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回帰○(リターン・ゼロ)~平凡な俺の前世が『神』だった~  作者: トランス☆ミル
第三章 反神者の陰謀編

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第14話 プリムンズ

合宿が終わり、ヴィジ達はゼロ階層での生活に戻っていた。


合宿が終わってから2、3週間くらいたったある日、いつものように3人でパトロールをしに行こうとしていると、


「ねぇ、君達。ちょっといいかな?」


と、誰かに声をかけられた。見てみるとお姉さん風の女性がいる。


「はい、なんでしょう。」


「君達がミル様の言っていたトリオ、『プリムンズ』か?」


「「「ぷりむんず?」」」


3人はハテナを浮かべてオウム返しする。


「あれ、違うのか?メンバーは確か、ヴィジとレイとフラクタだったはずだ。」


「あっ、それなら僕達で合ってると思うのですが、トリオ名とか初耳ですね。」


「そうなのか。まぁあの人も適当なところあるからな。」


「てかトリオってなんか意味あるんですか?」


「うーん。大事って訳でもないけど、選ばれたもの達に与えられる称号みたいな感じかな。


これを与えられると、メンバーに命を預けるという意味で、仲間同士が契約的なもので結ばれる。この3人が揃うと、相乗効果でトリオ全体のステータスがアップするんだよ。だからトリオに任命されたら普通はその3人で行動することになる。詳細は知らないけど。


トリオの他に4、5人でつくる『パーティー』ってのもあるけどな。」


「そうだったんだ。あの時、訳分からなかったけどとりあえず『承知しました』って承諾してしまってた。」


レイとフラクタはミルに初めて会った時のことを静かに振り返った。


「まぁ、今の時代トリオは仲良しグループみたいなものだ。昔は三大何とかって括りで今より価値のあるものだったらしいんだけど、今はまとまってた方が管理しやすいとかそんな理由で作られたりするからな。」


「そ、そんなもんなのか...」


「ところでなんの用ですか?」


「あぁそうだったな。ワタシの名前はナリシア。ダクラ部隊の能天者パワーエンジェルで、神ノ加護(フォース)は『解析操作』。あらゆる物を解析して操ることが出来る能力だ。今日は君達ととある事件を調査して欲しいとダクラ様に頼まれてね。


そこまで大きな事件ではないみたいだけど、君達みたいな称号を持ってない者は基本上級隊士の同行が必須だからな。」


「わかりました。」


「というわけでよろしく!」


「「「よろしくお願いします!」」」




「ところで事件ってのは一体...」


歩き始めてしばらくすると、レイが今回の任務について質問をした。


「この先の集落で不審な火事が相次いでいるらしいんだ。放火魔とか最初はその辺を疑ったらしいんだが、至る所に設置してあるバグ探知機が反応したり、バグらしき何かを目撃した者もいる。だから今回は怪奇事件として我々に話が回ってきたという訳だ。」


「なるほどぉ。要するにその火事の原因を探ればいいってことですね。」


「まあそうだな。火事が発生し始めたのが3日前で、既に5軒の家が燃えたらしい。規模からみて物の怪の類だろうから心配することもないけど、油断大敵だからな。」


そう話をしていると、山に少し大きめの集落が見えてきた。その村は人口1000人程で、全体的に古風な村のようだ。


「よし、ここだな。」


集落に着くと、まずは聞き込みとして長に話を聞きにいった。


「すみません、祓魔師エクソシストの者ですがお時間よろしいでしょうか?」


「どうぞお構いなく。わしはこの山村の村長のカルロスという者だ。この村の火事の調査に来たのでしょう?」


「はい。詳しい話をお伺しても?」


「事件の始まりはちょうど3日前、この村の1軒の家が火事になりました。今は秋ですので火などは使っておらず、どこから燃えたのか、なんで燃えたのかがわかりませんでした。


魔除の札を貼っていたので、最初は放火魔の仕業かと思っていたのですが、その後警察の意向で村中にバグ探知機を設置すると、2回目の火事の時に探知機が作動して警報が響きました。同時に2軒の家が燃え、近くの住人から真っ黒い人影が山の奥に逃げていくのを見たと聞きました。これが2日前の話で、昨日更に2軒が燃え、怪奇事件として警察が退き今に至ります。」


