!」


「はっ! 露呈しているぞ? お前もお前の『内なる竜』に従い、野放図にしたいだけではないかっ?」


「ううっ、貴方の屁の突っ張りはもう結構ですからぁっ!!!」


ベルミッヒさんが遁走したのもわかりますねっ! 私は付与されてるフライトの魔法の出力を上げ突進しました。

ドラゴンテイマーの方は見えざる鉤爪は私に相性悪いとみて、かまいたちを放つエアシェイバーの魔法の連打に切り替えてきますっ!


「しゃーーっっ!!!」


私は神力を前面に集め、エアシェイバーの連打をまともに受けながら突進続行っ!


「もう一押しのっっマッスルっ!!!」


(ゆけっ、レルクよっ!)


あちこち浅く切られたけどっ、近距離戦の間合いまで迫りました!


「このっ、脳筋がっ!」


見えざる鉤爪を直接攻撃に近い形で放ってきましたが、右手の神力チョップで斬り払い、左手の神力チョップで骨の飛竜を両断しっ、


「んちゃーっ!!」


宙に浮いた相手に身を捻ってローリングソバットを放って下方に蹴り飛ばしましたっ!


「がはっ!!!」


落下しながら昏倒するドラゴンテイマーの方!


「ロンスラットさんっ!!」


「っ! 確保だぁっ!!!」


ロンスラットさんの号令で魔法使い隊がマナロープの魔法で杖を奪いつつ拘束し、完封してくれました。

残存の竜骨兵達も術が解けて砕け散ります。こっちは完了ですね!


「チキチキチキチキ・・・」


凍え縄も力が衰え、吹雪を維持できなくなり動きもアイスジャベリンの連打も鈍りました。


「ベルミッヒさんっ!」


「よくやったっ、私は眼鏡と3号をやられたっ!」


「え?」


ベルミッヒさんはいつの間に眼鏡を飛ばされて中空で若干ヨタヨタしていて、装着型ゴーレムの残骸が下方に落ちている中、岩肌に3号さん本体はアイスジャベリンでガッツリ串刺しにされっ、機能停止していました!


「3号さぁーんっ?!」


「ハァーイっ!」


どこからともなくもう1体っ、3号さんが近くに飛んできましたっ。


「えーっっ??」


「すぺあぼでぃニ、せんとらるめもりーヲ転送サセタヨ?」


「あ、うん。はい」


3号さんの自我、フラットですね・・


「レルク! 消耗したレイド隊が下手に凍え縄に突っ込むと被害が出るっ! 3号に補助させる、速攻で片せっ。私は腹痛と眼鏡を失ったから『元気が無くなった』!」


元気が無くなったんだ。


「わかったっ! 行くよっ、3号さん!」


「ピャピャピャピャーーーっっ!!!」


私と3号さんは未だ上空にある凍え縄の頭部を目指しっ、一気に上昇を始めました!

さっきとは比べ物になりませんが、長い巨体による斬撃やアイスジャベリンによる攻撃はありますっ。巨体斬撃は用意に回避っ! アイスジャベリンは3号さんが口から『怪光線(かいこうせん)』を放って迎撃してくれました。

冷たい雲の掛かる遥か上空では、盾を失い防具と剣にヒビの入ったメハが青い顔で踏ん張っていました! 凍え縄の頭部もかなり損傷していますっ。


「チキチキ・・」


無駄撃ちを止め、間合いを取る凍え縄の頭部!


「オイオイっ、早かったな! あったまってきたとこだぜ?」


「メハ、貴方は大した物ですよ」


「へへっ」


私達は互いの裏拳を軽くかち合わせました。途端、


「っえ?!」


「おっ?」


互いの魔力と生命力が増大しましたっ。


「どうやら私の『ソウルタッグ』の発動条件を満たしたようですっ」


背を預けるに足るバディと組んでの死闘で戦闘力アップの能力です!


「光栄だね」


私達は凍え縄に向き直りました。3号さんは取り敢えず私の頭に止まりました。対峙してみて、やはりこの竜には知性を感じます。


「凍え縄さん! いまさらですがっ、保護区に移りま」


(愉快デアル)


静かな思念でした。


「え?」


(長ク退屈デアッタ。コノ(いくさ)、愉快デアル)


「・・・」


(レルクよ、ここまでの消耗と、メハによって脳まで損傷を受けておる。助かるまい。マッスルの礼を尽くすのじゃ)


「・・失礼しました、この地の主よ! 最大の力で貴方を倒しますっ!!」


「チキチキチキッッ!!!」


私達は3方に展開しますっ。凍え縄は凍り付くブレスを吐きました!

3号さんが回避しながらフルパワーの怪光線を放って口を撃ち、ブレスを止め! メハは下方から持ち上げてきた長い巨体の斬撃を剣を砕きながら胴の一節を切断して防ぎ!


「でぃあっ!!」


両腕を発光させながら飛び込んだ私に、焦げて砕けかけた大口で凍結噛み付きを放ってくる凍え縄に向かってっ、


「ゴッド・クロス・エクスキャリバァァーーーッッッ!!!!」


私は、光の交差斬撃を放ったのでした。



・・・ナプの町では広場で火と虫除けの香を焚き、照明魔法を浮かべ、夜通しの宴会が続いていました。あれだけ育った竜の遺骸はお金になります。

ドラゴンテイマーの方は装備の没収と『強制レベルダウン』と『竜使役能力の封印』の処置を受けた上で、山中のドワーフ郷を含め報復を行わない条件でワードラゴン族のコミュニティへと帰されました。

大手柄のメハはワーキャットの子だけでなく、色んな子達にチヤホヤされています。別に、って感じですね。

仮の変な眼鏡を側に置いたベルミッヒさんは野外に作業机と魔工照明を持ち込んで拡大鏡を掛けて、もうどっちがどっちかわからない3号さん2体の調整に没頭しています。

私はさっきまでロンスラットさんやギルドやナプ教会の若手方々の大騒ぎに付き合っていたのですが、こっそり物陰に引っ込んでワインの瓶を片手に一人で飲んでいました。また僧服を着てますしね。


「おっ、不良僧侶がおるぞ?」


例によって地上に飲み食いしに来ていたポポクレス神様です。


「取り敢えず、課題は全てクリアしましたよ。お陰で殺生しまくりですがっ」


「マッスルには哀しみが付き物よ、よいしょ」


ポポクレス神様は私の肩に座り夜空を見上げました。


「レルク・スタークラウンよ、お前はよくやっておる。今日は休むとよいんじゃ」


「言われなくてもですよ」


不良僧侶は、物陰でワインをぐびぐび飲むのでした。

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