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回帰○(リターン・ゼロ)~平凡な俺の前世が『神』だった~  作者: トランス☆ミル
第一章 新たな人生の始まり編

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第3話 この世界とは

 入隊2日目。ヴィジ達トリオは、ダクラ部隊の支部の教室で座学を受けていた。


「今日は昨日言っていたように、この世界の事について、説明しようと思う。前の資料を見ながら聞いてくれ」


 そう言うとダクラは説明を始めた。


「まず世界の構成について。この世界は階層のように、幾つもの世界が折り重なって出来ている――」



【資料1】


 〈〈世界階層構造〉〉


 〈宇宙《ユニバース》〉:最小単位の世界で、数多《あまた》の種類が存在する。たくさん集まると多元宇宙《マルチバース》、高多元宇宙《ハイマルチバース》――と続く。


 〈仮想宇宙《メタバース》〉:宇宙にいる1つひとつの生命の思考、想像、妄想などを具現化、実現、また想像不可能な事象も内包する構造。架空宇宙《フィクションバース》とも言う。


 〈全越宇宙《オムニバース》〉:形而下、形而上、形而超、概念、非概念、内包可能な事象、不可能な事象など、文字通り全てを包含する構造。構造の最終形態。


 〈天越宇宙《オメガバース》〉:我々の住む神の世界。全てを超越した原初の世界。楽園宇宙《エデンバース》、単に楽園《エデン》とも言う。



「覚えるべきはこの4つだな。仮想宇宙《メタバース》は人気の観光スポットでもあるぞ。ゲームやアニメ好きにはたまらん場所だからな」


 ダクラは資料を指しながら説明する。空中にホログラムを浮かべ、視覚的に階層構造を映し出している。


「常識だね」


「へぇ〜、僕は知らなかったよ。僕たちって結構すごい存在なんだね」


 ヴィジは驚きながら必死にノートをとっている。


「そうだな。宇宙《ユニバース》と生活感はあまり変わらないが、俺たちは世界の管理者でもある。祓魔師《エクソシスト》の仕事はバグの対処だけではなく、全越宇宙《オムニバース》の管理もしなければいけない。


 ――だが、これだけではないんだ」


 ダクラは急に真剣な表情をすると、怪談話のような声色で話し始めた。


「伝説でしかないが、実は天越宇宙《オメガバース》の更に上もあると考えられている――」


 ダクラのそんな話に、レイとフラクタは即座に乗っかる。


「その話、都市伝説で聞いたことがあります! 《《下々の世界》》が祓魔師《エクソシスト》によって管理されているように、天越宇宙《オメガバース》の『原初の存在』も創造神の娯楽によるもので、そのプログラムの不具合こそバグの正体だと」


「シミュレーション仮説ね。下界でも『怨霊』とか『前世の記憶』とか『タイムスリップ』みたいに似たような現象があるものね。それも全部システムの不具合によるものだし……」


