609話
順番待ちをしているのは大人が多く、学生はあまりこの階層に辿り着けていないのだろう。パーティーを組んでいる学生も1組だけ存在している。大人に挟まれており、あまり声を出して話してはいないようだ。
魔術師や騎士たちを召喚しておいた。分身体を3体出し、あの魔法を使うつもりだ。入ると同時にその魔法を放った。前衛にいるオークを通り過ぎると方向を変え、地面に落ち爆発する。
大体10体だと仮定しよう。なんと2体だ。一番遠くにいた槍を使う遊撃部隊かな?それが残っていた。その体は仲間の血で染まっている。どうやら間に仲間が入ることでクッションになり即死級の威力は消えたようだ。
背中に石の礫が刺さっているものや反面が焼けたものもいる。恐怖のあまり震えていた。魔術師によって殺され、一瞬で勝負はついた。肝心のドロップはほとんど魔石で1つだけ肉だ。
運ゲーに見放されたようだ。魔石も重要にはなってくる。豚バラをネギと一緒に炒めてレモンをかけたものが食べたくなってきたな・・・。だが、今欲しいのではない。
また入り口に戻り順番をまつ。何やらコソコソと言われたり、くすくすと笑われたりしている。コソコソと話しているのは大体が大人だ。まあ、向こうも関わらないようにしているのでいいとしよう。
肝心の馬鹿にしたように笑っているのは、前に並んでいた高校生らしきパーティーだ。どうせ、負けたとか逃げてきたとかでも思っているのだろう。そして戦闘に並んでいたパーティーは急いでボス部屋に入っていく。
まるでボスが再生するのをさせないようにだ。殺しているのを知っている身からすれば滑稽だなとしか思えない。大体、ドロップに変わるまで5分程度だ。その後出てくることになる。俺が出てきたのは大体6分だ。
戦っていて勝てないと思い引いたと考えたのだろう。向こうも話しかけてこないのだから問題はないな。これで話しかけられても噛み合わないコントが発生するだけだ。関わらないに越したことはない。
そして順番がまた回ってくるので、同じことを行った。その結果ドロップしたのは風魔法だ。必要だけど、そっちじゃない。なんだ物欲センサーでもまた邪魔しているのか?
今度は大爆笑している。なんだ、欲しいものが手に入らなかったことで落ち込んでいるのを見て手に入らないと思われたのか?並び直していると目の前の人に話しかけられた。
「こんなこと言うのもなんだけど、大丈夫かい?」
おそらく、この人も倒せなかったのだと思っているのだろう。だが、その良心から声をかけた人だ。あのクソガキどもとは違うな。
「倒せているので大丈夫すよ。欲しかったものが落ちなかっただけなので・・・」
「そうだったのか。大丈夫そうならよかった」
「ドロップに剣が欲しかったんですけど、あれ出ませんねー」
そんな雑談を始める。しばらく会話が続く。なかなか入った人が出てこないな・・・。出てくれば、順番が近いのでメンバーと話さなくて大丈夫ですか?とふることができる。
そうすれば会話を終わりに近づく。と出てきたのはあの学生だったグループだ。怪我をして出てきた。そして、回復魔法の屋台をしているところのキャッチに引っかかった。値段は大学付近のダンジョンよりは安めだが、五千円ほどだ。
全員が回復魔法を受けるようだ。前払いとして金を受け取ろうにも足りないようだ。電子マネーが使えず現金のみが理由のようだ。そして誰を回復するかで揉めている。手を差し伸べるつもりなんて全くない。
結局ジャンケンをして選んだようだ。だが、その結果に満足が行っていないのか、後衛の女子が喚き出す。周りの人からはもう白い目で見られているが、まだそのことに気がついていないようだ。
宥め終わり辺りを見渡した時にビクッとしていた。どれほど注目を浴びていたのかわかるな。関わりたくないから知らんふり知らんふり。怪我をしてもダンジョン内で治すことにしよう。
あいつらに知られると嫌な予感しかしないし。警戒は大切だ。先に避けておくことで目に見える地雷は踏み抜かないようにしておかないとな・・・。
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