懐かしの
今日、部屋を掃除していたらスーパーボールが出てきた。
透明な緑の中に銀のラメを散らしたそれは、強く投げつけると天井まで飛んだ。
天井から帰った後もてん、てん、てんとゴム玉は楽しそうに跳ねている。
そういえば、昔はよくスーパーボールで遊んだ。小学生の頃など、友達とどれだけ高く飛ばせるか競い合ったものだ。
特に、友達の住むマンションの屋上は広くてよく弾み、格好の競技場だった。
あの日も、自分のボールと一目で分かるようにマジックで自分で作ったマークを書き入れ、皆でスーパーボールを跳ねさせていた。
そのうちに、屋上から地上へと投げつけたら反動でかなりの高さまで飛ぶんじゃないかと話題になったのだ。
面白そうだと思い、人がいないのを確認してから私は地面へとボールを投げつけた。
ゆっくりと小さくなっていくボールをへりに掴まって身を乗り出して見ていたのが今でも鮮やかに思い出せる。
お気に入りだったピンクのスーパーボールはとんでもない勢いで垂直に飛んでいき、そのまま帰ってくることはなかった。
宇宙の星にでもなってしまったのだろうか。
やり場なく浮遊する私のサイン入りスーパーボールを宇宙人が拾っていくのを想像する。