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12-エピローグ
盛大、とまでは言わないけれど、それでも多少は豪勢な晩餐だった。
「センマ」
「なんですか?」
「風に当たってくるわ」
「分かりました」
ベランダに出ると、少し肌寒かった。
「ふう…」
今日は疲れた。どうにも私はこういうことに好かれてるのだろう。
人に迷惑かけまくりだし…。
そんなことを考えてたらメールが一通届いた。
「あ、サナからだ」
クラスメイトの笹峰奈々からだった。
「え…?」
内容は驚愕のものだった。
私はすぐにサナに電話をした。
プルプルプル…。
三回コールしたところで出てくれた。
「もしもし」
『もしもし? 今日休んでたけど…大丈夫?』
「私は大丈夫だけど…、メール本当?」
『うん。本当』
「サナは平気なの?」
『うん。平気。でも気をつけて、彼が狙ってるのは』
「私?」
『うん。えへへっ…さっきから私、うん。しか言ってないね』
「ふふっ。そうだね」
『明日は来るよね?』
「うん。サナ、明日一緒にご飯食べよ?」
『分かった。なら明日ね』
電話はそこで切れた。
メールの内容は私の彼氏が他人事症候群と診断された、ということだった。