「なるほど...ではその燃えた家に案内してくれませんか?」


「わかりました。」


村長は少し暗い顔でことの内容を話してくれた。その話を聞いて4人は村長と共に燃やされた家を調査しに行った。




一番最初に燃えたのという家に着くとさっそく調査を開始した。


「やはり能力の残穢ざんえは残ってないか。ちなみに火事の時間帯とかわかりますか?」


「全て夜です。深夜0時といったところでしょうか。」


「うーん。これだけじゃわからんな。


おい、お前達は聞き込み調査をしてこい。」


「「「わかりました。」」」


3人は言われた通り聞き込み調査に向かう。


最初におばあさんに声をかけてみる。


「すみません。先日の火事の件でお聞きしたいことがあるんですけど...」


「火事ねぇ。あったことはしってるけど、詳しいことは何も知らないねぇ。」


「そうですか。お時間ありがとうございます。」


しかし、詳細は知らないようだ。


「とりあえず色んな人に声をかけてみよう。」


3人は数を当たることにした。




「すみません。火事のことについて何か知りませんか?」


「いや、何も。」





「すみません...」


「すまない。話せることはないな。」




「火事のことについて...」


「あたしを疑ってるの?」




次から次に声をかけるが、これといった手がかりがない。


「はぁ、何か知ってる人いないのかなぁ。」


「他の燃えた家っていうのはどこにあるんだ。近くじゃなくて無差別に燃えてるってか?」


「どーなのかな〜。あっ、すみません。火事のことについて何か知ってることありませんか?」


「あぁ、それなら隣のにーちゃんが人影を見たってよ。」


「えっ!?それは本当ですか?良ければその人に会いたいのですが...」


レイはダメ元で声をかけたおじさんのまさかの返答に間抜けな声を出してしまった。


「多分いるとおもうよ。そこまで案内してあげよう。」


「「「ありがとうございます!」」」


クタクタになりながらも聞き込みを続けけていると、ついに有益な情報を手に入れた。


それから教えてくれたおじさんについて行き、その人影を見たという人の家までたどり着いた。


「ごめんくださーい。」


ヴィジがそういうと中からこの村では若めの男性が出てきた。


「はいはい...あっその隊服、もしかして祓魔師の方ですか?火事のことを調査しに来たんでしょう。さぁさぁ上がってください。」


「じ、じゃあお言葉に甘えて。」


「立派なお屋敷ですね。」


3人は珍しいものを見るような目で家を眺めた。


この村全体がとても古い民家のような家ばかりで、中も和室になっている。こんな古い家が今でも残っているのはいささか疑問だが、そもそも和式の家なんて天界ヘブン第五階層でしか見ないもので、3人は驚いている。


しかし村人の首や顔にあった象徴が『ラファエル』のだと気づいて少し納得した。


中に上がると客室のようなところに案内され、その男は話を始めた。


「いやぁ、俺もたまたま夜風に当たろうと外を散歩していたら、近くに赤い光が見えてな。その方に向かっていたら途中で黒い人影が光の方から走ってきて、俺を見るなりやぶの中に入っていったわけ。なんだったんだと思いながらも向かっていると、家がものすごい勢いで燃えてたんだ。近づくと警報の音も聞こえてきた。


暗くてよく見えなかったけど、少なくともあれはこの村の者ではなかったなぁ。」


男は振り返るように語ると、ふぅーっとひとつため息をついた。


「なるほど...その人影が何者なのか、突き止める必要がありそうだな。」


「バグ探知機が作動したなら物の怪みたいな低級のバグだろうけど...」


「そうだな。でも魔除の札が効かなかったのも気になるね...てか魔除の札とは何ぞや。今まで普通に受け入れてたわ。」


レイは聞きなれない言葉に違和感を覚え、質問をする。


「魔除の札かい?この村には代々身を守るすべとして、それ自体に力や術式が組み込まれている『護符ごふ』という札を使うんだ。魔法における魔導書グリモワールみたいなものさ。それなりに修行を積めば、能力持ち出なくても力を使える代物。魔除の札はそのうちの1つで、家に貼っておくだけでバグの侵入や攻撃を防いだりするんだ。」


「へぇ〜。今どきそんなアナログ的なものが。伝説ノ武器(レジェンドウェポン)みたいなもんか。」


「いわゆる魔具とか神具みたいなものですね。」


みんなで盛り上がっていると男が、


「そうだ、これ個人的に調べたものなんだけど...」


と、地図を広げてきた。そこには火事の起こった場所が記されていた。それを見た瞬間、3人はあることに気がついた。


「ん?こ、これは...正五角形...」


その地図には綺麗に正五角形の頂点の位置に印がつけられていた。


「一体なんなんだろう。」


その正五角形が何を意味するのか、この時はまだ知らなかった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


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〈主な登場人物〉


ヴィジ〈神ノ加護:霊力支配〉:今作の主人公


レイ〈神ノ加護:神線〉:陽気な性格。意外とまじめ。


フラクタ〈神ノ加護:波動〉:穏やかな性格をしている。


ナリシア〈神ノ加護:解析操作〉:ダクラ部隊の能天者。真面目で元気な性格。お姉さん気質で多少厳しいところもあるが優しい。人間で言う25歳くらいの見た目。茶髪ポニーテール。

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