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プロローグ

異世界もののテンプレから逸れて、異世界における役割って?というのを考える作品を作りたくって書きました。

更新は不定期です。

時刻はもう日付をまたいでおり、最終電車に揺らされてる俺こと山崎徹(やまざきとおる)は、スマホでネット小説を読みふけていた。


「多いなぁ、ざまぁ系とか俺TUEEEE系

…」


長年オタクをしてる身としては、こういう爽快な話しやら実は俺、強かった系は好きなのだが、どうしても気になる点がある。


「貴族社会なのに、なんでこうも上の爵位の人はなにやってるの?ってなることが多いんだ?」


ネット小説内の貴族と現実世界の貴族が別物なのは理解できるが、根底にあるものは同じはず。

貴族という役割…ロールをなんかこなせてなくね?が俺の意見だったりする。

話の展開上、仕方ないのは100も承知なんだが気になると細かいところまで気になってしまう。


「…っつぅ」

唐突に眉間あたりに鋭い痛みが走り、目眩がする。

10連勤からもう数えてないし、休日なんてないようなもん。しかも23時まで残業とかいうクソ勤務のせいで体がボロボロである。


「もう30になるのに、何やってるんだろ」


ブラック企業に捕まってから、上司は働かんし、上層部は話を聞いてくれない。

労基に行ったら、1ヶ月間無言電話をし続けてくるとかいう陰湿なイジメをする。

終わってるな、この会社…。

転職するべきなのはそうなのだが、そうさせないように必要ない業務を詰め込んでくる。


こうして倒れれば、新しい生贄を取ってくるという。

倒産しねーかなこの会社。


そんなこんなで何とか家に着いたが、目線が安定せず、胸の辺りが締められてるように苦しい…。


部屋に入り込むが、体が倒れて起き上がれない…。

あ、終わったなこれ…。


自分の最後が分かり、走馬灯のように家族の顔を思い出す。

あぁ、こんなことになる前に行動できてたら…。


後悔してももう遅い。

自分の命の最後を悟りながら、もし次があるとしたら…。


もっとのんびりと暮らしたいなぁ…。


そう思いながら、意識を手放した。



…。

……。

………。



あれ?

なんか眩しい?

なんか体持ち上がってね?


生きてるのか?

目を開けようにも開かない。あれ?なんで?


息はできてるし、なんかいい匂いもする。

死んだと思ったが助かったのか?

でも、なぜ目が見えない?


あ、視界が開けてきた…。


「アヴぅ!」


「あら!貴方!シルヴィが目を開けましたよ!」


「おお、本当だ!」


「ア、アヴ?」


何だこれ?喋れねぇ。

しかも、綺麗な女性の顔が物凄い顔を寄せてくるじゃねーか。

てか、シルヴィって誰だよ。


ふっと顔を横に向けてみると鏡に映る自分が見えた。


赤ん坊じゃねーか!!!!!!!


なんで?どうして?なんでこうなった?


「奥様、お体に触ります。シルヴィ様は、私共でお預かりしますのでお休み下さい」


「ええ、わかったわ。お願いするわね」


今度は、メイドさんだ。

母親と離されてしまった。メイドさんに抱っこされるとイケオジな男性を見つけた。

人差し指を向けられた。反射的ににぎにぎしでると


「赤ん坊というのは、いつ見ても可愛いものだ。我が子ならなおさらな」


「ええ、そうですね。健やかに過ごして欲しいものです」


メイドさんに撫でられる。

うむ、綺麗な女性に撫でられるのは良き。

このイケオジさんは、父上であったか。というと、この体は約束された美少女の体だな!

自分で言ってて悲しくなった。だって、自分で見られないもの。


見渡すと綺麗な内装。裕福そうな大人。そしてメイドさん。

こういう調度品を見ると、おそらく中世辺りの世界観のはず。

うーむ、考えたくないがこれ、転生してね?

しかも、貴族じゃね?

めんどくさい事にならね?

だって、貴族のご令嬢ってことだもん

こっちは元社畜だぞ!絶対に貴族社会に溶け込めないじゃん!


こうして、元社畜はご令嬢に転生した。


ー数日後


目が覚めれば、元の世界に!と期待しましたが戻りません。

現実逃避ができねぇ。


数日経って分かったことといえば、この家は公爵家であること。

家名はフランソワ

なので、俺こと私の今世の名は「シルヴィ・フランソワ」になる。


公爵家となると、位は1番上。

ということは、品を求められる為、もう人生、ハードモード確定どころかルナティックまである。


公爵家の令嬢となると、婚約者とかできるのかなぁ。嫌だなぁ、男と結婚する羽目になりそう。

回避するとなるとどうするか…。


こうやって集めた情報から嫌な部分が多いが嬉しい部分もある。

それは、この世界に魔法があること!

オタクとしてはこれは是が非でも体験したい。前世から憧れてたこういう世界に自分がいるっていうのがこう感動するんだよなぁ!


と、いい事2割。悪いこと8割なのである。

もし、小説のタイトルをつけるなら、「社畜が異世界転生したら、人生難易度ルナティックでした」だな。


こんな状況に放り込まれたが、悲観はしていない。この世界での目標があるからだ。

前世からの疑問である『異世界の人類は役割を果たせてるのか?』だ。


異世界の定番である「貴族」、「勇者」、「聖女」等挙げればキリがないがこういう人たちは、役割を果たせてるのか。どうせなら自分の目でみたいのだ。


となると、やることが多い。コミュニケーション能力が必要だし、荒事を回避するために武力も必要。公爵家として、内政の知識も必要。なんなら、貴族社会の知識も必要。なんでこうなった。


貴族ってめんどくせぇ。

でも、目標のために頑張るかぁ…。

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