 レイとフラクタは都市伝説の話で大盛り上がりだ。


 ヴィジは2人の話を聞いて、静かにうなずいている。


「まぁ、詳しい話は未だ研究されているが、おそらく大君主《オーバーロード》は何か知っていると俺は思っている」


「何故そう思うんですか?」


「……勘だよ。それより次は歴史だな」


 ダクラは話を戻し、説明を再開した。



【資料2 】


 〈〈時代〉〉


 1、〈原初の時代〉:全ての始まり。


 2、〈創造の時代〉:宇宙、世界などの構造、全てが創られた時代。天越宇宙《オメガバース》に最初の人が創られた時代。


 3、〈神話の時代〉:宇宙に最初の人類が誕生した時代。


 4、〈革命の時代〉:大きな革命が起きた時代。


 5、〈新星の時代〉:革命後の新たな時代。現代。



「ミル様が新たに大君主《オーバーロード》になって革命の時代に入ったんだ。他はあまり覚える必要もないな」


「ミル様ってそんな昔からいるんですね」


 ヴィジは初めて知ることだらけで、興味津々だ。


「あぁ、詳しい年代は知らないけどな。最後は祓魔師《エクソシスト》についてだ――」



【資料3】


 〈〈祓魔師の階級制度〉〉


 〈〈下位三階級〉〉


 1、〈称号なし〉:1番下の階級。


 2、〈大《アーク》〉:称号なしのまとめ役。


 3、〈権《プリンシ》〉:大より更に力をつけた者。基本的に小部隊の統率する隊長を務める。


 〈〈上位三階級〉〉


 4、〈能《パワー》〉:能力や技術に長けた者。


 5、〈力《ヴァーチェ》〉:攻撃や防御など、戦闘に特化した者。


 6、〈主《ドミニオン》〉:全ての部隊を統率する大隊長。


 〈〈特別階級〉〉


 7、〈大君主〉:祓魔師《エクソシスト》のリーダー。軍の総帥。



「お前たちはまだ称号なしだな。だいたい理解出来ただろ。質問は受け付けるぞ」


 やがて、一通りの説明が終わると、質問タイムに入った。


「はい」


 ヴィジが手を挙げる。


「なんだヴィジ」


「1つの軍につきだいたい何部隊くらいあるんですか? また人数はどのくらいですか?」


「そうだな。うちは10部隊程だが、他は平均30部隊くらいだ。人数は少なくて、うちは約5000、他は約20000人程だな」


「階層ごとの人口から見てもかなり小人数ですね。人口が1番少ない零階層ですら500億人はいますから」


 フラクタも口を挟む。ヴィジは納得した様子でうなずいた。


「他に質問あるか? もっと砕けた質問でもいいぞ」


「はい! 神ノ加護(フォース)はなんですか!」


「教えん」


 ダクラは座学を続けた。




「よしっ、座学は終わりだ。明日は初任務に行ってもらうから、寮に戻って準備をしろ」


 夕方。部隊の説明も兼ねた座学が終わり、3人は支部にある寮に戻った。


「おかえり」


「おぉ、帰ってきた!」


 寮に着くと、昨日仲良くなったネリンとウェントが出迎えてくれた。


 ウェントはヴィジとレイ、ネリンはフラクタのルームメイトだ。


「昨日はほぼ挨拶しかしてないから、今日はたくさんお話しよう」


 ウェントがそう言うと、5人は食堂に行き晩ご飯を食べながら話をした。


「ヴィジくんはミル様と同じで象徴がないんでしょ。アタシ興味あるわ」


 ピンク髪のボブの女の子――ネリンは、象徴がないというヴィジに興味津々だ。


 目を輝かせながら、ヴィジを見つめている。


「最上位部隊のネリンちゃん達でも、ミル様を見た事が無いの?」


「写真くらいは見た事あるけど、僕たち下級の隊士が会えるような方じゃないからね。せめて『権《プリンシ》』以上の称号持ってないと」


 フラクタの質問に、ウェントが答える。


「超精鋭部隊って下級隊士でも入れるんだな」


「見習いみたいなものさ。階級ってそんな直ぐに上がるものじゃないし、素質があったら上位の部隊に派遣されるんだ。


 僕やネリンも元々別の部隊から来たし、下級の隊士は僕たち5人だけだよ」


 ウェントの説明に、3人はそうなんだとうなずく。


 2人はその後も質問を続けた。


「君たちはミル様を見たことがあるんだってね。羨ましいよ。どんな人だったの?」


「うーん。髪が白くて、背が高くて、すごく顔が整ってた」


「へぇ〜。あなた達ラッキーね」


 そんな他愛のない話をしながら、5人は楽しく食事をしたのだった。




 ご飯を食べ終わると、5人は一旦それぞれの部屋に戻る。


 そして女子が男子の部屋に集まり、明日の任務の話を始めた。


「明日の任務、この5人で行くらしいわよ」  


 ネリンがみんなにそう告げる。


「そうなのか」


「そうなのよ。新人トリオと派遣されたアタシ達下級隊士に実戦経験を積ませるって」


「ふーん」


 レイは納得したようにうなずくと、


「ところで2人の能力ってなんだ?」


 と、能力についての質問した。


「そういえば言ってなかったわね。アタシの神ノ加護(フォース)は『サイコキネシス』。文字通り念動力でものを操る能力よ」


 それを受けて、ネリンはコップを浮かせて見せる。


 ネリンの手からは淡い水色のオーラが滲み出ており、コップの周りにも同様のオーラが見えた。


「おぉ〜!」


 ヴィジはそれを見て、パチパチと拍手をする。


 続いてウェントは、


「僕の神ノ加護(フォース)は『炎魔法』と言う炎系の魔法さ」


 と、指先から炎を出して見せた。赤い炎が、人差し指から立ち上っている。


「2人とも強そうな能力ね」


 フラクタが感心したように、口を開いた。


「あなた達はどうなの? 気になるわ」


 それからネリンにそう言われ、3人もそれぞれ自分の能力を紹介した。


「3人ともなかなか面白そうな能力だね。拡張性もある。親善大会に出場できるかも知れないね」


 3人の能力を見て、ウェントはふとそう口にする。


「親善大会?」


 ヴィジは首を傾げる。


 それを見て、ウェントが説明を始めた。


「4年に1度開かれる祓魔師《エクソシスト》総合親善大会のことで、常世《とこよ》全階層の祓魔師《エクソシスト》が実力を試し合うんだ。


 目玉は同じ階級同士での一騎打ちトーナメント。試合は下位三階級のうち、『大《アーク》』と称号なしの者のみ出場可能。上位の階級が出れないのは、規模が大きすぎるから、底を見せないため、など様々な理由があるらしい」


