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第38話 建物の設計相談

よろしくお願いいたします

「俺もデックのところへ移動するから、そこで設計図の話をしよう」


 三人を見送った後、デイカーはカウンターから四人掛けテーブルへ移動した。


 私とシサも同じテーブルに座った。


「では、見せましょう」


 デックが持っていたカバンから設計図を取り出し、テーブルの上に広げた。


 設計図には外部、内部の様子が細かく記載されていた。


 私がお願いしたように、大きさはカフェの一軒家の半分くらいで、両方とも室温の管理もバッチリできるようになっていた。


 蔵は入り口から二つに仕切られていて、一つは味噌や醤油を保存する場所、もう一つはコーヒーの実を焙煎までできる魔道具を置く場所にされていた。


「ちゃんと私が伝えた通りになっているわ。これでお願いしたいわ」


「室温管理の設備や、エルが気にしていた匂いのことなどは、俺が請け負う予定でよかっただろうか?」


「ええ。私もそのつもりよ。デイカーにお願いするわ」


「わかった」


「では、私は明日にでも着工していきますね」


「えっ、そんな早くやってもらえるんですか?」


 シサがいう通り、私もそんなに早くやってもらえると思っていなかった。


「はい。今、丁度空いている時でしたので、すぐに取り掛れますよ」


「そうなんですね。よかったですね、オーナー」


「ええ。すぐに作ってもらえるなんて運がいいわ」


「では、明日からのために早速戻って準備してきます」


「毎日ここまで通ってくれるのかしら?」


「そうですね、何人かでやることになるので、みんなでナイト街に宿を取って泊まることになるかと思います」


「そうなのね。ご苦労様ね。どれくらいで完成するのかしら?」


「宿を取ってやるので、早く完成させるつもりです。大体二週間くらいでしょうか?」


「そんなに早く出来上がるのね!」


 思っていたより早く出来上がるみたいで私は驚いた。


「普通の家とは違って、内装がほとんどないので早く作れますね」


 確かに、入り口が二つで中は壁で仕切っているだけの予定だ。


「では、私はこの辺で失礼しようと思います。シフォンケーキとコーヒーはおいくらでしょうか?」


「デック、それは俺が出すから気にしないでくれ」


「ううん、デックも代金はいらないわ。明日からよろしくね」


「お気遣いありがとうございます…… 美味しいシフォンケーキとコーヒーをごちそうさまでした。私の方こそ明日からよろしくお願いいたします」


「どうやって帰るんだ?」


「三時間後に、馬車にここへ来てもらうように伝えてあります。そろそろいい時間ですね」


 何時にデックが来たのか覚えていないが、もうここに来てから三時間も経ってしまっているようだ。


「それでは私は失礼します」


「ありがとう。明日からよろしくね」


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


 デックは迎えに来た馬車に乗って帰って行った。


「そろそろ俺も帰ろう。エル、お会計をお願いする」


「魔道具におまけもつけてくれたし、今日は大丈夫よ。それとデイカー、これは魔道具の代金よ。いつもよくしてくれて、ありがとう」


 私はデイカーに5万トピー渡した。


「……ありがとう。こちらこそだ。いつも気遣い、とても嬉しい」


 デイカーはいつもの嬉しそうな笑顔でお礼を言った。


「じゃあ、また明日来る」


 デイカーも帰っていった。



 私とシサはみんなが食べた食器を片付けていた。


「あ〜クードのおかげで全然沁みなくて嬉しいです」


「本当ね。魔法って本当にいいものね」


 クードのおかげで手荒れが良くなり、とても快適に食器洗いができていた。


「二週間後には蔵ができるってデックは言ってたわね。シサ、私、今度の休みに観光がてらナイト街に行って、宝石をお金に変えてこようと思っているわ」


 私は皿を拭きながらシサに話す。


 いつ蔵が完成してもいいようにお金を用意しておく必要がある。


「わかりました! お供します。ナイト街はどんなところか楽しみですね!」


「そうね。せっかく行くから美味しいものも食べたいわね」


 この一軒家に来てから私とシサはどこにも行っていなかった。


 休みにはあれこれ家のことやカフェのことで忙しくしていたためだ。


 ナイト街は港街なので、きっと美味しい海の幸もたくさんあるんだろう。


「そうそう、コーヒーをメニューに加えなきゃね」


 魔道具が来たので、明日から早速メニューに加えていく。


「そうでしたね。私、紙とペンを持ってきますね」


「ええ、お願い」


 シサが二階へ取りに行ってくれた。


 私はその間、前のメニューを各テーブルから回収しておいた。


「お待たせしました。どうぞ〜」


「ありがとう」


 シサが持ってきてくれた紙とペンでメニューを書いた。


 “日替わりランチ 800トピー“


“定番メニュー:カレー 600トピー“


“デザートセット:シフォンケーキかチーズケーキ 600トピー

  コーヒーか紅茶かカフェオレ(ミルク入りコーヒー)が選べます。“


“単品メニュー


 ・コーヒー、カフェオレ(ミルク入りコーヒー)各400トピー

 ・シフォンケーキ、チーズケーキ       各400トピー

 

  *ケーキはお持ち帰りもできます。             “



これでいいわ。


 代金はいつも口頭で伝えていたが、メニューに書いてほしいと何人かのお客様に言われたので、今回から書くことにした。


 “粘る大豆“は張り紙をはずそうか、どうしようかと迷っていたところだったが、案外聞かれて注文がくるようになったので、そのままにしておいた。


 私は書いたメニューを各テーブルに置いていった。


「そろそろ夕食の準備をしなくちゃね」


 外を見ると日が落ちていた。


「えっ、もうそんな時間ですか? 早いですね」


 今日はコーヒーの試飲と、蔵の設計図の確認など色々なことがあってとても早く時間が過ぎていった。


 私達は2階へ移動し、夕食を食べて、お風呂に入り、すぐに寝てしまったのだった。


お読みいただきありがとうございました。もし作品を楽しんでいただけましたら、お気に入り登録や評価などいただけると大変励みになります。

是非是非よろしくお願い致します!!m(_ _)m

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