624話
反省と言っても攻撃する場面と攻撃を受ける場面を入れ替える速さが足りないとのことだろう。1回目の攻撃を受けるときに殺せと言いたいようだ。褒めるところは褒めるようだ。あのすり足のところの評価は大きかったようだ。
戦っている相手は基本攻撃手段を警戒する。一番大きいのはその手元だ。手元を警戒するため、距離の動きを見誤ったのが今回の勝利の要因だ。だが、相手がバカだから通用する戦術だ。全体を見ることができるほど視野が広い相手だとこの手段は使えず、せいぜい時間稼ぎになるかどうかだな。
技術としては有用だが、1回の勝負で使えるのは1回きりだな。真似をしやすい技術だ。相手にバレると使われるかもしれない。アリではあるな。
コボルトも倒すことができるとわかったのは大きかったようだ。満足したようで、組み手が始まった。気力を目に回すことで食らいついているようだが、その反応速度が足りていない。脳は追いついているが体は追いついていない。そんな状況だ。
目に集中するあまりに、武器が折られることも起きている。気力操作の熟練度の違いだな・・・。成長していけばなんとかなるだろう。盾も渡されたが、それも拒否して剣のみで戦いを挑むようだ。これが男のプライドってやつか。
結局取れたのは1本だけだ。気力操作という新たなスキルを手に入れたがための弊害だな。そのスキルに集中するせいで他のことに注意が消える。そこに漬け込まれているように感じる。
無意識に行えるようになればいいけどな。それかステータスでゴリ押すかだな。今の状況だと気力回復増加のスキルブックがいるな。どのみち気力操作のスキルレベルを上げることが一番先にしないといけないことだな。
あとは剣術の強化だな。アーツを使っても問題ないと思うけど、使わないのかな?違和感を気にしないのであれば使ってもいいと思うけど。強制的に体を動かされているという感覚が抜けない限りは、使うつもりはないのだろうな。
補助程度であれば喜んで使ったが、ガッツリと干渉されると俺には使う気が起きない。最近では一瞬だけアーツを発動させることもできるようになっているらしい。もう実質裏技のようなものだ。アーツを発動させると、武器の持ち方や姿勢を最適化してくれる。それを逆手に取りバランスを崩した時に一瞬だけアーツを発動させ、姿勢を正す。
そんな方法だ。よくこんなこと思いつくよな・・・。一瞬の判断が難しいのがこの技術だ。アーツを発動し、1秒経つとキャンセルすることができない。姿勢を正すのに1秒もかけずに行いすぐキャンセルしなければならず、あまり使う人はいないようだ。
使える人も周りから変態と言われている。姿勢が大きく崩れていれば、アーツは発動してしまう。そのため、小さく整える場合はちょうどいいのかもしれない。そろそろチーフもオークに挑むのかー。盾は必ず必要だな。剣で受け止めれないだろう。
まだ時間はある。チーフに挑戦させてみるか。騎士と相談した結果、行かすことになった。死んでも復活できるのだから問題はないだろう。5階層のオークだが、時間は夕方だ。帰る前に最後に挑む人がいるため少し混んでいる。
だんだん人数は減っていき、出てきた人は皆転移ポータルにより地上に戻っている。俺の後ろにも並んでいる人はいるので、実質人数が減っていないように感じる。順番が来たのでチーフを呼び出し、その扉を開け中に入った。
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