 ウェントは親善大会の宣材写真を見せながら語る。


「不定期に大君主《オーバーロード》親善試合というのもあるらしいけど、神話の時代以降やってないらしいな」


「そんなものがあるんだ」


「生配信で見なかったの? ちなみに親善大会は今年開催で、約1ヶ月半後だよ」


 何も知らないヴィジを、ネリンは疑問に思う。


「ヴィジはちょっとした事情で、あまり世間に詳しくないんだ」


「そうなんだ。ヴィジくん達のこともっと知りたいな」


 その後も祓魔師《エクソシスト》になる前の話や、ミル様が愉快な人だったことなど、色々な話をした。




「そうだ。消灯時間までまだ時間があるし、寮の外にある湖まで散歩しない?」


 解散する間際、ネリンがそう提案した。


「近くに湖があるの?」


「寮の敷地は意外と広くて、自然豊かなの。その湖は『星の湖』と呼ばれている人気スポットなのよ」


「そうなのか……よしっ、じゃあ行ってみるか!」


 レイがそう言うと、ヴィジとフラクタも同意し、5人は湖へ行くことになった。


「夜はバグが活性化するって聞いたけど、大丈夫かな」


「祓魔師《エクソシスト》の拠点は結界が張られているから安心よ」


「そうなんだ」


 そんな話をしながら、支部の周りに広がる森の中をしばらく歩いていると、木々の向こうに大きな湖が見えてきた。


「これが……星の湖」


 そこには天に輝く星々が水面《みなも》に反射した大きな湖があり、とても幻想的な空間が広がっていた。


 森の木々も月灯りに照らされて、キラキラと輝いている。


「すっげ〜!」


「すごく綺麗だわ」


 5人はその美しさに目を奪われた。


「この世界の星は私たちに命を与える神の光。『太陽《ソル》』と『月《ルナ》』の欠片なんだ。


 階層を……常世と現世《うつしよ》をまたぎ、世界に光と闇をもたらす創造と破壊のオブジェクト――そういう言い伝えがあるわ」


 ネリンはそう言うと空を見上げる。


 上を見ると、大きな満月が煌々と輝いていた。


「今日は満月だったから、来たかったのよね」


 ネリンはそう言うと、視線をみんなに向けて微笑む。


「とっても綺麗だよ。連れて来てくれてありがとう!」


 それを見て、ヴィジも笑顔で答えた。


「こちらこそ。みんなで明日がんばろうね!」


「そうだな!」


 みんなの顔から、自然と笑みがこぼれる。


 その後しばらく湖と星空を堪能したあと、5人は寮に戻った。




「あぁ、綺麗だった!」


「そろそろ消灯時間だし、部屋に戻ろう」


「明日から忙しくなるなぁ」


 そう言いながら、今日は解散した。


 ――ヴィジ達はその後、部屋に戻っても話を続け、その日は夜更かしするのだった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


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〈主な登場人物〉


ヴィジ〈神ノ加護:霊力支配〉:今作の主人公


レイ〈神ノ加護:神線〉:陽気な性格。意外とまじめ。


フラクタ〈神ノ加護:波動〉:穏やかな性格をしている。


ウェント〈神ノ加護:炎魔法〉:優しい性格の持ち主。頭が良く、判断力に優れている。


ネリン〈神ノ加護:サイコキネシス〉:天真爛漫で活発な性格の女の子。頭はあまりよろしくないが、攻撃力はピカイチ。ボブのピンク髪。


ダクラ:大君主の側近、主の称号を持つ。真面目な性格。


ミル:常世零階層を統べる大君主。厨二病でお調子者。とても寛大。

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― 新着の感想 ―
ここまで読んだ限りでは、ちゃんと面白いです。 設定としては魅力的で世界観のスケールも壮大なので、物語の行く末への興味も強く惹き付けるものがあります。 繰り返しですが、課題点は映像描写かと思います。 …
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